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官房国際課


法務省大臣官房国際課付
経歴
 平成14年に任官後,東京,横浜,前橋,水戸,名古屋の各地方検察庁で勤務。
 その他,法務省大臣官房,外務省で勤務。
 また,アメリカで在外研究を経験。約2年間の育休を取得。

官房国際課の仕事

 官房国際課は,平成30年4月,国内外の国際化の進展に伴い,法務省が直面する国際的課題や法務行政の国際化を求める社会のニーズに的確に対応し,司法分野における国内外の施策を総合的・戦略的に推進し,積極的に世界に向けて発信するという役割を果たすべく,法務省の国際関係施策に関する司令塔機能を担うものとして創設されました。
 法務省内の各部局の対外的な窓口となることが多く,省内の各部局,外務省を始めとする各省庁,様々な国際機関との調整・交渉が生じることから,人脈・知見・視野ともに大きく広がり,より大きな視点から,法務行政を俯瞰して見ることができる部署だと思います。

具体的な仕事内容

 私は,国際課付として,主に国際会議の開催に関する業務,具体的には,約50年ぶりに日本(京都)で開催される犯罪防止刑事司法分野で国連最大の会議「国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)」の準備を担当しています。
 コングレスをホストする日本は,事務局である国連薬物・犯罪事務所(UNODC)と協働して各国の司法大臣や検事総長を含む世界中の刑事司法関係者をお迎えし(前回コングレスでは約149か国から4000人が参加),6日間の会議を運営します。
 50年ぶり,かつコロナ禍により,史上初対面式とオンライン式のハイブリッド方式での開催ということで,分からないことだらけで容易な仕事ではありませんが,前例などに縛られずに自由かつクリエイティブな発想で仕事ができるという点では,非常に楽しく,やりがいを感じています。
 外国に全く興味がなく,検事任官2年目の留学がほぼ初海外だった私にとって,留学や外務本省における勤務は,外国と日本の司法制度を始めとする社会の仕組みの違い,その前提となる価値観や考え方の違いなど,新しい発見の連続でした。
 自分にとって馴染みのない環境での仕事は苦労も多かったですが,必死に業務をこなすうちに,とにかく相手の話を聞いて問題意識を共有し,どう解決するかということを一緒に考えれば,必ず妥協点を見いだすことができると思うようになりました。そこに向けて段取りを組んで理論武装し,エビデンスを積み上げて相手を説得するというやり方が有効である点は,検事の仕事にも通じるものがあると思います。

育児との両立

 また,私には小学生の子どもがおり,育児と仕事の両立は大きな課題です。
 この点,国際分野の仕事は,海外出張や時差対応など多少大変な部分もありますが,国会対応も本省の中では比較的少なく,多くの仕事が電話やメールなどでこなせることから,自分のペースで予定が組めるなど,子育てとの両立に資するところが非常に多いと思います。
 もちろん,周囲に迷惑をかけ申し訳ないと思うことも多々ありますが,感謝の心を忘れずに,やるべきことを全力でやるということを心がけています。それぞれの事情はあると思いますが,長い目でみれば,育児により仕事へのパワーが削がれるのは一時的なことですので,深刻に考えずに,子どもに手があまり掛からなくなったら,組織に恩返し(倍返し)します!と心の中で思いながら,今できることを全力でやって,今後に備えて力を蓄えれば良いと思います。そして,検察という組織は,それを許容し,きちんと評価してくれる懐の深い組織だと感じています。

さいごに

 検事は,国際の場においても幅広く活躍することができます。ぜひ皆さんに,検事の仕事,特に官房国際課の仕事に興味を持っていただけたらと思います。