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平成12年版犯罪白書のあらまし 〈第7編〉 暴力団犯罪の動向と暴力団関係者の処遇

〈第7編〉 暴力団犯罪の動向と暴力団関係者の処遇
1 暴力団組織及び暴力団犯罪の動向

 平成5年以降減少傾向にあった暴力団構成員等(暴力団構成員及び準構成員をいう。)は,8年以降漸増し,11年12月31日現在では,約8万3,100人(前年比約1,800人増)となっている。同年における暴力団相互の対立抗争事件の発生回数は46回(同2回減),対立抗争事件発生回数に占める銃器使用回数の比率は91.3%(同10.0ポイント増)である。
 また,平成11年における交通関係業過及び道交違反等交通関係法令違反を除く暴力団構成員等の検挙人員は,3万2,511人(前年比474人減)となっている。
 暴力団構成員等の検挙人員を罪名別に見ると,覚せい剤取締法違反(7,933人)が最も多く,以下,傷害(4,618人),窃盗(3,001人)の順になっている。

2 暴力団関係者に対する矯正処遇及び更生保護

 平成11年における新受刑者中に占める暴力団加入者の数は,3,376人であり,1年以下の刑期の者の比率は20.4%(暴力団非加入者においては25.2%),再入者の比率は72.5%(暴力団非加入者においては51.8%)である。
 平成11年における保護観察新規受理人員に占める暴力組織関係者の数は,総数が2,450人(新規受理人員全体の5.1%),保護観察処分少年が149人(同0.6%),少年院仮退院者が230人(同4.4%),仮出獄者が1,648人(同12.4%),保護観察付き執行猶予者が423人(同8.1%)である。

3 暴力団関係受刑者の意識等

 法務総合研究所では,暴力団関係受刑者の行動傾向や暴力団離脱の意思等を明らかにするため,全国のB級受刑者処遇施設である刑務所を,平成11年11月20日から12年2月20日までの間に出所する男子受刑者を対象として,質問紙による調査を行った。調査対象者は2,825人(うち暴力団関係受刑者744人)である。

(1 ) 非行歴,事件の契機等
 暴力団関係受刑者の少年時における非行やいじめ等に関する経験を見ると,「薬物使用」,「不良集団への加入」,「親・兄弟への暴力」及び「他の人をいじめたこと」の経験があるとする者の比率が,それ以外の受刑者をいずれも5ポイント以上上回っている。

(2 ) 暴力団離脱の意思等
 出所後にこれまで所属していた暴力団との関係をどうするつもりかとの質問に対して,収容施設において暴力団離脱指導を受けたとする者では,「組にもどるつもりはない」と回答した者(57.4%)が最も多く,「組にもどるつもりである」と回答した者は27.0%である。これに対し,離脱指導を受けなかったとする者では,「組にもどるつもりである」と回答した者(49.4%)が最も多く,「組にもどるつもりはない」と回答した者は31.6%である。

4 暴力組織関係保護観察付き執行猶予者の実態

 法務総合研究所では,暴力組織関係保護観察付き執行猶予者に関して,その特質と保護観察の実施状況,成り行き等を明らかにするため,平成11年1月1日から同年10月31日までの間に保護観察を終了した者を対象に,保護観察事件記録に基づく調査を行った。調査対象者は302人である。

(1 ) 調査対象者の特質
 調査対象者が加入し,又は交際していた暴力組織としては,山口組,稲川会,住吉会の三団体が全体の3分の2を占めており,調査対象者の暴力組織内の地位又は暴力組織との関係を見ると,幹部が9.7%,組員が37.5%,準構成員が6.7%などとなっている。
 暴力組織に加入するなどした時点における調査対象者の年齢は,19歳以下が26.0%,20歳代前半が31.3%となっている。

(2 ) 保護観察の実施状況
 保護観察中の接触及び実態把握については,調査対象者中,6割前後の者について,接触や実態把握に困難が生じていることが認められる。また,保護観察期間中に所在不明になったことがある者の比率は26.9%に達する。

(3 ) 調査対象者の成り行き
 調査対象者の保護観察終了事由を見ると,期間満了が62.6%,取消しが35.8%となっており,平成11年に保護観察を終了した保護観察付き執行猶予者全体と比べると,取消しの比率がやや高くなっている。
 再犯事件と暴力組織との関連があったものの比率は,当該事件により公判請求されたものでは14.4%,罰金等の処分又は起訴猶予になったものでは11.9%である。

● 目次
 
○ 〈はじめに〉
○ 〈第1編〉犯罪の動向
○ 〈第2編〉犯罪者の処遇
○ 〈第3編〉少年非行の動向と非行少年の処遇
○ 〈第4編〉各種の犯罪と犯罪者
○ 〈第5編〉犯罪被害者とその国家的救済
○ 〈第6編〉経済犯罪の現状と対策
○ 〈第7編〉暴力団犯罪の動向と暴力団関係者の処遇