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平成17年版犯罪白書のあらまし 〈第2編〉 犯罪者の処遇

〈第2編〉 犯罪者の処遇

1 検察
 (1)  被疑事件の受理
   平成16年における検察庁新規受理人員は,216万3,854人(前年比769人増)であり,その内訳は,一般刑法犯36万7,011人(同5.0%増),交通関係業過90万3,585人(同0.9%増),特別法犯(道交違反を除く。)11万363人(同5.0%増),道交違反78万2,895人(同3.6%減)であった。

 (2)  被疑者の逮捕と勾留
   平成16年における検察庁既済事件(交通関係業過及び道交違反を除く。)のうち,身柄事件の比率は,31.8%であり,身柄事件のうち,検察官が勾留を請求したものの比率は,93.3%であり,このうち裁判官が勾留請求を却下したものの比率は,0.3%であった。

 (3)  被疑事件の処理第2表参照
   平成16年における検察庁終局処理人員は,218万3,811人(前年比0.2%増)であり,その内訳は,公判請求が14万8,939人(6.8%),略式命令請求が75万4,128人(34.5%),起訴猶予が97万7,616人(44.8%),その他の不起訴が6万4,054人(2.9%),家庭裁判所送致が23万9,074人(10.9%)であった。公判請求人員は,7年以降,10年連続で増加している。
 16年における起訴率は,全事件では46.4%であり,罪種別では,一般刑法犯が50.0%,交通関係業過が11.2%,特別法犯(道交違反を除く。)が67.5%,道交違反が83.3%であった。
 同年における起訴猶予率は,全事件では52.0%であり,罪種別では,一般刑法犯が39.8%,交通関係業過が88.6%,特別法犯(道交違反を除く。)が29.0%,道交違反が16.1%であった。

2 裁判

 (1)  第一審第3表参照
   平成16年の地方裁判所,家庭裁判所及び簡易裁判所における通常第一審終局処理人員は,9万3,658人(前年比1.7%増)であり,このうち,有罪は9万3,161人,無罪は114人であった。
 地方裁判所における終局処理人員7万9,378人を罪名別に見ると,窃盗が1万2,333人と最も多く,次いで,覚せい剤取締法違反(1万648人),業過(8,799人),道交違反(7,920人),入管法違反(7,150人)の順であった。
 16年の簡易裁判所における略式手続による終局処理人員は,75万2,093人(同4.4%減)であった。

 (2)  科刑状況
   平成16年の通常第一審における死刑言渡し人員は,14人であり,罪名別では,殺人9人,強盗致死5人であった。
 無期懲役言渡し人員は,125人であり,罪名別では,殺人33人,強盗致死傷・強盗強姦82人,麻薬特例法違反6人,強姦致傷3人,放火1人であった。
 同年の地方・家庭・簡易裁判所における有期の懲役・禁錮の言渡し人員は,9万453人であった。このうち,地方裁判所における有期懲役・禁錮の言渡し人員の科刑分布は,「6月未満」4.4%,「6月以上1年未満」14.9%,「1年以上2年未満」41.4%,「2年以上3年以下」31.3%,「3年超5年以下」4.9%,「5年超」2.9%であった。刑期が10年を超える者は,423人であった。
 同年における裁判確定人員の執行猶予率は,有期懲役が61.6%,有期禁錮が94.9%であった。

3 成人矯正

 (1)  行刑施設の収容状況
   行刑施設の1日平均収容人員は,平成5年以降増加傾向にあり,16年は7万5,289人(前年比4.7%増)であった。このうち,受刑者は6万2,641人(同6.0%増),未決拘禁者は1万1,686人(同3.0%減)であった。
 16年12月31日現在における行刑施設の収容人員は,7万6,413人(うち既決6万4,931人)であり,収容率は,全体では105.9%(前年比0.1ポイント上昇),既決では117.6%(同1.0ポイント上昇)であった。

