仲戸川 武人 検事 (千葉地検刑事部・公判部 平成15年度任官)
米国と現場
私は,平成20年7月まで,2年間,アメリカ合衆国に派遣されていた。
主な課題はロースクールの卒業であったが,私には,「アメリカの検察官の法廷技術を学びたい」という強い希望があった。数百年間,陪審員相手に法廷活動を行ってきたアメリカの検察官の技術は,必ずや,裁判員裁判での我々の法廷活動の参考になると考えたからである。法廷に通い,生の陪審法廷を傍聴した。アメリカのベテラン検察官による法廷技術セミナーに参加できる幸運にも恵まれた。陪審員への印象付けを重視した証人尋問の構成,短くもインパクトを持った冒頭陳述と論告,陪審員に好まれる法廷での立ち振る舞い・・中には私の意識を根底からひっくり返すようなこともあった。検察の現場に戻った現在,アメリカで学んだこれらの技術を,いかに裁判員裁判に生かすか,試行錯誤の日々である。
我々検察官は,裁判員制度を迎え,こういった法廷技術を始め,様々な変革を求められている。
しかし,裁判制度や求められる法廷技術が変わっても,我々検察官の最も重要な役割は不変だと考えている。それは,「事件の真相を明らかにすること」。真相を法廷で示してこそ,判断者が,正しい判断を下せる。裁判員裁判では,裁判員が納得して正しい判断をするために,真相を明らかにすることが,これまで以上に求められるであろう。そして,そのためには,捜査において,与えられた捜査権限を駆使し,また,真相を一番よく知っている人間,つまり被疑者に真実を供述させ,真相に迫る必要がある。
私が現在配属されている機動捜査公判担当は,殺人などの重大事件の捜査・公判を専門に扱う部署である。これら重大事件は,刑も重く,社会の注目を集めることが多く,事案の真相を明らかにすることが強く要請される。その責任や重圧は厳しい。真相への道のりは,決して楽なものではない。しかし,その重い責任ゆえ,真相に迫れたと感じられたときには,何とも言えない達成感がある。この裁判員裁判が始まった時期に,最前線で,重大事件の真相の解明に当たれることへの幸せと,その職務に対する誇りを感じながら,私は,日々の職務に当たっている。
主な課題はロースクールの卒業であったが,私には,「アメリカの検察官の法廷技術を学びたい」という強い希望があった。数百年間,陪審員相手に法廷活動を行ってきたアメリカの検察官の技術は,必ずや,裁判員裁判での我々の法廷活動の参考になると考えたからである。法廷に通い,生の陪審法廷を傍聴した。アメリカのベテラン検察官による法廷技術セミナーに参加できる幸運にも恵まれた。陪審員への印象付けを重視した証人尋問の構成,短くもインパクトを持った冒頭陳述と論告,陪審員に好まれる法廷での立ち振る舞い・・中には私の意識を根底からひっくり返すようなこともあった。検察の現場に戻った現在,アメリカで学んだこれらの技術を,いかに裁判員裁判に生かすか,試行錯誤の日々である。
我々検察官は,裁判員制度を迎え,こういった法廷技術を始め,様々な変革を求められている。
しかし,裁判制度や求められる法廷技術が変わっても,我々検察官の最も重要な役割は不変だと考えている。それは,「事件の真相を明らかにすること」。真相を法廷で示してこそ,判断者が,正しい判断を下せる。裁判員裁判では,裁判員が納得して正しい判断をするために,真相を明らかにすることが,これまで以上に求められるであろう。そして,そのためには,捜査において,与えられた捜査権限を駆使し,また,真相を一番よく知っている人間,つまり被疑者に真実を供述させ,真相に迫る必要がある。
私が現在配属されている機動捜査公判担当は,殺人などの重大事件の捜査・公判を専門に扱う部署である。これら重大事件は,刑も重く,社会の注目を集めることが多く,事案の真相を明らかにすることが強く要請される。その責任や重圧は厳しい。真相への道のりは,決して楽なものではない。しかし,その重い責任ゆえ,真相に迫れたと感じられたときには,何とも言えない達成感がある。この裁判員裁判が始まった時期に,最前線で,重大事件の真相の解明に当たれることへの幸せと,その職務に対する誇りを感じながら,私は,日々の職務に当たっている。