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トップページ > 資格・採用情報 > 検事を志す皆さんへ > 検事総長からのメッセージ

検事総長からのメッセージ


検事総長 稲田 伸夫 (いなだ のぶお)


主な経歴

昭和31年 奈良県生まれ
昭和56年 検事任官
東京地検検事,福岡地検検事,内閣法制局参事官のほか,法務省大臣官房人事課長,山形地検検事正,法務省大臣官房長,法務省刑事局長,法務事務次官,仙台高検検事長,東京高検検事長を経て,

平成30年7月25日就任

~検事を志す皆さんへ~


  世の中では様々な事象が起こります。その中には,国民にとって許されないことが少なくありません。とりわけ,法律によって犯罪と定められている事象は,多くの人に不幸をもたらし,あるいは人々や社会に不安を巻き起こすものです。このような犯罪に対峙していくことは,刑事司法にしかなし得ないところです。しかも,刑事司法のなかで,事案の真相を解明するための捜査を行うとともに,その結果を踏まえて公判で立証活動をし,適正な判決を得,さらに刑の執行,再犯防止のための諸方策を実施することまで,広範に権限を有しているのは検事だけです。
 最近,経済のグローバル化や,IT化の進展などを反映し,社会生活が大きく変化しています。そのことは,刑事司法にも大きな変化を与えています。
 以前は想像もされなかった形態の犯罪が増加しています。そのなかには,法律により新たに制定された犯罪類型もありますが,従来からある法律に定められた罰則であっても,それが対象とする犯罪類型が大きく変化しているものもあります。例えば,最近頻発している特殊詐欺はその典型であり,騙しの手口はますます巧妙悪質になっています。
 その一方で,これらの犯罪を立証する手段も大きく様変わりしています。DNA型鑑定についてお聞きになったことがあるでしょう。現場に遺留された物質のDNA型から,その物質の持ち主の特定が可能になり,被疑者・被告人を犯行に結びつける決定的な役割を果たすことが少なくありません。街中には,防犯カメラが多数設置され,自動車にはドライブレコーダーと呼ばれる録画機器が搭載され,これらを通じて過去の出来事が機械的に写し取られて保存されるようになっています。これらの証拠は,犯罪者の特定や犯行内容の立証に大いに役立つようになっています。
 検察は,新しい形の犯罪を含めた広範な犯罪に対して,これら各種の最新技術を駆使して,できる限りその真相を解明し,犯した罪に見合った科刑を実現していかなければなりません。そのため,常に社会の実態に目をこらし,真に罰すべきものがどこにいるのかを注視しつつ,新たな手法を含めた科学技術の捜査公判活動への応用の可能性を追い求めています。
 他方で,検事の仕事は,これら捜査公判活動だけに限られるものではありません。多くの検事が,行政の各種分野において働いています。私も,今から20年近く前に内閣法制局に出向し,四年間にわたり,参事官として各種法令の立案に関与しました。そこでは,刑事法ばかりではなく,安全保障に関する法律やIT化の推進に関する法律,法律扶助に関する法律など広範囲の法律を担当しました。この時に,法律案を作成し,国会審議に対応するにはどうしたらよいのか,各行政機関の仕事のやり方はどのようなものなのかなど多くのことを学び,また,他省庁に多くの友人を作ることができました。このことは,その後の私の職業人生にとってすばらしい糧になったと思っています。
 現在も,内閣官房,金融庁,外務省,財務省,厚生労働省,環境省などの省庁で,検事が法律顧問として働いています。さらに,国際的な分野においても,大使館で働いている検事,発展途上国における法整備支援のため,東南アジア諸国等において,その国の基本法制の立案や法曹養成を支援するために働いている検事がいます。今後,これら行政や国際的な分野での検事の仕事はどんどん増加していくものと思っています。
 検察は,このような活動をより一層力強く進めるために,高い志を持ち,意欲にあふれる人々が参加してくれることを待ち望んでいます。誰もが,新しい仕事にとってみれば素人であり,そこで得られた経験が担当した人の能力を磨いていくものだと思います。ですから,新しい仕事の分野は,新しい人,未経験な人にこそ有利な分野だと思います。若々しく,やる気のある人が,新しい仕事に果敢にチャレンジしてくれることを期待しています。
 

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