報道発表資料
平成22年12月24日
法 務 省
債権回収会社(サービサー)の業務状況について(概要)
平成22年6月30日現在において営業を行っているサービサーに対し,その業務状況について調査した結果は,次のとおりです。
第1 サービサーの状況(H22.6.30現在)
1 営業会社数 100社 【表1−1】[PDF]
前回調査時(H21.12.31現在)は102社で,2社(2%)の減少
2 取扱債権数 9,031万件 【表1−2】[PDF]
前回調査時は8,374万件で,656万件(7.8%)の増加
3 取扱債権額 293兆円 【表1−3】[PDF]
前回調査時は279兆円で,14兆円(5.1%)の増加
4 回収額 32兆8,962億円 【表1−4】[PDF]
前回調査時は31兆2,023億円で,1兆6,940億円(5.4%)の増加
(注)1 これらの各データを出資母体別に見ると【表2】[PDF]のとおりです。
2 取扱債権数,取扱債権額及び回収額は,サービサーが,債権の管理回収の委託を受けたもの及び譲り受けたものの合計で,営業開始から(H11.2.1サービサー法施行日以降)の累計です。
第2 当期における特定金銭債権の取扱実績(H22.1.1〜H22.6.30)
1 全体
当期における特定金銭債権の取扱債権数及び取扱債権額を,種類別(該当条項別)に見た主な占有率は,次のとおりです。
(1) 取扱債権数に占める種類別割合 【表3−1】[PDF]
当期における取扱債権のうち,金融機関等が有する又は有していた貸付債権(1,2号)が全体の56.1%を占めており,次いでリース・クレジット債権(4〜7号の2)が37.3%を,求償権その他(3,15,20〜22号)が4.6%を占めています。
(2) 取扱債権額に占める種類別割合 【表3−2】[PDF]
当期における取扱債権額のうち,金融機関等が有する又は有していた貸付債権(1,2号)が全体の83.4%を占めており,次いで求償権その他(3,15,20〜22号)が8.4%を,流動化関連債権(8〜14号)が6.0%を占めています。
2 出資母体等別
当期における特定金銭債権(種類別《該当条項別》)の取扱債権数及び取扱債権額を,出資母体別に見た主な占有率は,次のとおりです。
(1) 取扱債権数に占める種類別割合 【表3−3】[PDF]
ア 金融機関等が有する又は有していた貸付債権(1,2号)
金融機関系51.0%,信販・貸金・リース系37.7%,不動産・独立系・その他11.0%
イ リース・クレジット債権(4〜7号の2)
金融機関系47.4%,不動産・独立系・その他34.6%,信販・貸金・リース系17.7%
ウ 流動化関連債権(8〜14号)
不動産・独立系・その他50.1%,外資系39.9%,信販・貸金・リース系6.0%
エ 倒産関連債権(16〜19号)
信販・貸金・リース系54.2%,不動産・独立系・その他45.4%,金融機関系0.4%
オ 求償権その他(3,15,20〜22号)
不動産・独立系・その他69.5%,信販・貸金・リース系13.5%,金融機関系11.7%
(2) 取扱債権額に占める種類別割合 【表3−4】[PDF]
ア 金融機関等が有する又は有していた貸付債権(1,2号)
金融機関系74.3%,不動産・独立系・その他13.6%,信販・貸金・リース系7.4%
イ リース・クレジット債権(4〜7号の2)
不動産・独立系・その他46.3%,信販・貸金・リース系34.2%,金融機関系15.5%
ウ 流動化関連債権(8〜14号)
不動産・独立系・その他69.7%,外資系27.9%,信販・貸金・リース系1.3%
エ 倒産関連債権(16〜19号)
外資系85.6%,不動産・独立系・その他6.6%,信販・貸金・リース系5.8%
オ 求償権その他(3,15,20〜22号)
不動産・独立系・その他78.6%,信販・貸金・リース系7.9%,金融機関系7.8%
(注) 種類別(該当条項別)とは,サービサー法第2条第1項各号の特定金銭債権を種類別に区分したものです。
第3 当期における特定金銭債権の回収実績(H22.1.1〜H22.6.30)
1 物的担保付き債権の手法別回収状況 【表4−1】[PDF]
債務者弁済によるものが62.9%,任意売却によるものが19.0%,競売によるものが8.9%を占めており,その他の回収手法によるものが6.1%(債権譲渡4.7%,破産等配当0.3%,その他1.1%)となっています。
2 物的担保なし債権の手法別回収状況 【表4−2】[PDF]
債務者弁済によるものが78.6%,保証人弁済によるものが12.4%を占めており,その他の回収手法によるものが7.4%(債権譲渡3.5%,破産等配当1.7%,その他2.2%)となっています。
第4 各サービサーからの業績等に関する主なコメント
1 取扱債権額の増減の原因に関するコメント
(1) 取引金融機関の債権売却は,入札件数・売却ボリューム共に激減しました。いわゆる「金融円滑化法」の影響が大きいものと思われます。このような状況の中,無担保債権の入札価格も高騰しておりますが,当社は,従来のスタンスを変えることなく,選別購入に努めております。
(2) 受託については,主にリース債権と住宅ローン保証会社の求償債権について取扱いが増加しました。
自社で保有する債権も,銀行が貸し付けた債権を中心に増加しました。
(3) 受託債権については,金融機関及びパブリックセクターから回収受託が増加した反面,クレジット・リース債権が減少し受託債権額は前回比104%にとどまりました。債権買取りは,16号債権を主に営業しましたが買取債権額は前回比40%に終わりました。
2 向こう半期の業績見通しに関するコメント
(1) 不良債権市場の縮小傾向は以前から変化なく,同業他社間の競争激化により債権買取価格は高止まりが続いており,厳しい状況は変わらないと考えられます。この市場環境を受けて,初期遅延債権や求償債権の管理回収受託等,新たなビジネスへの参入競争も激しくなってきていると思われます。
(2) 不動産市況の低迷,経済情勢の不振は依然として継続しており,担保物件の任意売却を希望されるお客様からの回収については難航することが予想されます。一方,小口無担保債権の回収については,回収額が順調に増加しており,今後は回収やバックオフィス要員の増員ともあいまって,更に回収額の増加が見込まれ,全体としての業績は順調に推移していくものと思われます。
3 中・長期的な展望に関するコメント
(1) 景気は徐々に回復していくと思われますが,これまでほどの不良債権処理の規模は見込めず,サービサー間での競争が激化し,業界としては厳しい状況が続くと予想されます。
(2) 中期的には,各金融機関が債権売却について積極的な方針に転換するまでは,当社が管理する債権は減少し,また,サービサー間での債権買取の競争の激化に伴い,収益面ではマイナスに働くことが予想されます。
しかしながら,長期的に見れば,長引く景気低迷から不良債権は継続的に発生することが見込まれ,サービサーの役割は高まるのではないかと考えております。