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優秀賞
出生前診断から人権を考える

東広島市立松賀中学校 1年

諏訪 悠里

朝日新聞(二〇一三年七月十七日)によると妊婦の血液からダウン症など三種類の染色体異常を調べる新型出生前診断が、今年四月から始まりました。この三ヶ月間に全国で計一、五三四人が利用し、一・九%の二十九人で陽性と出たそうです。このうち、羊水検査による確定診断を受けた二人が人工妊娠中絶をしていました。導入の想定では利用者は、当初一千人と見込んでいたそうですが、高齢妊娠の増加などを背景に、想定の約一・五倍の人が利用したそうです。共同研究チームによると、これまでに「陽性」と出た二十九人のうち、ダウン症が十六人、様々な成長障害があり、生まれても短命になる十八番目の染色体が一本多い十八トリソミーと、十三番目の染色体が一本多い十三トリソミーがそれぞれ九人、四人だったといいます。これまでの検査より安全にできますが、異常が見つかった場合に赤ちゃんを産むかどうか、家族に重い選択を迫る検査でもあるといいます。なぜ受けるのか、結果が出たらどうするのか、よく考えてから受けないと、後悔するかもしれません。おなかの赤ちゃんに異常が見つかって、人工中絶で産まないという選択をすることもあります。このことは「命の選別」と考える人もいて、この検査が広がれば、障害をもつ人たちの生きる権利を否定することにつながりかねません。障害は多様な個性の一つ、とも考えられます。病気や障害があっても、文化や芸術など幅広い世界で活躍する人はいます。こうした人たちを社会から排除しかねない技術にどう向き合うか、私たちみんなで考えることが大切だと書いてありました。

このことについて、私も同じように、今生きている障害者の人たちの気持ちを考えて、検査と検査による中絶には反対です。

私は小学校一年生の時から、障害を持った友達と一緒に過ごしてきました。その友達は手足にマヒがあり車いすに乗っています。学校の行き帰りも、父や母が車で送迎しないといけないし、荷物も運んでもらわなければなりません。きっと、彼の両親はいろんな苦労をされたことでしょう。

でも私たちにとっては、他の友達と変わりなく怒ったり、しゃべったり笑ったりする友達です。彼がもし、その検査のことを聞いたらどう思うでしょうか。もしかしたら自分のお母さんが検査を受けていたら「ぼくを生まなかったかもしれない。」と考えるかもしれません。そう思うと、とてもつらくなってきます。私は彼の友達として、障害を持っている持っていないに関係なく付き合ってきました。だから、障害を持つ可能性が高いからといって生きていけないなどということが人によって行われることにショックを受けました。

障害にはいろんな障害があります。目が不自由な人がいます。私の祖父は目が不自由です。こういう人たちの生きる権利をどう考えればいいのでしょうか。障害のある人とない人では命の重みは違うのでしょうか。これから先、科学が進歩していったら目の不自由な人、聞こえに不自由さをもつ人、知的に障害のある人、そうでない人、足が速い人、速くない人まで分かってしまうかもしれません。そのような違いで人間の価値が決められるようになることは全くおかしいことだと思います。科学の進歩は私たちを幸せにするとともに、このような点において人間の権利を無視し、差別を広める側面がある怖さを知りました。

私は、子どもをさずかったら、どんな障害を持っていようとも、大切に育てたいと思います。それができるような優しさはもちろんのこと、人を助けられる強い人間として生きていきたいです。

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