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トップページ > 政策・施策 > 刑事政策 > 裁判員制度 > 御協力 お願いします 裁判員

御協力 お願いします 裁判員


御協力 お願いします 裁判員

その他裁判員制度に関する疑問にお答えします。

Q 裁判員制度は,十分な議論がなされないまま,導入が決まったのではないですか。

A そのようなことはありません。
 裁判員制度は,「司法制度改革審議会」において,平成11年7月から,約2年間にわたって議論や検討がなされて提案され,その後も,司法制度改革推進本部に設置された学者,有識者,法曹三者等をメンバーとする「裁判員制度・刑事検討会」において,約2年間にわたって議論や検討がなされました。
 この間,有識者,警察庁,日本弁護士連合会,法務省及び最高裁判所からヒアリングが行われ,また,司法制度改革推進本部のホームページ,新聞,政府広報誌等を通じ,広く国民の皆さんから意見を募集するなどし,それらを踏まえつつ更に議論や検討が加えられ,その上で,法律案が立案されて国会に提出されました。
 そして,国会においても慎重な審議が尽くされた上で,平成16年5月,重要な意義のある制度として,ほぼ全会一致で裁判員制度が導入されることになりました。
 このように,裁判員制度は,慎重な議論や検討が十分になされた上で,導入されることとなったものです。

Q 裁判員の加わった裁判所による裁判は,憲法に違反するのではないですか。

A 憲法は,司法に関連する規定として,裁判官の職権の独立,裁判官の身分保障,裁判所において裁判を受ける権利,公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利などの規定を置いています。
 憲法は,これらの規定により,他の権力からの指示・命令を受けることなく独立して職権を行使する公平な裁判所が法に基づいて裁判を行うことを要請していると考えられます。
 この点,裁判員制度は,
○ 裁判員の資格に関する要件や職権行使の独立に関する規定が設けられていること。
○ 裁判官と裁判員が十分に評議を行うことで双方の有する知識・経験が合議体全体に共有されるとともに,その過程で,おのずと適正な判断に到達することが期待できること。
○ 法令の解釈については裁判官のみが判断の権限を有するとされていることに加え,裁判官と裁判員が対等な権限を有する事項についての判断は,その双方の意見を含む合議体の過半数の意見によることとされていること。
などの様々な規定により,憲法の要請を満たす制度となっており,憲法に反する制度ではないと考えます。
 平成23年11月に最高裁判所は,裁判員法が憲法違反であるとの上告申立に対し,裁判員制度の仕組みは,公平な裁判所における法と証拠に基づく裁判が行われることを制度的に保障しており,裁判官を刑事裁判の基本的な担い手としているもので,憲法が定める刑事裁判の諸原則を確保する上で支障はないこと等を理由として,裁判員制度は合憲である旨判断しています。
 なお,憲法には,陪審制などの国民の司法参加に関する規定はありませんが,憲法の制定時の帝国議会における審議において,司法大臣が「草案に於てはどうなるかと云ふことになりますと,草案に於ては決して陪審制度を否定して居る譯ではありませぬ,陪審制度を行はれることははつきりして居る,是は將來の問題として我々は十分考究したいと思つて居ります。」(第90回帝国議会における木村大臣答弁)と答弁しており,また,裁判所法第3条第3項では「この法律の規定は,刑事について,別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない。」と規定されています(裁判所法は,最高裁判所及び下級裁判所を規定する法律であり,憲法に付属する法律として,憲法と時を同じくして起草作業等が進められ,同日に施行された法律です。)。

