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平成11年版 犯罪白書のあらまし 〈第3編〉 少年非行の動向と非行少年の処遇

〈第3編〉 少年非行の動向と非行少年の処遇
1 少年非行の動向と特質
 (1) 少年刑法犯検挙人員第2図参照
 少年刑法犯検挙人員は,昭和59年以降減少傾向を示していたが,平成8年以降増加に転じ,10年には22万1,410人(前年比2.7%増)となっている。また,人口比(10歳以上20歳未満の少年人口千人当たりの検挙人員の比率)も,8年以降上昇し,10年には15.0となっている。
 さらに,平成5年以降は50%を下回っていた刑法犯検挙人員(交通関係業過を除く。)における少年比も,10年には前年に続いて50%を超えて52.5%となっている。
 (2) 罪名別に見た少年の検挙人員・送致人員 
 平成10年の交通関係業過を除く少年刑法犯検挙人員を罪名別に見ると,窃盗が65.8%と多数を占め,横領(遺失物横領を含む。)も19.5%を占めている。
 一方,平成元年以降増加傾向にあった強盗は,前年比7.9%減の1,566人となっており,また,近年70人台から90人台で推移していた殺人は,前年比56.0%増の117人となっている。
2 非行少年の処遇
 (1) 少年事件の検察及び裁判 
 平成9年における交通関係業過,道交違反及び虞犯を除く少年保護事件の家庭裁判所終局処理人員は14万5,474人(前年比14.4%増)で,その非行名別構成比を見ると,窃盗(60.3%)が最も高く,以下,遺失物等横領を含む横領(20.1%),傷害(5.4%),恐喝(3.8%),毒劇法違反(2.2%)の順となっている。
 処理内容別では,審判不開始が10万9,343人(75.2%)で最も多く,以下,不処分1万6,160人(11.1%),保護観察1万4,635人(10.1%),少年院送致4,406人(3.0%)の順となっており,刑事処分相当として検察官に送致(逆送)された者は292人(0.2%)である。
 (2) 少年鑑別所における鑑別 
 少年鑑別所新収容人員は,ピーク時の昭和59年に2万2,593人を記録した後,平成7年までは減少傾向を示していたが,8年から増加に転じ,10年には1万9,421人(前年比8.9%増)となっている。
 (3) 少年院における処遇 
 少年院新収容者は,ピーク時の昭和59年に6,062人を記録して以降,漸減傾向が続いていたが,平成8年から増加に転じ,10年は5,388人(前年比8.0%増)となっている。このうち男子は4,863人,女子は525人である。
 平成10年における少年院新収容者の非行名別構成比を男女別に見ると,男子は,窃盗(33.9%),傷害(13.8%),強盗(10.7%)の順,女子は,覚せい剤取締法違反(30.5%),虞犯(15.2%),窃盗(14.7%)の順である。
 (4) 少年の更生保護 
 保護観察処分少年の新規受理人員は,昭和52年から交通短期保護観察が実施されたことに伴って急増し,58年以降7万人前後で推移していたが,平成3年以降減少した。その後,6年9月に短期保護観察が導入されたことなどにより,8年以降再び増加に転じ,10年には5万4,221人(前年比0.4%増)となっている。
 少年院仮退院者については,昭和52年に少年院に短期処遇が導入されたことなどに伴って増加し,60年には5,585人となったが,その後は減少傾向にあった。しかし,平成9年以降再び増加に転じ,10年には4,815人(前年比14.5%増)となっている。
 保護観察処分少年及び少年院仮退院者少年の「再犯率」(保護観察期間中の再処分率)を見ると,いずれもおおむね低下傾向にあったが,平成9年から上昇に転じ,10年中に保護観察が終了した者の再犯率は,保護観察処分少年では16.7%,少年院仮退院者では24.3%となっている。

● 目次
◯ 〈はじめに〉
◯ 〈第1編〉 犯罪の動向
◯ 〈第2編〉 犯罪者の処遇
◯ 〈第3編〉 少年非行の動向と非行少年の処遇
◯ 〈第4編〉 各種の犯罪と犯罪者
◯ 〈第5編〉 犯罪被害者と刑事司法
◯ 〈おわりに〉