 (2)  新受刑者
   新受刑者は,平成5年以降増加しており,16年は前年比2.3%増の3万2,090人(男子3万89人,女子2,001人)であった。
 16年の新受刑者を罪名別に見ると,男子は,窃盗が30.0%と最も多く,次いで,覚せい剤取締法違反(18.1%),道路交通法違反(7.0%),詐欺(7.0%)の順であり,女子は,覚せい剤取締法違反(35.4%)が最も多く,次いで,窃盗(28.4%),詐欺(9.2%)の順であった。
 同年の新受刑者に占める初入者の比率は51.7%,60歳以上の高齢者の比率は9.8%であった。

 (3)  出所受刑者の再入状況
   平成11年における出所受刑者のうち16年12月31日までに再入した者の比率は,満期釈放者では61.8%,仮出獄者では41.1%であった。

4 更生保護

 (1)  仮出獄
   仮出獄人員は,平成9年以降増加しており,16年は1万6,690人(前年比5.7%増)であり,16年における出所受刑者に占める仮出獄者の比率は,56.5%(同0.5ポイント上昇)であった。

 (2)  保護観察対象者
   平成16年における保護観察新規受理人員は,6万8,194人(前年比3.9%減)であり,このうち,仮出獄者は1万6,690人(同5.7%増),保護観察付き執行猶予者は5,251人(同2.2%減)であった。

 (3)  保護観察の終了事由
   平成16年における保護観察終了人員の終了事由は,仮出獄者では,期間満了が93.0%,仮出獄取消しが6.2%であり,保護観察付き執行猶予者では,期間満了が66.1%,執行猶予取消しが31.0%であった。

5 各種犯罪者の処遇

 (1)  暴力団犯罪者
   平成16年における暴力団関係者の起訴率は,75.3%であった。
 同年における新受刑者中の暴力団加入者は,4,244人(新受刑者総数の13.2%)であった。
 同年における保護観察新規受理人員に占める暴力団関係者の比率は,仮出獄者では10.6%,保護観察付き執行猶予者では6.3%であった。

 (2)  外国人犯罪者
   平成16年における来日外国人被疑事件(交通関係業過及び道交違反を除く。以下同じ。)の検察庁新規受理人員は,2万4,907人(前年比3.3%増)であり,国籍等別では,中国が41.4%と最も多く,次いで,韓国・朝鮮(11.7%),フィリピン(6.9%),ブラジル(6.3%),タイ(3.8%)の順であった。
 16年における来日外国人被疑事件の検察庁終局処理人員は,2万4,994人(前年比3.9%増)であり,このうち,公判請求人員は,1万4,281人であった。
 16年の通常第一審(地方・簡易裁判所)における外国人事件の有罪人員は,1万2,414人であり,有罪人員総数に占める外国人の比率は,13.4%であった。
 16年における外国人の新受刑者は,2,244人(前年比4.4%増)であり,このうち,F級受刑者は,1,690人であった。
 16年における来日外国人の保護観察新規受理人員は,仮出獄者が1,116人,保護観察付き執行猶予者が49人,保護観察処分少年が209人,少年院仮退院者が79人の合計1,453人(前年比11.5%増)であった。

 (3)  精神障害のある犯罪者
   平成16年において,検察庁で不起訴処分になった被疑者のうち,心神喪失者と認められた者は324人,心神耗弱者と認められた者は237人,通常第一審で心神喪失を理由に無罪になった者は7人,心神耗弱を理由に刑を減軽された者は81人であった。これら649人のうち,措置入院は383人,実刑・身柄拘束は55人であった。
 心神喪失により不起訴処分になった者については,罪名は,殺人(74人)が最も多く,次いで,傷害(66人),放火(48人)の順であり,精神障害名は,統合失調症(234人)が最も多かった。また,不起訴処分になった者のうち心神耗弱者と認められた者については,罪名は,傷害(50人)が最も多く,精神障害名は,統合失調症(138人)が最も多かった。
 通常第一審で心神耗弱を理由に刑を減軽された者については,罪名は,殺人(21人)が最も多く,精神障害名は,統合失調症(24人)が最も多かった。



● 目次
 
○ 〈はじめに〉
○ 〈第1編〉犯罪の動向
○ 〈第2編〉犯罪者の処遇
○ 〈第3編〉犯罪被害者の救済
○ 〈第4編〉特集-少年非行