本文へジャンプメニューへジャンプ
静岡県人権啓発活動ネットワーク協議会
ここからメニューです

ホーム >

ここから本文です

静岡県内の中学生が書いた人権作文

平成24年度中学生人権作文

青空(中央大会 奨励賞)
静岡市立蒲原中学校 3年 網川春花

私は一度だけ自分の血を憎んだことがあります。どうして私は純血の日本人じゃないのだろう。それはずいぶん昔のことです。

私は韓国人の父と日本人の母をもつハーフです。日本で生まれ育った私にとって心は日本人です。でも韓国のしきたりや言葉、文化を父方の親族から教えられてきたので、韓国の文化も受け継いでいます。特に名前がその通りです。私は春に花と書きハナと読みます。韓国でも、この漢字でチュナと読み、同じ意味になるようこの漢字が使われています。私はこの名前が父と母の愛情の詰まった素敵な贈り物だと思って気に入っています。よく、どうしてこんな漢字なの、理由を聞かれては、嬉しそうに答えていました。「チュナちゃん」と親しんで呼んでくれる友達もいました。

そんなある日、中学一年生のときです。私の人生に衝撃を与えるとともに、日本人のもつ東南アジアの人々のイメージを考えさせられる出来事が起きました。今まで話さなかった子が仲良くなり、ふと休み時間の間に聞いてきました。

「お前ってどうして春、花って書いてハナなの。普通ハルカじゃん」そこで私は今まで通り答えました。するとその子はハッとして苦い顔で言いました。

「俺、韓国人嫌いだ。」

私の顔はスウッと青ざめ、ただそうなんだと言うだけで精一杯でした。その日から、私が韓国のハーフだと知ると嫌そうな顔をする人がいると気付きました。日本人は韓国人というだけで嫌うのかと悲しくなりました。生涯でたった一度だけ自分の生まれを悲しみました。純血の日本人になりたいと。

その頃、韓国や北朝鮮について悪いニュースや記事が報道されると、私のことを避けたりする人も出てきました。私が悪いことをしたわけでもないのに、私が韓国人の血を継いでいるだけで差別を受ける現実が痛々しくそこら中にあったのです。でも中には私のことを相変わらず一人の人間として、国や名前に関係なく接してくれる人もいました。むしろハーフである私をうらやましいと言ってくれました。なんでそう思うのかと聞くと、優しく教えてくれました。

「だって文化の違いをのりこえて結婚したパパとママをもつハナは、何人でも仲良くできる証みたいなものでしょ。それって幸せなことじゃない」

その子は社会で人種差別について調べていたらしく、私は違う国民同士仲良くできる証と言ってくれました。

こんな歌詞があります。『生まれた所や皮膚や目の色で一体この僕の何が分かるというのだろう』全くその通りだと思います。その人の行動や思想が世界的標準で悪いことなら非難されても仕方ないけれど、その人の国籍や血を非難するのは決して人としてやってはいけないことだと思います。もしあなたが日本人であることで差別されたらどうでしょう。同じ人間で、人権がある以上、互いを傷つけ合うのはよくないことです。

ではなぜそんな差別があるのでしょう。それは日本人が東南アジアの人にもつ特有のイメージが原因してると思います。特に昔、戦争や高度経済成長を経験した人はその優越感から、東南アジアの人々を嫌う人がいます。「ルールが守れない自分勝手だ」というそれこそ自分勝手なイメージを持つ人もいます。その昔、日本はアジアの国々へ侵攻し、その国の人々に悲しい思いをさせてきました。それで日本人を嫌うアジアの人もたくさんいます。でも、いつまでも過去ばかり見て差別し合って、嫌い合って明るい未来は描けるのでしょうか。

その人の人柄を決めるのは、国でも、肌の色でも、血でも、目や髪の色でも、姿形でもないはずです。皆それぞれ違った文化をもつ者同士でも、それら全てを認め合って、権利を尊重して、協力し合えるはずです。そうして、一人から二人、二人から三人、そして世界中の人が人間として互いを分かり合おうとする努力をして、差別や偏見を無くしていけたらいいと思います。

私は今年、八人に名前の読み方を聞かれ、由来を教えました。どの人も素敵な名前だと言ってくれました。こうやって違う国同士が仲良くできる未来を作っていきたいです。

このページの先頭へ