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ホーム > 各種行事 > 第56回(平成20年度)中学生人権作文コンテスト結果 >

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優秀賞 ドリームワークでのもう一つの発見

八尾市立曙川中学校 3年 村井 咲月

 中学2年生のとき学校の「キャリア教育」の一環で職業体験を行った。職業体験というのは自分が興味を持つ分野の職業を体験する取り組みである。我が校ではそれを「ドリームワーク」と呼んでいる。例年、我が校では3日程度の体験だったが、私達の学年はより深く「働く」ということを学ぶために初の5日間の体験となった。コンビニエンスストアや老人ホーム、幼稚園など色々な職業体験があるなかで、製菓小売業を希望していた私はあるパン屋で働かせてもらうことになった。先生に詳細を聞くと「障害者就労支援事業」のパン屋、つまり障害のある人達が働く職場であることが分かった。私は想像していた職場と違い、驚きとまどった。ただでさえ知らない場所で5日間という長い日数働くのに、障害のある人達と一緒に働けるのか。お互いうまくコミニュケーションをとれるのだろうか・・・、といろいろ不安になってきたのだ。そんな私の不安をよそに準備は着々と進み、とうとうドリームワークの日がやってきた。

当日、同じ職場で働くメンバーと共に店の方々にあいさつをした。どんな人がいるのだろうか。うまくあいさつできるのだろうか。いろいろな不安がわいてきて緊張が高まった。けれど、あいさつは意外にあっさりと済んだ。お店の方々は「よろしくね。」と、とても明るく返してくださったのだ。・・・なんだ・・・全く大丈夫じゃないか。私は自分で勝手にいらぬ心配をして、勝手に不安になっていただけだったのだ。そのことが分かって私の不安はずいぶんと軽減された。

そうしているうちに仕事はすぐ始まった。言われた仕事をこなしている間は仕事に精一杯で不安なことを考えるひまもなかった。そんななか働いている方々を見ると障害というハンディキャップがあるのにどんどんと仕事をこなしていた。一緒に作業している人のなかに耳が聞こえないという障害のある人がいた。私は意思の疎通などどうすればいいのかな。どんな仕事をすればいいんだろう。と何もできないで突っ立っていると、目の前にデジタルばかりが置かれた。そして手で「9」と示され、クッキー生地を渡された。・・・もしかして・・・生地を9gずつに分けろってことか?試しにやってみると、手で「OK」と示してくれた。ちゃんと意思の疎通ができたのだ。私は少し嬉しくなった。どんどんと生地を分けていくのだが私が1つ分け終わるとその人はもう2つ分け終わっていた。一発で9gに分けられるほどその人は慣れていて仕事が早かったのだ。私は少し足を引っ張ってしまって今度は違うショックを受けたのだった。

5日間という体験期間は終わってみれば長くなくて、とても短いものに感じられた。それほど中身が濃いものだった。仕事についての大変さを知る以外にもいろいろな事を教わることができ、私はこの職場に来られてよかったと今思っている。きっと他の事業所では学べないことを学べたからだ。ドリームワークに行く前の私は「障害」というものを特別な目で見てしまっていた。だから不安になった。だけど実際はちゃんとコミュニケーションだってとれたし、一緒に働くことができた。「障害」というのは耳が聞こえなかったり手足が不自由だったりすることだけじゃない。あのときの私のように「障害」というハンディキャップのある人を特別な目で見てしまう。それも「障害」だと私は思う。だが、この「障害」はきっと無くすことができるはずだ。私ができたように。それにはまず、”その人自身”を知ることが必要だ。何もそれは障害者の問題のことだけじゃない。いじめなどにもいえることだと思う。

今、私は中学3年生だ。きっとこれからまた新しい出会いがたくさんあると思う。そんなとき、また不安になってしまうかも知れない。けれどそんなときはお店の方々の明るい笑顔を思い出して、”その人自身”を知ると共にその人を通じて”自分自身”を知れるよう努力したい。

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