Q 国民に裁判員となる義務を課すのは,憲法第18条が禁じる「その意に反する苦役」に当たり,憲法に違反するのではないですか。

A 裁判員となることが法律上の義務とされているのは,広く国民の皆さんの参加を求めることが制度の趣旨である上,現実に多数の皆さんの参加を得る必要があることや,その負担の公平を図らなければならないという要請に基づくものです。
 そして,裁判員制度では,次のような措置が講じられており,裁判員となることの義務付けは,制度実施のための必要最小限のものとなっています。
○ 一定のやむを得ない事情がある場合には,裁判員となることを辞退することができる制度があり,適切に義務の免除が認められるようになっています。
○ 裁判員の負担を軽減するための様々な手当てがなされています(迅速で分かりやすい裁判を実現するための方策の導入や旅費・日当等の支給など。)。
○ 裁判員となることの義務を果たしていただくことを担保するための方法としては,刑事上の罰則や直接的な強制の措置ではなく,過料という行政罰に留めています。
裁判員制度に重要な意義があることを踏まえて,こうした点を考慮すれば,裁判員となることを義務付けることは,「その意に反する苦役」を強制するものではないと考えます。
 平成23年11月に最高裁判所は,裁判員制度が苦役に当たるとの上申申立に対し,裁判員制度は司法の国民的基盤の強化を図るもので,柔軟な辞退制度や旅費・日当の支給制度も設けていること等から,「苦役」には当たらず,裁判員や裁判員候補者の基本的人権を侵害するものではない旨判断しています。

Q 裁判員になることを義務付けるのは,憲法第19条が保障する思想・良心の自由を侵害するものであり,憲法に違反するのではないですか。

A 裁判員としての職務を行うことは,裁判員として選任された者に一定の思想を強制するものではなく,公判に現れた証拠を客観的に検討して事実を認定することなど,内心とは直接関わらない外部的行為を行うにとどまります。
 ですから,裁判員の職務を行う義務を課したとしても,直ちに思想・良心の自由に抵触するものとはいえません。
 そして,仮に,例えば,宗教上の教義の核心部分として「絶対に人が人を裁いてはならない,神のみが人を裁くことができる」とされている宗教の信者であり,その方にとっては,裁判員としての職務を行うことがその教義に反する行為をすることとなり,自らの信仰と両立し得ない場合で,裁判員の職務を行うことが精神的な矛盾や葛藤を生じさせることとなるため裁判員としての職務を行うことが困難になる場合には,辞退事由を定める政令第6号の「精神上…の重大な不利益が生ずる」場合に該当するとして,辞退が認められ得ると考えられます。
 したがって,裁判員制度は,思想・良心の自由を侵害するものではないと考えます。

Q 裁判員制度では,法律の専門家でない人が判断に加わって,短期間で裁判を終わらせることになり,適正な裁判が行われなくなるのではないですか。

A そのようなことはありません。
 裁判員制度の下では,裁判員の方の負担を軽減するという観点からも,迅速であると同時に,充実した分かりやすい裁判が行われる必要があります。
 この点に関し,裁判員裁判では,裁判の始まる前に,刑事裁判の充実・迅速化を目的とする公判前整理手続という手続が必ず行われ,この手続によって,事件の争点及び証拠が整理された上で裁判が始まります。
 また,裁判員法では,裁判官,検察官及び弁護人は,審理を迅速で分かりやすいものとすることに努めなければならないとされており,検察庁においても,証拠書類を絞り込んだ上で,分かりやすく効果的な証人尋問を行ったり,図面や分かりやすい言葉を用いるなどして,分かりやすい裁判の実現に努めています。
 したがって,裁判員裁判では,迅速で分かりやすい裁判が,充実した形で行われるものと考えています。
 そして,これらを踏まえて,評議においては,法律の専門家である裁判官と,様々な生活体験を有する裁判員とが,相互のコミュニケーションを通じてお互いの知識や経験を共有しながら充実した議論が行われることにより,適正な裁判が行われるものと考えています。

Q 裁判員が加わると,冷静な判断ができず,感情的な判決になってしまうおそれはありませんか。

A そのようなことはありません。
 被告人の有罪無罪の判断や有罪の場合にどのような刑にするかという判断は,他の裁判員や裁判官と一緒に議論をする中で決めていくことになりますので,そのような議論を通じて,公平さに欠ける意見や法と証拠に基づかない意見等は,是正されていくこととなります。
 裁判官においても,裁判員が法と証拠に基づいて判断いただけるよう,適切な助言や議論の進行に努めることになります。

