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平成15年版犯罪白書のあらまし 〈第4編 少年非行の動向と非行少年の処遇〉

〈第4編 少年非行の動向と非行少年の処遇〉

1 少年非行の動向と特質

 (1)  少年刑法犯検挙人員第5図参照
   少年刑法犯検挙人員は,昭和26年の16万6,433人をピークとする第一の波,39年の23万8,830人をピークとする第二の波,58年の31万7,438人をピークとする第三の波という三つの大きな波が見られる。平成8年以降増加していたが,11,12年と減少した後,増加に転じ,14年の少年刑法犯検挙人員は20万2,417人(前年比1.7%増)となっている。
 また,一般刑法犯少年比(成人及び触法少年を含む全検挙人員に占める少年一般刑法犯検挙人員の比率)は,平成10年以降の成人検挙人員増加に伴って低下しており,14年には44.1%(前年比1.9ポイント低下)となった。

 (2)  年齢層別の少年刑法犯検挙人員人口比
   少年一般刑法犯の年齢層(14歳未満,14・15歳,16・17歳,18・19歳)別人口比は,いずれの年齢層においても,平成8年から3年連続して上昇した後,11,12年と低下に転じたものの,13年はどの年齢層においても再び上昇し,14年は年少少年が横ばいである以外は,すべての年齢層で上昇した。

 (3)  少年検挙人員の罪名別動向
   平成14年における少年一般刑法犯の罪名別構成比では,窃盗(60.1%)が最も多く,次いで横領(22.9%)であるが,横領はほとんどが遺失物等横領である。
 凶悪犯の検挙人員を見ると,殺人については,平成10年以降,100人を超えて推移していたが,14年は83人となった。強盗については,8年に1,000人を超え,9年には1,701人と急増した後,おおむね1,600人台で推移し,14年は,1,611人となっている。
 共犯事件の比率が最も高いのは,強盗(71.2%)で,次いで,恐喝(61.5%),傷害(41.7%)の順であり,いずれも,成人の場合の比率(強盗23.2%,恐喝38.8%,傷害11.2%)を大きく上回っている。
 非行少年率は,どの年次の世代についてもおおむね14歳から16歳時に高率となり,17,18,19歳と年齢が高くなるにつれて低くなる傾向が見られる。

2 非行少年の処遇

 (1)  少年事件の検察及び裁判
   平成14年における少年保護事件の家庭裁判所受理人員は,28万1,638人(前年比0.9%減)で,終局処理人員(業過,危険運転致死傷,道交違反及び虞犯を除く。)は14万3,226人である。処理内容別では,審判不開始が72.6%と最も高く,保護観察(12.7%),不処分(10.3%),少年院送致(3.6%),刑事処分相当としての検察官送致(0.3%)の順である。

 (2)  少年鑑別所における鑑別
   少年鑑別所新収容人員は,昭和60年以降平成7年まで減少傾向を示していたが,8年以降に増加に転じ,13年には,戦後における少年非行の第三の波とされる時期のピークである昭和59年の総数を超える数値となり,14年は,わずかに減少して2万2,767人(前年比0.9%減)となったものの,依然として右ピーク時の総数を超えている。

 (3)  少年院における処遇
   平成14年における少年院新収容者数は5,962人(前年比0.8%減),1日平均収容人員は4,794人(同0.3%減)である。14年における少年院新収容者の非行名別構成比を,男女,年齢層の別に見ると,男子では,窃盗の36.3%が最も高く,次いで道路交通法違反(12.9%),傷害(12.9%),強盗(10.2%),恐喝(9.1%)の順であり,年齢層が上がるに従って道路交通法違反,恐喝の比率が高くなり,窃盗,傷害の比率は低くなっている。女子では,覚せい剤取締法違反の32.7%が最も高く,次いで窃盗(16.4%),虞犯(14.8%),傷害(11.4%),強盗(6.7%)の順であり,年齢層が上がるに従って覚せい剤取締法違反の比率が高くなり,虞犯の比率は低くなっている。

 (4)  少年受刑者の処遇
   裁判の確定により新たに入所した少年受刑者数(懲役又は禁錮の言渡しを受けた者のうち,第一審判決時20歳未満の者をいう。)は,昭和26年を最後のピークとして平成8年までおおむね減少傾向が続き,その後増加に転じ,14年には,前年比58%増の87人となった。

 (5)  少年の更生保護
   保護観察処分対象少年の新規受理人員は,平成8年以降増加したが,11年以降減少傾向にあり,14年は,前年比1.6%減の4万8,643人となっている。
 少年院仮退院者は,昭和60年まで増加した後,平成8年までおおむね減少したが,9年以降増加が続き,14年は,前年比1.0%増の5,848人となっている。
 保護観察処分少年及び少年院仮退院者について,保護観察期間中の再処分率を見ると,両者とも,8年まではおおむね低下する傾向にあったが,保護観察処分少年は,9年以降やや上昇傾向にあり,14年には19.2%となり,少年院仮退院者では,9年以降上昇・低下を繰り返し,14年には,前年比0.9ポイント低下の24.4%となっている。



● 目次
 
○ 〈はじめに〉
○ 〈第1編 平成14年の犯罪の動向〉
○ 〈第2編 犯罪者の処遇〉
○ 〈第3編 犯罪被害者の救済〉
○ 〈第4編 少年非行の動向と非行少年の処遇〉
○ 〈第5編 変貌する凶悪犯罪とその対策〉