制作者紹介
世界人権宣言パネルは、2人の芸術家が世界人権宣言に示された人類の英知に感動し、生き生きと、はつらつと生きている人をたたえる人間讃歌として受けとめ、その感動を芸術的に表現しようとしたものです。日本の書道家小木 太法氏(東京学芸大学名誉教授)とブラジルの画家オタビオ・ロス氏が、国境を越え、人種や言葉などの壁を越えて、ただ共鳴する心の琴線のふるえるままに、燃えあがる感動を表現しました。この作品に表されたこの2人の芸術家の感動を通じて、世界中の人々に、この人類の英知を示した人間讃歌である世界人権宣言がより深く浸透していくことが期待されます。
小木 太法(良一)
こぎ たいほう(りょういち)
(書道家)
生き生きとはつらつと
生きている人をたたえる
うたごえとしたい……

世界人権宣言を読んで、強く生きたい、自由に生きたいと思った。2回,3回読むと、強く生きている人、自由に生きている人、人を尊敬できる人は偉いと思われた。筆を執ると、自ら文を口ずさみながら、あるときはたからかに、ある時はゆっくりと、声と筆とが一体になってきたことに気づいた。この文は人間讃歌で、生き生きはつらつと生きている人をたたえるうたごえとしたいと思ってきた。気が入ると、筆もトントンと弾んできて、書かれた文字に表情が出て、一つのものとしての存在を示してきたと感じてきた。相手のロス君は全く日本の文字がわからないが、書にはかなりの関心を持っている。そのうち、筆のリズムや私の気合いが彼にも伝わってきて、絵が大胆になり勢いも出てきて、2人の呼吸が合ってきたことがわかった。以心伝心とはこんなときに使われることばだと知って本当にうれしくなった。最後にタイトルも書こうということになり、手伝ってくれた東京学芸大学書道科生四年の五名と、彼と私の手の平の拓、それを鳥に変化させて、上に飛びたつようにみせた。私がその上に「世界人権宣言」と書き終えると、2人は握手、学生達から拍手が湧いてきた。私は彼を信じて先づ書き、彼は私を認めてその上に絵を書いた。絵と書との間に違和感が少ないが、事前に相談を一切しなかったことも加えて述べておきたい。
オタビオ・ロス
(画家)
初めて、他の芸術家と芸術的作品を創り上げる喜びを分ち合いました……

私は、世界人権宣言の条項に画を付け始めるに当たり、この重要な宣言をより力強く表わす方法をくふうしようと思いました。この作品の英語版、ノルウェー語版及びポルトガル語版による原シリーズは、今まで多くの国々で展示されてきました。この方法で、私は、この宣言に込められている精神の普及に貢献しているものと確信しております。これら全ての経験の中で、私が小木先生と最近作った日本語版が最も意味深いものであると思っております。私は、初めて他の芸術家と芸術的作品を創り上げる喜びを分ち合いました。小木先生にお会いし、知り合うことができたのは、私にとってすばらしい経験でありまして、小木先生には深く感謝いたしております。この創意に富んだ計画に熱中していた人達すべての気持ちが、この計画を成功に導いた基礎となったものでありまして、ここに本当の協力と理解が実現されたすぐれたケースとなったのであります。
(中略)
皆さんの努力で、この計画の所期の目的が十分に達成されることを確信しております。
(C)福岡県人権啓発活動ネットワーク協議会
