山形地方法務局及び山形県人権擁護委員連合会では、次代を担う子どもたちに人権尊重の重要性、必要性について理解を深め、豊かな人権感覚を身につけてもらうことを目的として、第31回全国中学生人権作文コンテスト山形県大会、ならびに平成23年度小学生人権書道コンテストを実施しました。
作文には86校から2,740編、書道には258校から10,764点の応募があり、審査の結果、次の皆さんが入賞されました。
★第31回全国中学生人権作文コンテスト山形県大会
私の両親は精神障がい者の方々と関わる仕事をしています。精神障がい者と聞いて、みなさんはどのようなイメージをもつのでしょうか。小学生の私は、「精神障がい者は暗い。何をするか分からないから、こわい。」こう考えていました。障がい者というだけで差別し、偏見の目で見ている自分がどこかにいたのです。
「アートワークショップに行ってみない?」小学四年生のころ、私は母に精神障がい者の方と一緒に絵をかくアートワークショップに誘われました。初めは、「障がい者と一緒に絵をかいて何になるんだろう。」と思いました。きっとみんな暗い顔をしているだろう。誰もやる気なんてないだろう。だから、行ったって楽しくない。全部決めつけていました。
「一回だけでいいから行ってみようよ。」母が何度も勧めてきたので、一回だけならと思い、行ってみることにしました。
「こんにちは。」少し不安を抱えて入っていくと、中にいた利用者の方が明るい声であいさつをしてくれました。そこには20名ほどの利用者の方がいらっしゃって、さっそく絵をかき始めていました。みなさんの絵をかく姿を、私は今でも鮮明に覚えています。一生懸命絵にむかう真剣な眼ざし。時より見せる楽しそうな顔。できあがったときの最高の笑顔。そして何より個性豊かな一人一人の「思い」がはいった絵。「すごい。」この言葉しかでませんでした。みなさん思いのまま、いい顔で絵をかいていました。とても生き生きとしているのです。
利用者の方の中で、私は忘れられない人がいます。その方の絵を見たとき、私の心が震えました。色鮮やかで広大な自然の風景。遠くの山の向こうから差す、おだやかな光。自然のぬくもりを感じさせる木々や花。自然の美しさが伝わる、とてもあたたかく優しい絵でした。人の絵を見て、あんなに感動したのは初めてでした。無口で静かな方だけれど、絵をかくときの顔は、誰にも負けないとてもいい顔をしていました。その利用者の方は、今年一月に東京で展覧会を開かれたそうです。利用者の方の絵をたくさんの人々に見てもらえたということを本当に嬉しく思いました。きっとあの絵は、たくさんの人の心を動かしたことでしょう。
私はその一回で終わらず、回を重ねて行くようになりました。アートワークショップで利用者のみなさんとふれあいながら、絵をかくことが楽しくなりました。「本当に障がいがあるの?」そう聞きたくなるくらい、私のイメージとは違う、まっすぐですばらしい方々でした。勝手に決めつけていた自分に腹がたちました。私は、こんなにいい人達をなぜ差別していたのだろうか。以前の私のように、障がい者を偏見の目で見ている人がまだたくさんいるのではないだろうか。そう思いました。
私は、アートワークショップに行って本当に良かったなと思います。精神障がい者の方方とふれあって、気づけたことがたくさんあったからです。みなさんの絵をかく姿を見たとき思ったことがあります。それは、人はみんな、好きなことをしているとき、きらきらと輝いているということです。嫌なことがあってつらいときでも、自分の好きなことがあることで気持ちが楽になったり、自分の心の支えになったりすると思うのです。絵もそうですが、自分の生きがいとなるようなものが一つでもあると考え方も人生も変えていけるのではないでしょうか。障がいがあってもなくても自分に一つでもひかるものがあれば、評価してもらえる社会になってきていると思います。だから、自分が一番輝けるものをさがし、何があってもあきらめずに一歩ずつ前に進むことが大事なのではないでしょうか。
私は、ずっと誤解していました。精神障がい者は暗くなんてありません。心の病と向きあいながら、今を生きています。私は障がいをもっている人も障がいのない人と同じように楽しく生きていける社会を目指します。「障がい者」と聞いただけで壁をつくり、「私達とは違うから。」と境界線を引いている、以前の私のような人達に、声を大にして伝えたいです。「障がいがあってもなくても、私達と同じだよ。変わらないんだよ。」と。同じ未来がある。夢がある。輝ける自分がいる。同じ明日を気持ちよく、楽しく生きるために、みんなが手と手をとりあって、歩きだしましょう。
一人一人輝きながら・・・。
★平成23年度山形県小学生人権書道コンテスト