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福島県人権啓発活動ネットワーク協議会
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福島民報社賞 「高齢者を考える」

会津若松サベリオ学園三年 大塚 彩希

みなさんの身の周りや親戚の中に、お年寄りの方はいますか?たぶんほとんどの人が、「はい。」と答えるでしょう。現在、日本は世界一の長寿国と言われ、六十五歳以上の人口、つまり高齢者の数は総人口の約六分の一に上っています。さらに、二千二十五年になると、その数は総人口の四分の一にまで上ると考えられています。これを聞いて、私たちはいろいろな問題を考えなければいけません。様々な対策を行わなければなりません。しかし、「それが何?」「別に私たちには関係ない。」これからどんどん高齢化が進んでいくであろう未来で最もその事を考えなければいけない私たち現代の若者の多くが、自分達とは関わりのない事という風に思っているのです。私も、その中の一人でした。

私が高齢者のことを考えるきっかけとなったのは、中学二年の時に参加した、会津若松市中央公民館主催の「中学生ボランティアリーダー養成講座」でした。そこで私は、ボランティアとは何か、どんなボランティアがあるのか、などをたくさんの体験学習を通して学びました。その中にいくつか、高齢者についての活動があったのです。一つ目は、「おじいさん・おばあさんの疑似体験をしよう」というものでした。これは、お年寄りと同じ状況になってみるということだったのですが、やってみて本当にびっくり。腰や手、足に一キログラム以上の重りをつけ、関節には曲がりにくいサポーターを巻き、さらに視野をせまくするメガネをかけて歩くのです。腰は痛いし足は重いし、杖をつかなくては階段も登れません。視野もせまいので、自動販売機でジュースを買うという単純なことさえとても疲れてしまいました。「お年寄りの人は毎日こんなに大変な思いをしているの!?」私はこの時初めて、高齢者の方の大変さを身に染みて感じました。この体験をしてから、私の高齢者に対する見方が変わりました。階段を登っているお年寄りを見ると、「辛そうだなぁ。スロープがあればいいのに。」と思ったり、荷物をたくさん持ったお年寄りを見ると、「重いだろうなぁ。持ってあげよう。」と思ったり、今までみえなかったお年寄りの気持ちがわかるようになったのです。私はこのことを親に話しました。すると母に、
「その人の辛さは、その人の身になってみないとわからないものなんだよ。彩希はそういう貴重な体験をしたんだから、それを生かさなくちゃ。」
と言われました。そうか、普通の人にはわからないお年寄りの気持ちがわかるようになったのだから、それを生かして行動しなくては。私の心にそんな考えが生まれました。それから私は、高齢者にとって住みよい環境をつくってあげたいと思うようになりました。

それからもう一つ。「おじいさん・おばあさんとふれあい体験をしよう」というボランティア活動も行いました。そこでは、おじいさん・おばあさんと一緒にゲームをしたり、おりがみを折ったり、一緒に食事をしたりしました。その中には、一人暮らしをしているという方が多く、こういう場で一緒にお話ししたり遊んだりすることだけが楽しみだという方もいらっしゃいました。そういえば、最近一人暮らしのお年寄りの方が増えているようですが、一人で生活していくのはとても大変だし寂しいと思います。そういう人が増えている現代だからこそ、もっとこういう場も増やしていってあげるべきだと思います。

高齢者が増え続けている今、高齢者にとって住みよい環境をつくることはとても重要なことです。高齢者の方々というのは、長年にわたり社会の一員として貢献してきた人たちであり、その人たちのおかげで今、私たちがこうして暮らしているのだという意識をもち、敬意と感謝の気持ちを持って接していくことが当然のことなのです。

高齢者の大変さ、高齢者の大切さ、友達は知らないかもしれません。でも、私は知っています。私は素晴らしい体験をして、素晴らしいものを得ました。だからこれからの未来のために、もっともっと高齢者の気持ちがわかるようになって、もっともっと高齢者にとって住みよい環境をつくりたいと思います。数十年後の日本のおじいちゃん・おばあちゃんが、みんなにこにこ楽しそうに暮らしていることを願って、私ができることを少しでも多くやっていきたいです。

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