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福島県人権啓発活動ネットワーク協議会
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優秀賞 「アトピー性皮膚炎から学んだこと」

郡山市立宮城中学校三年 神山 望

私は、小さい頃からアトピー性皮膚炎という病気を持っています。アトピー性皮膚炎とは、親からの遺伝でなることが多く、蚊に刺された後のようなかゆみがよく起こります。原因もあまりよく分かっていないので、完治するのは難しいといわれています。そのために、私の体の関節や背中にはたくさんの引っかいたあとのような傷があります。私のことを初めて見て、気持ち悪いとか、近づきたくないと心の中で思う人もいるかもしれません。気になって、その傷どうしたのと尋ねてしまう人もいるかもしれません。

実際に、私は小学生の頃に、アトピーのことで、一部の人たちからのいじめにあっていました。ある人に用事があって、近くに行ったら、

「気持ち悪い。アトピーうつるからこれ以上近づかないで。」

と、避けられたりすることが、しばしばありました。陰で、こそこそと嫌なあだ名をつけていたり、「キモい」という言葉を私に向けて発しているのを耳にすることもありました。アトピーになりたくてなってわけではありません。風邪みたいにすぐに治る病気だったらと親を恨んだこともあります。どうして私がこんなに傷つけられなければならないのだろうかと家に帰って一人泣いていました。どうしようもない思いがこみ上げてきて、本気で自殺しようかと考えていたこともありました。

しかし、すべての人が冷たく、ひどい態度をとるわけではなく、私のことを助けてくれた友達も中にはいました。その友達が心の支えになり、私に元気を与えてくれました。嫌な言葉を言われて落ちこんでいる私に、「大丈夫だよ」とか「気にしないで」と、優しく声をかけてくれました。そんなささいな一言でも、私にとっては本当にうれしかったです。

中学生になった今では、ほとんどアトピーのことでからかってきたり、体のことに関する陰口を言う人はいなくなりました。時々、アトピーのことをしつこく質問してきて、やめてほしいと思うことはありますが、聞かれる回数はだいぶ少なくなりました。また、こんな体でも、腕をつかんだり、握手などを笑顔でしてくれる友達もたくさんいます。本当に私は幸せな友達に出会うことができてよかったと思います。

世の中には、アトピー性皮膚炎以外にも、皮膚の病気のことで苦しんでいる人がたくさんいます。特にハンセン病の方は、皮膚がただれてしまい、根拠もなく伝染する病気だと人々に決めつけられ、多くの人に偏見的な目で見られ、しまいには国からも隔離されてしまうような扱いでした。このようにひどい扱いを国と人々から二重で受けていたハンセン病の人たちはどのように感じていたのでしょうか。どうしようもない怒りを感じ、やりきれない気持ちの中、何年間も過ごしてきたと思います。しかし、私も初めて写真を通してハンセン病の方を見たときは、正直何とも言えなくなってしまいました。私のことを気持ち悪いと言った時と同じような感じを私も持ってしまったのだと思います。自分自身では苦しんでいる人の気持ちを分かってあげられると思っていたのですが、逆の立場に立ってしまっていることもあるのです。

考えてみてください。いじめとは、いじめる方は何気なく嫌がらせをしますが、いじめられる方は、一生消えない心の傷を負うことになるものです。いじめにたえられなくなり自殺する人もいます。偏見で見る人は、自分の言動について深く考えていないかもしれません。けれど病気のため、見た目のために嫌な目で見られ、傷ついている人は世界中にたくさんいるのです。

外見がととのっていなくても、いくらみにくかったとしても、人間的に優れた心の美しい人もたくさんいます。しかし、先入観から偏見的な目で見られてしまうことが多いのです。同じ人間でありながら、このような不当な扱いを受けて本当にいいのでしょうか。もう一度、外見ですべてを決めつけられた人はどのように感じるかを考えてほしいです。

私は、アトピーになったことを、少しよかったと思います。病気による差別を受け苦しんでいる人の気持ちを身をもって感じることができたからです。アトピーなんてならなければよかったのにと思うことはありますが、その反面アトピーでよかったと思う自分もいます。これから、アトピーとうまくつき合って生きていきたいと思います。

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