先輩からのメッセージ(更生保護官署)

木下 裕志
○平成3年 大津保護観察所採用
○平成15年4月から京都保護観察所総務課会計係長
現在私は会計係長というポジションであり,これまでもいわゆる経理関係の仕事が多く,どちらかと言えば更生保護の中では少数派になるように思います。しかしながら,この4月からは3年ぶりに再び保護観察官としての仕事に従事することになりますし,今後も様々なポジションについていくことになろうかと思います。
更生保護の仕事は多種多様です。しかし,そのすべてが,犯罪や非行に陥ってしまった人たちが,社会の一員として立ち直ろうとするのを助けるという基本理念のもとに繋がっています。私たちの仕事は,そうした多くの人やその家族の方々と会うことを宿命付けられており,また,そのために関わりを必要とする人や機関なども数に限りがないという感じです。実際に保護観察官として仕事をしているとき,一人では何もできないことを嫌というほど実感させられましたし,多くの人に支えられていることに感謝をしたものでした。
また,人としての幅や深みがなければ,我々は誰の手助けもできないし,どの関わりも役に立たない薄っぺらなものになってしまうという思いも強く持ちました。自身の経験の幅を超えた人生を送ってきた人たちに対し,こちらはそれを受け入れる柔軟さがなければいけないと先輩から言われてきましたが,それは一朝一夕にできることではありませんし,どの本に手を伸ばしてみても,その方法が明確にされているわけではありません。おそらくは,人と人とがお互いの経験をぶつけ合う刺激の中でしか高まりを見せないものだと思います。私たちは,更生保護の理念に共感を持たれる方の新たな経験や刺激に期待しています。

白須 順子
○平成10年 大阪保護観察所採用
○平成15年4月から大阪保護観察所保護観察官
更生保護の仕事は,犯罪や非行を犯した人が社会の中で通常の生活を営めるよう指導し,必要な援助をすることにより,その人の改善更生を促す仕事です。
私の場合,採用後,数年間の事務職を経験した後,保護観察官として担当地区を持ち,対象となる人や家族と面接したり,地域のボランティアである保護司と協議をして,処遇を進めてきました。保護司の思いやりのある温かい関わりに,教えられたり,励まされることも数多くありました。
現在は,保護観察官による直接処遇を実施する班で,立ち直ろうとする人や家族と直に向き合う中で,親子の絆を感じて胸が熱くなったり,少年の目を見張るような成長ぶりに驚かされたりしています。時には頭を抱え,悩むことや落ち込むこともありますが,そのときは,上司や周りの先輩保護観察官が一緒に考え,適切なアドバイスをしてくれるなど,私にとって大きな力となり,支えとなっています。
私は,働くことを通して,様々な経験をし,自分自身が成長させてもらっていると感じています。もちろん,保護観察官として,処遇に関わっていく難しさや責任,プレッシャーを感じることは多々ありますが,同時に,やりがいがあり,一つとして同じ事例がない変化に富んだ仕事は,興味深いことも事実です。人と人との信頼関係こそが,改善更生への鍵であり,その大切さを,日々,肌で感じることができる職場だと思います。
(執筆者の所属は,平成18年2月現在)