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滋賀県人権啓発活動ネットワーク協議会
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大津地方法務局長賞

勇気を持って

立命館守山中学校2年 稲田 彩香

「いじめ」という事について、一つ私の体験談を書きたいと思います。私は誰かをいじめたことも、誰かにいじめられたこともあります。

まず、私が加害者だった時のことです。私は小学校低学年で同じマンションに住む親友がいました。また、そのマンションには私と親友以外にも同じ学年の女の子がいました。その子は、少し他の人より行動や話すスピードが遅い子でした。始めは、何ともありませんでした。でも、ある時から私の親友はその子のリズムに苛苛するようになり、いじめに発展しました。その子のランドセルを蹴ったり、存在を否定するような内容の手紙を送ったりしたこともありました。私は大抵は、親友に同調しているだけでした。でも、加害者であることに変わりありません。私は当時、少しだけ良心が痛むのを感じながら、その子をいじめていたのを今でもよく覚えています。

次は、私が被害者になった時のことです。小学五年の一学期のことでした。小学四年の三学期に転校した私は、まだ友だちも全然いなくて学校にもなじめずにいて、前の小学校に戻りたいと毎日思っていました。そんな時でした。ある三人の男の子達から「優等生ぶりっこ」と呼ばれるようになりました。勉強して賢くなることにやりがいを感じていた私は、転校先で授業に追いつけない、というような事もなく順調に勉強していました。特にその事を鼻にかけていたつもりはありませんでしたが、きっと気に障ったのでしょう。私が何かをする度に「優等生ぶりっこ」と三人ではやしたてるのです。悲しい、というよりも馬鹿にされていることに怒りを感じていました。私は、その三人に何も言い返しませんでした。意地を張って強がっていただけです。でもある日、見かねた一人の女の子が先生に相談してくれたらしく、いじめられていることがばれて先生の前でボロボロ泣いてしまいました。

こんな体験を持つ私から、いじめられている人に二つアドバイスをしたいと思います。私が思う、いじめをストップさせる方法は「逃げる勇気」と「告げる勇気」を持つことだと思います。

まず「逃げる勇気」というのは、いじめられているその場所から逃げ出すことです。クラスなり、学校なり嫌な場所には行かなくていいと思います。不登校でも、引き籠もりでもいいんです。転校だって一つの「逃げる勇気」です。「逃げる」ことは「負ける」ことではありません。

次に、「告げる勇気」です。「逃げる勇気」を持つことができた人は、きっと「告げる勇気」も持っているはずです。「告げる勇気」とは、今の自分の状況を誰かに伝えることです。親でも先生でも少し頑張ってみて友達でも、誰でもいいんです。今、自分が誰にどんな風にいじめられているのか、話してみて下さい。必ず、味方になってくれる人はいます。

そして、もう一つ私が重要だと思っているのは、いじめが無くなった後のことです。被害者、加害者はお互いにどうあるべきなのか私の考えを書きたいと思います。

私は、いじめが無くなった被害者には許す心を持ってほしいです。このことは、とても難しいことです。実際、私は出来ませんでした。私をいじめていた男の子達をどうしても好きになれませんでした。いじめられていた、という事実は被害者の心に根強く残ります。でも、誰よりも心の痛みを味わった被害者だからこそ、多くの時間がかかっても、加害者を許すことができるような広くて強い心を持つことができると思います。

そして加害者には、人の痛みが理解できる心を持ってほしいです。なぜ、被害者をいじめてしまったのかを自問し、答えを見つけ出してほしいです。被害者の心の涙を感じることができたなら、加害者というレッテルをはがすことができると私は思います。

最後に、私は人間という生き物がこの世に存在する以上、人間関係の悩みというのは無くならないと思うし、そこからくるいじめというものは、もしかしたら完全に無くすことはできないのかもしれないと思っています。でも、いじめを防ごうとする努力、無くそうとする努力は誰にでもできます。だから、その努力を怠らないでほしいし、やめないでほしいです。

あなたが、ほんの少し勇気を持って動けば、必ず世界は変わります。


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