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最優秀賞作品   夢への挑戦

鶴居村立幌呂中学校 三年 塩越 あい


「かくれんぼ、もう一回やろう!」

それは校外学習で行った養護学校で、子どもたちに言われた言葉。子どもたちのとってもキラキラした目を、今でも鮮明に覚えています。

私の将来の夢は、学校の先生になることです。でも、私は勉強があまり得意とは言えず、テストの点数も良いほうではありません。私の人生はまだまだこれからなのに、テストの結果を見るたびにだんだんと将来が心配になり、くじけそうになることがしょっちゅうです。そんな時、私は総合の学習の一環として行われた校外学習で養護学校を訪問し、学校の先生の仕事を体験することになりました。

私が訪問したのは小学校二年生の学級です。三人という少人数の学級でしたが、みんなとても明るく私を迎えてくれて、この子どもたちが障害を持っているとはにわかに信じられませんでした。始めにみんなでかくれんぼをしました。中でも、ひときわ元気な女の子がまぶしいほどの笑顔で私にこう言うのです。

「かくれんぼ、もう一回やろう!」

私はその言葉を聞くのが嬉しくて、何回も何回もかくれんぼをしました。かくれんぼの次は一緒に勉強をします。その時、担任の先生に「もっともっとほめてあげてね。」と言われました。ほめられたその子どもの、照れながらも自信に満ちた顔。私は、その子の笑顔から逆に勇気をもらっている自分に気がつきました。「障害」という自分自身をしばる縄をふりほどいて、前へ前へと進もうとする子どもたちはすごいなあと感動したのです。

この体験をする前、私は障害を持っている人をかわいそうだと思っていました。なぜなら「障害者」と呼ばれる人たちは、周りと違うというだけで、良くも悪くも特別な扱いを受けるからです。また、障害の程度によっては言葉がうまく出てこなかったり、手足を自由に動かすことができないこともあるでしょう。しかし、本当にそれは「かわいそうなこと」なのでしょうか。いや、そうではない、と養護学校の子どもたちは私に教えてくれました。子どもたちは決して自分自身を否定的に捉えてはいない。あの笑顔の輝きは、自分の可能性を信じる希望の光なのだと。時には思うようにならない自分自身がいやになることもあるかもしれません。でもそれは私たちと同じなのではないでしょうか。自分の欠点に悩んだり、超えられない大きな壁の前で頭を抱える私たちと。そんな困難にぶつかった時、私たちはどうするでしょう。私のようにすぐに弱気になり、壁に向き合うことすらあきらめてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、彼らは違います。英語では障害を持つ人々のことを「チャレンジド・ピープル」と言うそうですが、私が養護学校で出会った子どもたちはまさに、自分の未来へ向かって日々チャレンジしているのです。私たちはそのひたむきさを見習わなければなりません。

しかし、今の日本には障害を持っている人々の就職先が少ない、または限られている、というのが現状です。障害を持っていてもいなくても、私達は同じ人間で日本人です。日本の憲法には、全ての人に働く権利がある、と示されていますから、障害を持っていても、私たちと同じように働ける場所があっていいと思います。一人一人の人権を尊重し、みんなが平等に働ける環境をつくっていくのが、これから大人になる私たちの役目なのではないのでしょうか。

私は今、以前より強く「先生になりたい。」と思っています。雑草のように、踏まれても刈られても負けずに、未来に向かって力強く伸びていこう。そんな気持ちを、私はあの子どもたちから学びました。彼らから学んだことを、今度は私がこれから生きる子どもたちに伝えてゆくために学校の先生になりたい。

「先生」、そう呼ばれる日を信じて、私は今日も夢への挑戦を続けます。

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