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福島県人権啓発活動ネットワーク協議会
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優秀賞 「世界で一番私が好き」

須賀川市立仁井田中学校三年 渡辺 暁美

私は、自分が大嫌いだった。いつでも私は、本当の自分ではなかった。そう私は、私を演じていたのです。それも、人を見て…。先生の前では、しっかりしていて、まじめで、どんなにその先生が嫌いでも私はいつも、笑顔だった。また、どんな人にも好かれる自分になるために、いつも笑顔だった…。大丈夫じゃなくても、いつも「大丈夫だよ。」って言っていた。好かれるために、勉強も頑張った。こんなふうになったのは、私が受けた人権侵害。そう、「いじめ」だ…。

それは、小学校六年生の頃。今まで仲良しだった友達が、私から距離を置きはじめたこと。いつの間にか、私は一人になっていた。すごく、つらかった。その頃私が、学級委員だったこともあり、余計に切なかった。そこでも私は強がっていた。というより、自分がいじめられていることを信じたくなかったのかもしれない。先生に、
「最近、あけちゃん様子おかしいよ。」
と言われた時も、
「ちょっと、ケンカしただけです。大丈夫です。全然大丈夫です。」
と答えてしまった。私は正直、この時の担任の先生に心を開くことはできなかった。この頃からすでに、自分を演じていたのかもしれない。そういじめられた理由が、「先生と仲が良くて、良い子ぶっている」だったからだ。

この事をキッカケに、自分の中で恐怖が生まれた。人を信じることが、そして、心を開くことができなくなり、その後もつらい思いを持ち続けていた。こんな事から、人の良い所より先に、悪い所を見たり、その人を探るようになっていた。そして、そんな自分が嫌で、心がストレスの塊になってしまった。

その事で、私は逆に人を傷付けてしまうことが多くなった。良い所が見れなくなったからだ。いつも友達の前で、口からでるのは、悪口ばかり。でも、そんな私を知らない先生は、また私に、頼りになるとか、しっかりしていると、私に言ってくる。

私は、人から「頭が良いね」「しっかりしているね」「まじめだね」って言われるのが、大嫌いだった。いつも私は、外側しか見られていない気がして、つらかった。苦しかった。でも私は、それを外に出すことは、絶対にしなかった。いつも、みんなからのイメージで固められていた。そう、ここでも自分を演じていた。

その事で私はずっと悩んでいた。中学校一年までの日記を見ると、心のかっとうが記されている。こんな事まで思っていた。「死にたい」と…。でも、この頃必死で自分を現実に呼び戻していた。部活でのことも、この頃の私にとっては、ものすごいダメージだった。いつでも私は、現実から逃げだしたかった。私一人だけの自由な場所に行きたかった。でも、そんな私でも、家族だけには、悲しい思いをさせたくなくて、絶対どこからも逃げだすことはしなかった。

そんな私を救ってくれたのは、一人の友達と先生だった。その友達は、私をありのままで見てくれた。私を心から友達だと思ってくれた。本当の私を見つけてくれた。そして、先生は、
「あけみは、あけみのままで良い。」
って言ってくれた。この二人がいたから、今の私がいる。本当の私が、そこにいる。心からの笑顔で私は、笑っている。

そして、もう一つ私をずっと支えてきてくれたもの、それは「家族」です。いつも私のことを守ってくれた。ありのままの私でいられた。そして、一番は私自身です。そう、私の夢です。「看護師になる」という…。この夢だけは、どんな時も持ち続けられたからです。つらい時も、悲しい時も、うれしい時も。

私は、「いじめ」を受けた事で、こんなに傷付いたけれど、今では、「いじめ」を受けたことをプラスに考えられます。それは、だれよりも人の気持ちが分かるからです。苦しんでいる人を、優しさで包んであげられるからです。

今の私だから、言える事があります。
「人は、一人で生きていくことなんて、できない。私の周りに、家族や友達や先生がいるように、あなたの周りにも、きっといるはず。だから、本当の自分で生きよう。」
って、そして、私を支えてくれている全ての人に、とても感謝しています。本当にありがとうございます。
「私は、渡辺暁美が、世界で一番大好きです。」
そう心から…。いつわりのない言葉で、今なら言えます。これが、本当の私だから。

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