
平成15年11月、熊本県内のホテルにおいて、ハンセン病元患者に対する宿泊拒否事件が発生しました。患者・元患者の方々などが偏見や差別に苦しむことがないよう、感染症に対する正しい知識と理解が必要です。
現在、我が国では、エイズウィルス(HIV)やハンセン病などの感染症に対する正しい知識と理解が十分でない状況にあります。これらの感染症にかかった患者・元患者などが、周囲の人々の誤った知識や偏見などにより、日常生活、職場、医療現場などで差別やプライバシー侵害などを受ける問題が起きています。
エイズウィルス(HIV)は、性的接触に留意すれば、日常生活で感染する可能性はほとんどありません。
ハンセン病は、らい菌という細菌による感染症ですが、感染したとしても発病することは極めてまれで、しかも、万一発病しても、早期治療により後遺症も残りません。
平成15年11月に起きた熊本県内のホテルのハンセン病療養所入所者に対する宿泊拒否事件は、今なお誤った認識や偏見が存在していることを明らかにしました。これを受けて、法務省の人権擁護機関は、中学生等をパネリストとしたハンセン病問題に関する「夏休み親と子のシンポジウム」の開催や、ハンセン病への正しい理解と偏見や差別をなくすことを呼び掛ける新聞広告の全国紙掲載など様々な啓発活動を行っています。
また、法務省の人権擁護機関は、HIV感染者やハンセン病患者・元患者に対する差別事案について、人権相談や調査救済活動に取り組んでいます。
HIV感染者
エイズに関していえば、研究の進展に伴い、その原因がHIVといわれる非常に感染力の弱いウイルスであり、うつりにくい病気であることが分かっています。
しかし、今なお誤った認識や偏見が存在しています。患者・元患者や感染者が偏見や差別に苦しむことがないよう、正しい知識を普及啓発する取組が必要です。
ハンセン病の正しい理解のために
ハンセン病って、なに?
非常にうつりにくい感染症です
らい菌により感染しますが、感染力はとても弱く、ほとんど発病の危険性はありません。
主に皮膚や末梢神経が侵される病気ですが、早い時期に診断し、治療すれば身体に障害が残ることはありません。
遺伝病ではありません
大切なのは正しい知識です
決して遺伝することはありませんが、遺伝病であると誤解され、本人だけでなく家族も差別されてきました。
このような偏見と差別をなくすためには、ハンセン病を正しく理解することが必要です。
完治する病気です
治療法が確立されています
1940年代のプロミンをはじめとして、リファンピシン、DDSなど、すぐれた治療薬が開発されたおかげで確実に治せるようになりました。
それまで不治の病と思われてきたハンセン病は、完治する病気の仲間入りをしたのです。
偏見や差別をなくしましょう
今も偏見や差別があります
現在、全国の療養所で暮らしている方は約4、500人います。
高齢で身寄りがないこと、長期間にわたり社会との交流が断たれてきたことなどに加え、私たちの偏見や差別が、入所者の方の地域社会への復帰や交流を妨げる一因となっています。
あなたはどう思われますか?
【内閣府「人権擁護に関する世論調査」(平成19年6月調査)から】
Q. ハンセン病患者・元患者について、どのような問題が起きていると思いますか?
複数回答(%)
| 平成19年 |
| わからない | 22.3% |
| 特にない | 7.0% |
| その他 | 0.3% |
| アパート等の入居を拒否すること | 18.9% |
| 治療や入院を断ること | 21.5% |
| 宿泊を拒否すること | 24.4% |
| 差別的な言動をすること | 29.0% |
| 就職・職場で不利な扱いをすること | 30.6% |
| 結婚問題で周囲が反対すること | 31.0% |
| ハンセン病療養所の外で自立した生活を営むのが困難なこと | 41.3% |
※クリックするとグラフが大きくなります。
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