平成23年度全国中学生人権作文コンテスト熊本県大会
法務局と人権擁護委員連合会では、次代を担う中学生の皆さんに、日常の家庭生活や学校生活の中で得た体験に基づく作文を書くことを通して、人権尊重の大切さや基本的人権についての理解を深め、豊かな人権感覚を身につけてもらうことを目的として、昭和56年度から「全国中学生人権作文コンテスト」を実施しています。
平成23年度熊本県大会には、県内157校から、26,424編の応募がありました。
2011ハートフルメッセージ
−平成23年度全国中学生人権作文コンテスト熊本県大会表彰式−
平成23年12月10日午後1時30分から、熊本市立図書館ホールで、第63回人権週間啓発イベント「2011ハートフルメッセージ」を開催しました。
平成23年度全国中学生人権作文コンテスト熊本県大会表彰式に続き、最優秀賞及び特別賞入賞者による作文の朗読が行われました。
子どもたちの感性豊かな生き生きとした朗読は大変好評で、「改めて人権の大切さについて考えさせられた」、「子どもたちに教えられた」、「大人にも、もっと人権について考えてほしい」などといった感想が寄せられました。

続いて、九州ルーテル学院大学客員教授の大畑誠也さんに、「人権は、お互いを認め合うことから」と題して、講演をしていただきました。
講演では、「あいさつをすることの大切さ」、「あいさつをすることは自他共に認めること」、「人を認めることが人権の第一歩であること」など、力強く語られました。

大畑誠也さん
上記各入賞作品を集めた「平成23年度全国中学生人権作文コンテスト熊本県大会 作文集」を、平成24年3月に発行しましたので、みなさん、ぜひ、ご一読ください。

平成23年度表彰式風景
入賞作品のご紹介
最優秀賞
- 高く張って心のアンテナを
- 山鹿市立山鹿中学校 2年
- 小原 明日香
- 感謝の気持ち
- 天草市立本渡中学校 3年
- 井手尾 桃佳
特別賞
- 人権の花
- 山鹿市立菊鹿中学校 3年
- 坂本 南
- 私が感じたハンセン病
- 熊本県立八代中学校 2年
- 内田 樹里
- 苦難を乗りこえて
- 熊本県立八代中学校 1年
- 田中 雄馬
優秀賞
- 僕の姉
- 益城町立木山中学校 3年
- 園田 倫也
- ごめんね
- 玉名市立有明中学校 3年
- 古田 晴己
- 高齢者の人権について
- 菊池市立旭志中学校 2年
- 森 颯一朗
- あたたかい思い出
- 大津町立大津北中学校 1年
- 矢野 未紗姫
奨励賞
- ひいばあちゃんとの関わりを通して
- 水俣市立水俣第一中学校
- 中尾 ももか
- 心をつなぐ「お帰り」の言葉
- 宇城市立松橋中学校 3年
- 久野 幹太
- 認知症の高齢者を家族にもって
- 天草市立五和西中学校 3年
- 小笠原 優樹
- お母さんの目のくま
- 熊本市立桜山中学校 2年
- 金 芝亨
- いつかは誰もが高齢者
- 熊本県立八代中学校 2年
- 井上 由紀子
- 二つの国の間で
- 相良村立相良中学校 2年
- ラザフィマナンテナ スアマララ ファナンビ
- 十人十色の中で
- 錦町立錦中学校 3年
- 増田 未紗
講評
熊本県人権擁護委員連合会 会長 岩ア義郎
平成23年度全国中学生人権作文コンテスト熊本県大会は、県内の作文応募校の65.1%に当たる26、424名の中学生の皆さんから作文を寄せていただきました。
御協力を頂いた各学校関係者の皆様にも厚く御礼申し上げます。
最終審査の対象となった作品は、いずれも若い感性に満ちあふれ、人権思想の根底にある「思いやり」と「感謝の心」を豊かに表現した秀作ばかりでした。
その内容について見ますと、本年度も実体験に基づいた、いじめや差別・偏見に関する作文が33.3%を占め、今なお「いじめ」問題が深刻な状況にあることがうかがえます。
また、本年度の特徴として、高齢の家族との関係を中心とした「家族や人とのきずな」をテーマとした作品が例年にもまして多く、高齢化社会への関心の高さをうかがわせました。
紙面の都合上、最優秀賞、特別賞、優秀賞の9編について、審査員7名からのコメントを簡単に紹介いたします。
最優秀賞
小原明日香さんは、いじめを受けて悩んでいることを分かってもらえなかった苦しみや、自分の気持ちを分かってもらえたときの喜びを経験したことで、友達の大切さとともに、身の周りには助けを求めている人がいることを感じ取り、心のアンテナを張って、手をさしのべてほしいと訴えています。井手尾桃佳さんは、お互いの個性や可能性を認め合い、支え合うことの根本は感謝の気持ちであると指摘し、実体験に基づく説得力のある内容でした。
特別賞
熊本日日新聞社賞の坂本南さんは、菊池恵楓園を訪れ、入所者の方の講演から、全ての人が差別の種を心に持っていることを感じ取り、一人一人がその種に気づき思いやりの気持ちを持って生活することの大切さを伝えています。熊本県教育委員会賞の内田樹里さんは、人の心の厚い壁がある限り、本当の意味での差別や偏見はなくならないと指摘し、感じたことや学んだことを正しく伝えていくのは、文字や言葉であることを訴えています。NHK熊本放送局賞の田中雄馬さんは、障害者の気持ちを伝えることで、障害者が安心して暮らせる社会を作ろうとする思いが具体的な経験を通じて伝わり、心の力強さを感じる作文でした。
優秀賞
園田倫也さんは、障害のある姉の自己決定を尊重し、自立のための支援とともに、その生き方から学ぼうとする姿勢が評価されました。古田晴己さんは、仲の良かった友達に対して、周りに流され一緒になっていじめをしてしまったため、その子が不登校になったことで反省し、クラスの子と一緒にいじめをなくしていった経験を基に、反省することの大切さを表現しています。森颯一朗さんは、曾祖母の介護の手伝いをとおして、介護の大切さを実感し、家族が協力することの大切さと思いやりを持つことの大切さを伝えており、豊かな人間性を持つ青年への成長を期待したい内容です。矢野未紗姫さんは、聴覚障害のある祖父母との関わりをとおして、接し方を学ぶとともに、自己の将来の生き方を見出しています。
熊本日日新聞の「読者の広場」欄に、「11月1日付けの新聞に掲載された作文を読み、中学生の皆さんの心の底からの魂の叫びで、私の心が揺さぶられ読みながら泣いていた。」という投稿がありました。このように、中学生の皆さんの作文が多くの人達への人権啓発の一翼を担っているのです。中学生の皆さんは、東日本大震災の被災者の方々の姿から、「人と人とのきずな、思いやりの心」を感じ、学んでいます。その心を大きく育て、21世紀は人権の世紀として、グローバルな視点でも人権問題について考える必要があるようです。この作文をとおして、人権への関わりを一層深め、人権尊重、人権意識の高揚に助力していただけるよう心からお願いし、審査講評とします。
