先輩からのメッセージ(矯正官署)
阿部 諒介
○平成18年 高松刑務所採用
○平成23年4月から高松刑務所処遇部作業部門主任矯正処遇官(副看守長)
私は,現在,高松刑務所処遇部作業部門で企画主任という業務を担当しています。採用後,しばらくは処遇部門という部署で勤務し,夜勤を経験しながら,被収容者(受刑者,未決拘禁者等)の処遇を行いました。
東京都府中市にある矯正研修所において,幹部職員となるための高等科研修を受けた後は,法務省内人事交流により法務局で2年間勤務し,不動産登記といった矯正とは全く異なる業務も経験し,法務行政を幅広く学ぶ機会にも恵まれました。
その後,矯正の世界に戻り,現在は作業部門という部署で,懲役受刑者等が行う刑務作業に関する業務を行っています。「刑務作業」と一言で言っても,その業務は,職業訓練,刑務作業契約業者の対応,受注活動,加工費の決定,作業報奨金(受刑者を釈放の際,支給する金額)の計算,作業安全衛生管理,製品の品質管理,作業災害発生報告等幅広く多岐にわたります。刑務作業は,懲役受刑者の義務である一方,受刑者の出所後の就労の確保に寄与し,再犯防止につながるものであることから,刑務作業の安全と質・量の確保に努める今の仕事にやりがいを感じます。
私が,採用間もない頃に受けた初等科研修のときに教わった「威あって猛々しからず,親しみあって馴れず,ただ彼を人たるを知るべし。」という言葉があります。刑務官として志すべき基本姿勢であり,また,被収容者と接するときに特に大事なことです。自らが被収容者の見本となれるよう,日々自己研鑽に励むことのできる仕事ですので,やる気のある方はぜひ刑務官を志望してください。

瀧井 瞳
○平成18年 福島刑務所採用
○平成23年4月から札幌刑務所札幌刑務支所処遇部門主任矯正処遇官(副看守長)
私は札幌刑務支所に勤務している刑務官です。札幌刑務支所は,札幌市にある女子被収容者を収容する施設で,私は,受刑者が作業をする工場及び刑事被告人等を収容する収容棟の監督業務と,職員の勤務配置を管理する業務に従事しています。前者は被収容者処遇,後者は職員の執務環境向上や若手職員育成が主な業務です。これらの業務に従事したのはわずか1年8か月ですが,一言で表現し尽くせぬほど奥深く,喜怒哀楽の全てを味わえる,やりがいのある仕事だと感じています。
業務を経て学んだことが二つあります。一つは,人と接する仕事には,心が必要であるということです。被収容者処遇の現場では,時には確実で迅速な判断が求められ,自分の判断に自信が持てないこともあります。しかし,誠実に接すれば上司も部下も私を支えてくれると日々実感しています。仲間と共に施設運営を助け,「一人でも多く受刑者を更生に導くために自分にできることを精一杯しよう」という一心で私は今ここにいます。そして,現場の最前線で奮闘する部下の話に耳を傾け,法律等の知識を駆使しながら適切に物事に対処することが私の仕事だと学びました。
もう一つは,一瞬一瞬に最善を尽くすことです。この仕事を続ける限り,急な異動を命ぜられることもあります。やり残したことで後悔はしたくない。だからこそ今できる最善を尽くすことが大切です。
矯正の世界に興味のある方,ぜひ一緒にベストを尽くしましょう。
(執筆者の所属は,平成23年12月現在)