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福井県人権啓発活動ネットワーク協議会
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各種行事

中学生人権作文コンテスト 最優秀賞 福井県人権擁護委員連合会長賞

見えない壁

越前市武生第二中学校 1年 佐々木 俊記

僕のお母さんは、光道園という施設で働いています。でも、僕自身は、今までに何回か光道園に行ったことはありながら、利用者の人とはあまり関わった事はありませんでした。去年の夏休みに、夕涼み会の手伝いに行ったときも、目の見えない利用者の人にどう接して、どう声かけをしていいのかとまどってしまいました。しかし、お母さんや施設の職員の人達は、利用者の人と楽しそうに話をしたり、一緒に花火をして心から楽しんでいるように見えました。夜、お母さんにそのことを話すと

「お祭りや花火を楽しいと思う気持ちは、俊記も利用者の人も同じだよ。目が不自由でも、周りにいる人が状況を伝えてあげることで、目の代わりになるし、声の高さや楽しそうに話すことで、相手に雰囲気が伝わるんだよ。」

と言われました。その言葉を聞いて、障害があることを意識しすぎていたことに気がつきました。

そこで今年の夏休みに、光道園のボランティアスクールに参加しました。心の交流を楽しもうというテーマでアイマスク体験や車イス体験、点字、手話、買い物の手伝い、障害者スポーツ体験、音楽療法など、いろいろな体験をしました。アイマスクをして歩くと、見えないことの怖さと、周りの音が妙に気になったことで、足が前に出ませんでした。でも、付き添いの人の腕を持ち、周りの説明を聞くと、自分の中でイメージができて怖さが減りました。そして、人に触れている安心感を実感することができました。買い物の手伝いでは、一人の利用者の人に二人のボランティアが付き添って、江のワイプラザに行きました。目の不自由な人に、商品を説明するのはとても大変でした。普段、僕は何気なく商品を見て、おいしそうな絵が描いてあると買っています。しかし、利用者の人は絵が見えないため、味や量、金額などを説明しながら、買い物をしました。買い物をしている時は必死だったので気付かなかったけど、レジをしている時や待っている時に、他のお客さんがチラッチラッと見たり、子供にじっと見られたりしました。

僕は、周りの人の視線を感じながら、利用者の人はどんな気持ちなのかなあ、と思いました。人にジロジロ見られて、いい気分になる人はいないと思います。利用者の人は目が不自由だけど、そのかわりに僕達よりも、はるかに耳や指先が発達していて、その場の雰囲気を感じとったり、指先で点字を読んだりします。人がジロジロ見ているのも、目では見えなくても、心の目で見て体で感じているんだろうなあ、と思いました。

また、そんなふうに見られる人は他にもいます。近所に、ダウン症の子がいて、集団登校などでは一緒でなかったのでわからないけれど、学校で顔を合わせると、

「佐々木お兄ちゃん。」

と言って笑いかけてくれました。放課後には、時々一緒に遊んだりもしました。三歳も年下だけど、こうちゃんは僕のことを親ってくれました。僕が中学生になってからは、あまり会うことがないので、少しさみしいです。でも、そのこうちゃんも人からジロジロ見られることがあるのではないかと思いました。

僕は、今まで人権について考えたことがありませんでした。でも、こうちゃんとの出会いと、今回のボランティアスクールでの、目の不自由な人とのふれ合いを通して、いろいろな事を学び、考えるようになりました。障害のある人と関わる時に、自分の気持ち一つで、相手との間に見えない壁を作っていたと思いました。でも、この壁は僕が勝手に作った壁なので、自分からこの壁を無くしていかなければいけないと思いました。そして、自分から壁を作っていたことに、恥ずかしさを感じました。

 僕は、これからもいろいろな人と出会い、関わっていくと思うけれど、今回自分が体験したことを忘れずに、接していきたいです。そして、いろいろな人と、心の交流をしていきたいです。

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