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福島県人権啓発活動ネットワーク協議会
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福島民友新聞社賞 「職場体験を通して」

保原町立松陽中学校二年 深谷 瑠美

「赤ちゃんてかわいいな。」

私が、職場体験を通して一番最初に感じたことです。職場体験とは、自分が興味のある仕事を体験するというもので、私は前々から気になっていた保育士の仕事を体験したいと思い、保原町第二保育所を訪問しました。私は〇歳から一歳の子を担当しました。まだしゃべれない子が多いのに「いただきます」や「ごちそうさま」などのあいさつをきちんと言うように教えていて、すごいなと思いました。

小さくて、何も考えてなさそうな赤ちゃんでも、お腹がすくとなんとなく甘えた声で泣きます。ミルクをあげるとジッと私の目を見て「ありがとう、とってもおいしいよ。」と言っているようです。

オムツがきたなくなると大声で「気持ち悪いよう」と叫ぶように泣きます。急いで交換してあげると、きたないなんて感じている暇はありませんでした。そして、とってもかわいい顔でニコッと笑い、安心したのかぐっすり眠ってしまう赤ちゃんもいました。

少し大きくなってくると、だっこしてほしい時はハイハイをして私に寄ってきます。だっこしてあげると、私にピタッとくっついて喜んでくれました。とてもかわいかったです。太っている赤ちゃんをおんぶしたりもしましたが、本当は重いけれど、背中で喜んでいる姿を見ると忘れてしまいます。

物を取り合ったりして泣き出す子供達もいましたが、本気で泣いているのを見ると「取られて本当にくやしかったんだね。気が済むまで泣きな」なんと思うと、泣き声がうるさいなんて感じませんでした。

昼食の時もスプーンは横向きにして食べさせてあげる事や、小さく切ってあげる事をおそわりました。スプーンやフォークを上手に使えない子もいましたが、とてもおいしそうに食べていました。

たった三日間の職場体験でしたが、赤ちゃんとの思い出を書き始めるときりがありません。末っ子の私は、自分より小さい子供とふれあう機会がないので、とても貴重な体験をしました。赤ちゃんは泣いたり笑ったりして、意志表示をします。その気持ちに応えてあげるのが周りにいる人達の役目なんだと思いました。

ところが、今は子供の虐待や殺害が絶えません。泣き声がうるさい、言うことをきかないなどの理由で殺してしまう親がいることが、私には信じられません。最近では、祖母が泣きやまないからといって、一歳の孫を床にたたきつけ、タオルで首をしめて殺してしまった事件があり、本当にびっくりしました。おばあちゃんなんだから、自分の子供を育てた経験があるのに、なぜもっと冷静になれなかったのかと思うと、とても残念だし、少し悲しくなります。

子供達はこの世に生まれてきた以上、生きる権利が出てきます。それに伴って周りの人達には、義務が生じます。一人では何もできない赤ちゃんを育てる義務、一人前になるまで、暖かく見守って育てなければならないのです。ただ、子供達にだって義務が生じてくるし、大人にも権利はあります。権利と義務のキャッチボールがうまくいけば、円満な人間関係、親子関係が築けると思います。今の世の中、権利だけを主張する自己中心的な人が多くなっているような気がします。自分の思い通りにならないとキレる、暴れる、あげくには殺してしまうのです。

それぞれ人間には個性があり、合う、合わない、好き、嫌いが出てきますが、お互いがお互いを思いやる大きな気持ちがあれば、安心できる環境ができると思うし、少しずつこのようなこともなくなっていくと思います。

純粋な赤ちゃんの笑顔をそのまま育ててあげる世の中であってほしいと思います。

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