西村 恵三子 検事 (法務総合研究所国際協力部教官 平成12年度任官)
検事の国際協力
私は,平成12年10月に検事に任官し,現在,法務省法務総合研究所国際協力部教官として勤務しています。私の主な職務内容は,カンボジアにおける裁判官検察官養成校に対する教育支援及び民事分野の法律整備です。
ほんの三十数年前,カンボジアでは,内戦で多数の自国民が虐殺され,法による支配は否定されました。そして,内戦終結後現在まで,法制度全般が不十分な状態が続いています。一方,今後カンボジアが発展していくためには,国民が安心して社会生活を営むことのできる法制度の確立が必要不可欠です。そこで,日本政府は,カンボジアからの要請により,平成9年に本格的な法制度整備支援を開始しました。これまでに,民法及び民事訴訟法が日本の支援により成立し,現在も民事分野における法律整備支援のほか,深刻な人材不足解消のため,法律家養成支援も行っています。
当部では,カンボジアのほか,ベトナム,ラオス,中国,インドネシアなどのアジア各国に対して法制度整備支援を行っています。一口に法制度整備支援といっても,相手国のニーズは様々で,決して押し付けとならないよう,相手国との対話が重視されます。当部の教官は,検察官のほか,裁判官出身者など,それぞれ法律の専門家ですが,担当国の法律を一から勉強し,時には文化や習慣の違いに悩みながらも,何が相手国にとってベストなのかを考えつつ支援をしています。
私が検事を志したのは,何より刑事事件に携わりたかったからでした。一方,検事には,刑事事件への関与を中心とつつも,多種多様な職務があることを知り,これも大変魅力的でした。「なぜ検事が国際協力を?」と疑問に思われるかもしれませんが,検事である前に,私も法曹の一員であり,法律によってよりよい社会が実現できると信じる一人です。そして,外国の法律を学ぶとき,それは,日本の近・現代における歩みを見つめ直す機会でもあります。日々,欧米諸国の制度と日本特有の価値観を融和させ発展させてきた日本の法制度の不思議を感じずにはいられません。また,熱心なカンボジアの人々とのやりとりも楽しく,若い裁判官が,新たな法律を学び適用していくことの大変さを語ってくれるときは,新たな法秩序が浸透しつつあるという事実が垣間見えます。まさに「顔が見える国際協力」を実感できる瞬間です。
カンボジアは,豊かな水源があり,果物,米,野菜なども豊富で,決して「貧しい」という印象はありません。だからこそ,カンボジアが健全に発展し,そこに住む人々が,安全で自らの望む豊かな暮らしをしてほしいと思います。国際協力部の活動が,ほんのわずかなりとも,そこにいる誰かのために力になれることを願っています。
ほんの三十数年前,カンボジアでは,内戦で多数の自国民が虐殺され,法による支配は否定されました。そして,内戦終結後現在まで,法制度全般が不十分な状態が続いています。一方,今後カンボジアが発展していくためには,国民が安心して社会生活を営むことのできる法制度の確立が必要不可欠です。そこで,日本政府は,カンボジアからの要請により,平成9年に本格的な法制度整備支援を開始しました。これまでに,民法及び民事訴訟法が日本の支援により成立し,現在も民事分野における法律整備支援のほか,深刻な人材不足解消のため,法律家養成支援も行っています。
当部では,カンボジアのほか,ベトナム,ラオス,中国,インドネシアなどのアジア各国に対して法制度整備支援を行っています。一口に法制度整備支援といっても,相手国のニーズは様々で,決して押し付けとならないよう,相手国との対話が重視されます。当部の教官は,検察官のほか,裁判官出身者など,それぞれ法律の専門家ですが,担当国の法律を一から勉強し,時には文化や習慣の違いに悩みながらも,何が相手国にとってベストなのかを考えつつ支援をしています。
私が検事を志したのは,何より刑事事件に携わりたかったからでした。一方,検事には,刑事事件への関与を中心とつつも,多種多様な職務があることを知り,これも大変魅力的でした。「なぜ検事が国際協力を?」と疑問に思われるかもしれませんが,検事である前に,私も法曹の一員であり,法律によってよりよい社会が実現できると信じる一人です。そして,外国の法律を学ぶとき,それは,日本の近・現代における歩みを見つめ直す機会でもあります。日々,欧米諸国の制度と日本特有の価値観を融和させ発展させてきた日本の法制度の不思議を感じずにはいられません。また,熱心なカンボジアの人々とのやりとりも楽しく,若い裁判官が,新たな法律を学び適用していくことの大変さを語ってくれるときは,新たな法秩序が浸透しつつあるという事実が垣間見えます。まさに「顔が見える国際協力」を実感できる瞬間です。
カンボジアは,豊かな水源があり,果物,米,野菜なども豊富で,決して「貧しい」という印象はありません。だからこそ,カンボジアが健全に発展し,そこに住む人々が,安全で自らの望む豊かな暮らしをしてほしいと思います。国際協力部の活動が,ほんのわずかなりとも,そこにいる誰かのために力になれることを願っています。