Q 裁判員が参加しても,裁判官の意見を押しつけられてしまい,国民が参加する意義はないのではないですか。

A 裁判長は,評議を分かりやすいように整理し,裁判員が発言する機会を十分に設けるなど,裁判員がその役割を十分に果たすことができるよう配慮することとされています。
 したがって,裁判員が裁判官に意見を押しつけられてしまい,国民が参加する意義がなくなるようなことはないと考えます。

Q 裁判員制度は,裁判員に大変重い負担をかけるものではないですか。

A 確かに,裁判員に選ばれた方には,裁判所に来ていただき,裁判に参加していただくことになりますから,一定の御負担をお願いすることになります。しかし,裁判員として参加していただく国民の皆さんに過剰な負担を負わせるべきでないことは言うまでもありません。
そのため,例えば,次のような制度が設けられています。
○ 本人の病気や介護・養育の必要など,一定の「やむを得ない事由」がある場合には,辞退を認めることとしています。
○ 迅速で分かりやすい裁判を実現するため,第1回公判前の準備手続(公判前整理手続と言います。)における争点整理を義務付けるとともに,公判を連日的に開廷することとしています。
○ 出頭した裁判員に対して旅費・日当等を支給することとしています。
○ 裁判員の職務のために必要な時間は休暇を取得することができ,また,そのことを理由として,事業主が不利益な取扱いをすることを禁止することとしています。
 さらに,裁判官・検察官・弁護士の法曹三者は,裁判員として参加していただく国民の皆さんの負担を少しでも軽減できるよう,分かりやすく迅速な裁判を実現するため,様々な取組をしているところです。
 例えば,裁判員として裁判所に来ていただく日数については,裁判員裁判の事件の多くが,5日前後で終わっているなど,裁判にかかる期間を短縮するため,様々な努力をしています。
 また,裁判員を辞退できる事情があることが明らかな方については,質問票や調査票を活用し,事前に呼出しを取り消すなどの工夫もしているところです。
 今後とも,裁判員となる皆さんの負担を軽減する方策に取り組んで行きたいと考えています。

Q 裁判員の選任手続では,個人の思想,信条,前科,経歴等のプライバシーに関する事項も詳しく聞かれることになるのですか。

A 裁判員候補者に対する質問は,裁判員を選任するために必要な範囲で行いますから,その限度を超えて,プライバシーに及ぶ質問がなされることはありません。なお,選任手続は非公開で行われます。

Q 裁判員裁判における有罪・無罪の評決について

A 過去に報道されたところによりますと,「裁判員裁判の評決において,裁判官3名と裁判員1名が被告人は有罪であるとの意見であり,裁判員5名が被告人は無罪であるとの意見である場合,裁判員法第67条第1項の規定(「・・・評議における裁判員の関与する判断は,・・・構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見による。」)のため,被告人は無罪であるという判断をすることができない。」という誤解をしている方がいらっしゃるようです。
 しかしながら,上に挙げられた例の場合には,被告人は無罪とされることになります。
 一般に,刑事裁判においては,犯罪の証明があったと認められる場合に有罪とされ,その証明があったとは言えない場合に無罪とされますので,判断の対象となるのは,犯罪の証明があったかどうかということになります。したがって,この場面において,裁判員法第67条第1項の規定により,構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見によらなければならないとされるのは,この犯罪の証明があったという判断についてなのです。
 そして,上の例の場合,裁判官3名と裁判員1名が,犯罪の証明があり,被告人は有罪であるという意見ですが,この意見は,裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の過半数の意見ではないのですから,犯罪の証明があったとは認められないことになります。したがって,被告人は無罪とされることになるのです。
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