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ホーム > 各種行事 > 第56回(平成20年度)中学生人権作文コンテスト結果 >

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優秀賞 本当の友達

八尾市立高安中学校 3年 浅井 麻須美

「やめたろう。」その一言が言えなかった。私が小学六年の頃の事だった。私のクラスで一人の女の子がクラスのほとんどの女子に無視されていた。その子が話しかけても、当然のように無視するし、それがどんどんエスカレートして、その子の持ち物が隠されたり、その子の前でわざと大きな声で悪口を言ったり。そこには確かに「いじめ」が存在していた。なぜその子がいじめられるようになったのか、わからなかったけれど、私もその「いじめ」の存在に気付いていたのに気付いていないふりをしていた。怖かった。その子を庇ったら、次は自分がいじめられるのではないかと思っていたから。見ていることしかできなくて。「やめたろうや」って一言、言えばよかったのに言えなかった自分がそこにいた。

そんなある日、またいつものように、その子が無視されて一人になっている時のことだった。一人の気の強い女の子が、その子の所へ行ってつぶやいたのがかすかに聞こえた。「うちはあんたの友達やで。今まで見て見ぬふりしてごめんな。もうあんた一人にせいへん。」その言葉を聞いて、私はとても驚いた。そんなことしたら、その子までいじめられると思っていたし、私なら絶対にできないと思ったからである。その日からその女の子は、いじめられている女の子を庇うようになって、その子も悪口を言われるようになったけれど、その子はものともせずに立ち向かっていった。私はそんな時も、ただただ見ているだけで何もしてあげられなかった。

中学生になった今、そんないじめはなくなった。みんなが幼稚だということに気付いたのもある。けれど、私が特に変わったと思ったのは、交際範囲が広くなったり、今までよりも深いつきあいをするようになって、悩み事や、相談のできる友達ができたことだ。友達関係が変われば、考え方や物の見方も広く深くなり、性格も少しずつ変わっていくからだ。私がそうであったから。私が今、一番仲の良い友達は、小六の時、いじめられている子を助けた女の子だ。私はその子と性格が真逆だったけれど、中学二年からいきなり仲良くなって、クラブも一緒だったから、意外にも意気投合した。今でもよく小六の時の事を話し合うけれど、その子と仲良くなっていくうちに、今そんな事が起こっても、今なら立ち向かえるのではないかなと思うようになった。それは、その子と仲良くなってから、言いたい事も今までなかなか言えなかった自分が、思いをおもいきりぶつけられるようになったし、悪い事も注意できるようになったし、その子が、本当の友達の意味を教えてくれたからだ。私もその子にあの時のいじめられていた子と少し違う意味で救われたような気がした。だから今度は私が、いじめられている子がいたら助けてあげたいと思う。

今もニュースや新聞で「いじめ問題」がよく取り上げられているけれど、いじめている子だけではなく、それを知っているのに知らないふりをして見ているだけの子も、いじめている子と同じぐらい悪いと思う。私がそうであったように。「やめたろう。」のたった一言が簡単なようで、なかなか言えないけれど、勇気をふりしぼって、「いじめはだめだ。」と言っていかないと何も変わらないと思う。そして、本当の友達を見つけることが一番大事だとわかった。私が彼女の勇気を通して友を得たように。

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