「いじめ」を苦に自殺、親の養育放棄で乳幼児が衰弱死、体罰で中学生重傷、児童ポルノをインターネットで販売した男性を逮捕・・・。子どもが被害者である報道の一部ですが、このように痛ましい事案が後を絶ちません。
子どもも一人の人間として最大限に尊重され、守られなければなりません。
子どもの人権については、平成元年(1989年)の国連総会で、子どもの人権や自由を尊重し、子どもに対する保護と援助を進めることを目的とした「児童の権利に関する条約」が採択され、我が国も平成6年(1994年)4月にこの条約を批准しました。
いじめ
最近の子どもの「いじめ」の実態は、巧妙で、「いじめ」の方法、手段も次第にエスカレートしていく傾向にあるなど、
「いじめ」をする子どもや「いじめ」を見て見ぬふりをする子どもが生じる原因や背景には、子どもを取り巻く学校、家庭、社会環境や核家族化等が複雑に絡み合った問題がありますが、その根底には、他人に対する思いやりや、いたわりといった人権尊重意識の希薄さがあると思われます。この問題を解決するためには、お互いの異なる点を個性として尊重するなどの人権意識を養っていくことが重要です。
体罰
教育職員による体罰については、学校教育法第11条ただし書で明確に禁止されているところですが、体罰による人権侵犯事件は依然として後を絶たない状況にあります。
体罰は、「いじめ」のモデルになったり、校内における暴力容認の雰囲気を作り出したりするなど、児童・生徒の「いじめ」や不登校を誘発・助長する要因になるとも考えられています。
児童虐待・児童買春・児童ポルノ問題
昨今、幼児や児童を、親などがせっかん・虐待し、中には死に至らしめるという痛ましい事件が多発しています。また、性的虐待の問題や児童買春、インターネット上における児童ポルノの氾濫等、児童を性的に商売の道具にする商業的性的
これらの問題の解決に向けて、平成11年11月には、「児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」が施行され、また、平成12年11月には、「児童虐待の防止等に関する法律」が施行され(平成16年10月施行の改正法により虐待となる行為及び通告義務等が拡大、平成20年4月施行の改正法により立入調査等の強化)、積極的な取組が行われています。
学校における「いじめ」の事案は、依然として数多く発生しており、家庭内における児童虐待の事案も増加し、中には死に至る深刻なケースも生じるなど、大きな社会問題となっています。
これらの事案は、事柄の性質上、周囲の目に付きにくいところで起こり、被害者である子どもは身近な人に相談することをためらうことが多いことから、重大な結果に至って初めて表面化するという例が少なくありません。
法務省の取組
法務省の人権擁護機関では、これらの問題に対する施策として、全国の小・中学校の児童・生徒に「子どもの人権SOSミニレター(便箋兼封筒)」を配布し、これを通じて教師や保護者にも相談できない子どもの悩みごとを的確に把握し、学校及び関係機関と連携を図りながら、子どもをめぐる様々な人権問題の解決に当たる取組を実施しています。
また、全国50か所の法務局・地方法務局にフリーダイヤルの専用相談電話「子どもの人権110番」を設置し、人権擁護委員や法務局職員が子どもからの相談に応じ、子どもが相談しやすい体制をとるとともに、啓発活動や調査救済活動に取り組んでいます。
さらに、インターネットでも人権相談を受け付けています。相談フォームに氏名、住所、年齢、相談内容等を記入して送信すると、最寄りの法務局から後日、メール、電話又は面談によりお答えします。
メッセージ
〜あなたの、そして相手のかけがえのない命を守るために〜
今、日本は東日本大震災に伴う津波や原子力発電所の事故などで大きな被害を受け、大変な毎日を送っています。そのような中で、あなたは相手の立場に立って物ごとを考えることができますか?なかなか難しいですね。自分ではない相手のことを考えることができる、それが人権のスタートです。
私たち全国の「子ども人権委員会」の代表者は、「児童虐待防止推進月間(毎年11月)」中の本日、法務省に集い、子どもたちのための取組を、より一層強化することを決めました。
人権擁護委員である私たちは、電話相談「子どもの人権110番」(下記参照)や手紙相談「子どもの人権SOSミニレター」(小・中学生対象・各学校で配布)を通して子どもたちの声に耳を傾け、「いじめ」や「児童虐待」など、子どもたちが出すSOSのサインを的確に受け止め、地域と連携をして、かけがえのない子どもたちの命を守るための活動を、積極的に進めていきます。
あなた(
保護者の方々、そして地域の皆様へ
子どもたちの様々な成長過程を、ぜひ見守ってください。彼らは、家族の、地域の、社会の宝なのです。しかし、子どもたちは毎日の暮らしの中で、時折り難しい問題に直面します。そんな時、ぜひ手を差しのべてください。でも支えきれない、解決が難しいという時は、私たち人権擁護委員を思い出してください。きっと力になれることと思いますので・・・。
平成23年11月2日 全国人権擁護委員連合会 子ども人権委員会委員長会議



