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長崎県人権啓発活動ネットワーク協議会
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活動紹介

人権作文コンテスト

最優秀賞(長崎県人権擁護委員連合会長賞)

小さな勇気
佐世保市立早岐中学校 3年 森川 凜々子

世の中にある数々の問題の中に「いじめ」というものがあります。人をいじめてはいけないと世の人は言います。誰だっていじめる事が悪い事だということは分かっているはず。しかし,なかなかいじめがなくならない現実。

私は小学五年生のときにいじめにあいました。まだ,人の心の悪に触れたことがなかった私にとっては初めての経験で何がなんだか分からない状況でした。今まで仲が良かった友達が急に冷たくなり,避けられ陰口を言われ,当時は相当傷つきました。自分がいじめにあっているとは恥ずかしくて親にも言えませんでした。だから,母に
「今日は学校どうだった?」
と,聞かれ,必死に笑顔を作って楽しかったと嘘をつくことが本当に苦しかったです。

でも,私が一番つらかったのは,クラスの誰も助けてくれなかったことです。私をいじめる人たちのことをみんな怖がって,私が話しかけるとみんなが無視するようになりました。結局,何が原因でいじめられているのかも分からず,クラスで一人ぼっちになりました。嫌な汗をかきながら学校へ行き,我慢できない時はトイレで泣いて,自分の居場所がないまま苦しい日々を過ごしていました。

しかし,ある日隣のクラスの友人が私に話しかけてくれました。その友人は四年生の時に同じクラスで一番仲の良かった人です。うわさを耳にして,かけつけてくれたのです。その友人は「大丈夫?」と私に話しかけてくれました。ずっと一人で心細かった私にとってその一言にどれだけ救われたか。そしてその友人に全てを話しました。今まで苦しかったことつらかったこと全てを。友人は黙ってうなずきながら聞いていました。私は我慢の糸が切れ,その場で泣き崩れました。友人は「つらかったね。」と一言かけ,ずっとそばにいてくれました。

それからは,学校で休み時間などその友人と過ごすようになり,少しずつ本当の笑顔を取り戻すことができました。私を救ってくれたその友人には本当に感謝をしています。この経験で私は,いじめがあっているのに見て見ぬふりをすることは,いじめていることと同じだと学びました。 いじめられている人にとって,手を差し伸べてくれることがどれだけうれしいことか,その一言でどれだけ救われるかを知ることができました。

テレビでもドラマやバラエティ番組でいじめを再現しているシーンがあります。その中でいじめている人,いじめられている人どちらでもない人がいます。どの番組でも,どちらでもない人はいじめを見て見ぬふりをすることがほとんどです。それは,今の世の中の状況がそういう状況だからです。自分もいじめられるのが怖くて何も言わない。誰も何も言わないから自分も言わない。このように,悪い空気を読んで,みんなで悪い雰囲気を作るのが今の世の中です。

私が中学生になった時,実際に同じようなことがありました。中学校では私はいじめにはあいませんでしたが,身近でいじめのようなものがありました。みんなはそれを見て,「大丈夫なの?」や「そこまでする?」といったことを話していたけど誰も止めにいこうとはしませんでした。私も,自分が止めに行って何か言われたら怖いなという気持ちがありました。

しかし,過去に自分がいじめを経験して,つらかった事,一言で救われた事を思い出し小さな勇気を出しました。
「もうやめなよ」
弱くて小さな私はこれだけしか言えませんでした。でも,私が一言言うと,他のみんなも止めに入ってくれて,その時は,それでいじめがひどくならずに済みました。

後からいじめを受けていた人にもお礼を言われ,勇気を出して良かったと思ったことを覚えています。あの時本当にうれしかったです。

しかし,まだ世の中の状況は変わっていません。今のままでは,間違っている人が得をして,正しい人が損をすることになりかねません。今の状況を変えるには,小さな勇気が必要だと思います。いじめがあっているとき,いじめが間違っていると思うなら行動にうつすべきです。確かに,手を差し伸べることで次は自分がいじめられるかもしれないという怖さはあると思います。しかし,その怖さを乗り越える勇気が人を救うのだと思います。一言だけでも声をかけてみる小さな勇気が広がることで大きな力になると思います。だから私は,一人でも救われるように,これからも小さな勇気を出し続けていきます。

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