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ホーム > 各種行事 > 第57回(平成21年度)中学生人権作文コンテスト結果 >

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優秀賞「このクラスから出てってよ。」

枚方市立蹉中学校 一年 小田島 玲子

「このクラスから出てってよ。」
小学校一年生の時に投げつけられた言葉を六年たった今も、私は忘れることができません。たぶん、私にこの言葉を投げつけた彼女は、私に何を言ったのか全く覚えていないと思います。記憶の片隅にもないことでしょう。それでも私は覚えています。というか、忘れることができません。きっと大人になっても忘れないでしょう。

あれは、音楽の時間でした。先生が音楽室から持ってきた楽器を使いながら授業が進みました。彼女は授業が終わった後も楽器を一つ持っていました。私は先生に、彼女の持っている楽器を片付けるように言われたのです。「その楽器、片付けて。」
「なんで玲子ちゃんにそんなこと言われないといけないの。」
「先生に言われたから。」
その後も私は彼女と言い争いました。彼女は気が強く、今までに私が何回も泣かされた相手でした。とうとう、
「このクラスから出てってよ。」
という言葉が彼女の口から飛び出たのです。私は驚きすぎて何も言えなくなりました。自分の居場所である教室から「出ていけ。」と言われたことは一度もなかったからです。ワンテンポ遅れて涙があふれてきました。扉を閉めて、廊下にうずくまって泣きました。これまでもきつい言葉を使われたことはありました。それでも、ここまでの言葉を使われたことはなく、味わったことのないほどのショックを受けました。私はずっと泣いていました。先生は、一部始終を聞いて私が学校に来なくなるのではないか、と心配していたそうです。

しかし、私は次の日も学校に行きました。
彼女は何事もなかったように私に話しかけてきました。その時、思いました。「彼女は、人を傷付けても平気で忘れられるんだ。彼女は自分が人を傷付けたことを気付いていないのかもしれない。」と。昨日に続きショックを受けました。人を傷付けることに無頓着な人がいるとは夢にも思っていなかったからです。だから、私は自分がそんなことを平気でしてしまう人にならないようにしたいと思い生きてきたつもりです。

その後も、人を傷付ける言葉を私はたくさん聞いてきました。自分に向けられた言葉、友達がもう一人の友達に向けた言葉、クラス全体が一人の人に向けた言葉……。内容はそれぞれ違ったけれども、どの言葉も人権を傷付けるには十分、それ以上の酷さでした。

今、私達の周りには言葉があふれています。その言葉の中からどの表現を使うのか、決めるのは私達です。しかし、何気なく使っている言葉が人を傷付けていることは確かなことです。自分と違うと感じる人を、私達は言葉で傷付けています。

言葉は凶器になります。使い方によっては人を喜ばせ、笑わせ、はげますことができる言葉ですが、それと同じくらい人を傷付けることもできます。投げ付けられた石も怖いけれど、同じ環境にいる仲間に投げつけられた言葉も、そしてそれを見ている仲間の視線も怖いものです。石は体を傷付けますが、言葉は心をめちゃくちゃに傷付けます。治らない傷は心の方かもしれません。

では、どうしてこういう言葉が口から出るのでしょうか。

それは、自分に「人権」があるのと同じように相手にも「人権」があることに気付いていないからではないでしょうか。

では、「人権」とは何でしょうか。「人権」とは、人間として生まれた時から持っている生命・自由・平等などを侵されない権利のことです。その権利を無視し、人の心をズタズタにするのがいじめです。自分に「人権」があることはわかるが、相手にも「人権」があることがわからない。だから、自分が傷付いて「人権を侵害されたと思った時から、自分の人権にしか目がいかず、相手を傷付ける言葉が口から出てしまうのではないでしょうか。 そうならば、考えてみて下さい。自分が「人権」を侵害されたと感じたように、相手も「人権」を侵害されたと感じるのではないかと。そうすれば、人権を侵害し人を傷付ける言葉は無くなっていくのではないでしょうか。「彼女がそう考えてくれていたら」と考えずにはいられません。

自分の思いを言葉にして相手に届けることは大切です。でも、言ってはいけない内容、使ってはいけない言葉は必ずあります。その言葉を使った瞬間、相手の心は壊れてしまいます。それと同時に自分の心も壊れていきます。「人権を侵害する」とは、最終的にお互いの心を傷付け、お互いの心を死に追いやることだと思います。

お願いです。その言葉を使う前に考えて下さい。その言葉で、自分と相手の心が壊れてしまわないかを。

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