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先輩からのメッセージ(矯正官署)


板倉 尚美
板倉 尚美(Ⅱ種(行政))
○平成21年 栃木刑務所採用
○平成30年4月から名古屋矯正管区総務課更生支援担当

 私は,中部地区の矯正施設を統括し,指導監督調整等に当たっている名古屋矯正管区という地方支分部局で勤務し,その中で,更生支援という業務を担当しています。
 現在,わが国では,平成28年に「再犯防止等の推進に関する法律」が施行され,翌29年には「再犯防止推進計画」が閣議決定されたことに伴い,犯罪による新たな被害者を生まない誰もが安全で安心して暮らせる社会を作るため,国と地域が連携・協力して再犯の防止に関する各種施策を総合的かつ計画的に推進しています。国の施策を受けて,名古屋矯正管区においては,中部地区の矯正施設と地方公共団体や地域の関係機関の連携・協力のための調整,再犯防止係る取組に関する矯正施設への指導等を行っています。
 その中で私は,再犯防止対策について民間協力者に説明したり,地方公共団体における地方再犯防止推進計画策定の会議に参加したりと,法務省以外の方々と接し,様々な立場の意見を伺いながら,再犯防止施策を進めていくために国としてどのような対応が必要かを考え,行動しています。
 再犯防止施策は幅広い分野に及んでおり,各種施策の実施には関係部署の協力が不可欠となります。そこで,再犯防止に係る外部からの情報をしっかりと受け止めるとともに,関係各部署への情報発信を行い,必要な連携・協力を求めるということが重要な業務の一つとなっています。
 日頃から,法務省の内部・外部に関わらず,組織の各部署の業務内容やアプローチの方法などを把握するため,勉強することばかりですが,法務省全体として取り組んでいる再犯防止対策の一翼を担うことができるやりがいのある仕事であると感じています。

 

水田 有紀
水田 有紀(Ⅱ種(行政))
○平成21年 高松刑務所採用
○平成30年4月から高知刑務所処遇部統括矯正処遇官(分類担当)

 私は,平成21年4月から刑務官となり,これまで,不服申立て,文書の管理,受刑者の生活指導などの業務に携わってきました。現在は,受刑者の鑑別,仮釈放に関する事務,円滑な社会復帰に向けた就労支援や福祉支援などの業務を統括しています。
 刑務官の仕事は,被収容者を指導するだけでなく,医療,刑務作業,施設の管理,職員の人事や給与に関する業務など,多岐にわたります。子育てをしながら活躍している女性刑務官もたくさんいますし,育児や介護のための休暇取得や短時間勤務など,生活に合わせた様々な働き方をすることができます。
 とはいえ,もちろん,良いことばかりではありません。危険なこともあれば,非常事態に対応しなければならないこともあります。しかし,我々には,長年築き上げてきた知識や経験と組織力があります。施設の規律秩序が守られ,その結果,安心安全な社会に貢献できていることに,やりがいを感じています。
 実は,私は,採用試験を受ける時,自分が刑務官になるとは夢にも思っていませんでした。様々な偶然と巡り合わせのおかげで現在に至っていますが,今は,この仕事に就けて本当に良かったと思っています。
 この記事を読んでいる皆さんの中には,刑務官と関わったことがない人もたくさんいるのではないでしょうか。百聞は一見にしかずといいます。官庁訪問や矯正展などの機会に,ぜひ一度,施設に来て,その雰囲気を肌で感じてみてください。そして,いずれ我々の仲間になってくれたら,うれしいです。


(執筆者の所属は,平成31年2月現在)