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A庁検事

経歴
 平成28年に任官後,東京,大阪,新潟の各地方検察庁で勤務。

A庁検事の仕事

A庁検事とは

 検察庁では,任官後5年間が指導・育成期間とされており,任官1年目の検事を「新任検事」,2~3年目を「新任明け検事」,4~5年目を「A庁検事」と呼んでいます。
 新任,新任明けと3年間,大規模,中小規模の検察庁で経験を積んだ後,東京,大阪,名古屋等のA庁と呼ばれる大規模庁で2年間,「A庁検事」として勤務します。
 A庁検事は,指導・育成期間の仕上げの段階ですから,新任検事,新任明け検事に比べ,数多くの事件を担当します。殺人事件や強盗致傷事件などの重大事件の捜査や公判を主任として担当することもあります。主任だけでなく,先輩検事が担当する複雑困難な財政経済事件などの「応援」に入ることもあります。

A庁検事から見た検事の仕事

 皆さんは,「検事」について,どんなイメージを持っていますか。
 いかつい体育会系の人や,いかにも重鎮という感じの迫力満点のおじさんが,犯罪者を責め立てるようなイメージを持っているかもしれません。
 私自身,ある事件関係者から「驚きました。こんなに若い女の人が検事やってるんですね。」と言われたことがありますが,検事は,「いかつい体育会系の人」や「いかにも重鎮,迫力満点のおじさん」だけではありません。
 見た目が優しそうな人,若い人,面白い人,派手な人,明るい人,物静かな人…検事には,いろんなタイプの人がいます。
 そして,検事の仕事は,犯罪者を追及することだけではありません。
 検事の仕事は,人の話を聞き,真実を明らかにするという仕事です。
 私が検事を目指すきっかけの1つに,ある検事の言葉があります。
 「被疑者の琴線に触れてこそ,被疑者は真実を語る。」
 被疑者を単に責め立てるだけでは,真実は明らかになりません。
 検事は,犯罪行為という後ろめたい,できれば隠したいことがあるかもしれない初対面の人から真実を聞き出す仕事なのですから,「この人になら本当のことを話してもいい。」と思ってもらえるような安心感,魅力といったものが必要です。
 だからこそ,検事という仕事をするに当たっては,これまでの人生経験と知恵とを総動員して被疑者と正面から向き合うことが重要になります。
 そして,真実を聞き出すことで,被疑者の更生にもつなげることができます。
 私は,被疑者と正面から向き合い,丹念に話を聞いたことで,「私は,これまでに何度も犯罪を繰り返してきましたが,検事さんの一言で,今回,心から反省することができました。」という手紙をもらったことがあります。
 そのときには,大きなやりがいを得られました。
 このように検事という仕事はやりがいにあふれていますが,他人の人生に関わる仕事ですから,常に難しい決断に迫られるという辛い面もあります。
 しかし,冒頭にもお伝えしたとおり,検事にはバラエティに富む人たちがそろっていますから,上司や先輩に相談し,助言をもらうこともできます。
 私が今,こうして元気に検事4年目を過ごすことができるのも,多くの魅力的な上司,先輩がいるからこそです。
 今,この記事を読んでいるあなたも,自分のキャラクターを生かして,検事になってみませんか。