2007年5月
司法事業記念賞の受賞について

授与式の様子  法務総合研究所が現在の独立行政法人国際協力機構(JICA)と協力して実施してきたベトナム社会主義共和国に対する法整備支援は,1996年に初めて正式にプロジェクト化されてから,すでに10年以上が経過し,その間,活発な活動が展開されてきました。この中で,法整備支援プロジェクトのため2004年5月から2007年3月まで長期専門家としてハノイ市に派遣されていた法務総合研究所国際協力部の森永太郎教官(現・東京地方検察庁検事)が,現地業務を終了し帰国する直前の本年3月28日,ベトナム司法大臣から,「司法事業記念賞」を受賞しました。本人の報告によれば,この受賞は,司法省の諮問委員会の議決に基づいたウオン・チュー・リュウ司法大臣の決定により,ベトナムの法整備活動に功績のあった者に授与されるもので,日本人では初めての受賞であり,決定書と徽章の授与式は,司法省において,ホアン・テー・リエン司法省副大臣により執り行われたとのことです。
司法事業記念賞の徽章
 賞の趣旨は,森永教官がベトナム法整備支援プロジェクト事務所のチーフアドバイザーとして,日越間の協力によるベトナムの法整備活動における功績が顕著であったとのことのようですが,森永教官の活躍が,歴代の現地専門家の努力と,国内関係者の支援の下に初めて可能であったことなどにかんがみれば,これはひとり森永教官に与えられた賞ではなく,これまでの各法整備支援プロジェクトがベトナムにもたらした成果が評価されたもの,そして,本年4月1日から活動を始めた新たなベトナム法整備支援プロジェクトに対する大きな期待をこめたものと考えられるでしょう。その意味で,今回の「司法事業記念賞」は,これまでベトナム法整備支援に携わってきた日本側の全関係者に向けられたものと理解し,関係者のみなさまと共に喜びたいと思います。

 この受賞が,日本とベトナムの法律・司法の分野における相互の信頼と友好・協力関係をさらに発展させる機運を盛り上げることは疑いのないところでしょう。このような良好な環境の下,裁判官・検察官・弁護士出身のそれぞれ5代目の長期専門家が派遣され始動した新たな法整備支援プロジェクトが,より一層の成果を達成することができるよう国際協力部としても支援活動を推進してまいります。
 
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