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熊田 彰英 検事 (在大韓民国日本大使館一等書記官 平成10年度任官)

検事出身のアタッシェとして

 「重要被疑者が韓国に逃亡した」・・この一報を受けて法務アタッシェは何をすべきか。外交官として,大使館員として,そして検事として,あらゆる事態を想定して,様々な関係機関・部署へ協力を要請し,担当者と交渉しなければならない。犯罪人引渡以外に身柄確保の方策はあるのか,第三国への逃亡を阻止する手段はあるのか,いかなるルートを使って人を動かすべきか等々,突きつけられる課題は多い。しかも時間との闘いである。そこで活きるのは,それまでに培った人脈と知識,法律家としての発想,検事としての経験である。これらをフルに活用し,携帯電話片手にソウルの街を奔走する。被疑者の身柄を確保し,日本へ送還するまで・・・無論,これは法務アタッシェの仕事の一部に過ぎない。大使館によって担当業務に若干の違いがあるところ,在韓大では,司法分野のほか,条約,人権,国際裁判所等に関する業務を担当している。法的問題の処理や訪韓する貴賓の随行等を委ねられることもある。言わずもがな,韓国は,地理的に近いと雖も外国である。歴史,文化,社会,国民性すべてが異なる。したがって,仕事上のみならず,私生活においても,当然,苦労は伴う。決して華やかな世界ではない。しかし,これだけ多くの人との出会いがあり,多様な経験ができる場が他にあるだろうか。私が知る限り,検事出身のアタッシェだけである。自分の意思次第で世界が拡がり,見識を深め,様々な刺激を受けることができる。
 「ダイナミック・コリア」と言われるように,韓国社会の動きは激しい。情勢が目まぐるしく変わり,驚くような出来事,日本では想像すらできないような事態が日々生起する。司法界,法務検察とて例外ではない。その激動ぶりを目で見て肌で感じられるのはアタッシェ以外にない。そして,我が国の政情や司法を外から眺め,日本のあるべき姿,日本の刑事司法が進むべき方向等を考える絶好の機会にもなる。
 幸いと言うべきか,在韓大における法務アタッシェの歴史はまだ始まったばかりである。法務アタッシェとしての地位を築き,様々な経験を積み重ね,真の意味で法務アタッシェとしての役割を全うし,この地(韓国)で思う存分躍動できるようになるには,まだ数年ないし数代かかるであろう。
 是非,検事の道を志し,検事としての研鑽を積む中で,将来の法務アタッシェを目指してもらいたい。
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