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談話・コメント(平成21年1月23日(月))

オウム真理教に対する観察処分の期間更新決定に関する公安審査委員会談話

当委員会は,公安調査庁長官の平成20年12月1日付けの更新請求に基づいて審査を行い,かねて当委員会が公安調査庁長官の観察処分に付する決定をし,平成15年1月及び平成18年1月にその期間を更新する決定を行っていました,「麻原彰晃こと松本智津夫を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め,これを実現することを目的とし,同人が主宰し,同人及び同教義に従う者によって構成される団体」について,本日付けで,団体規制法(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律)第5条第4項の規定により,その観察処分の期間(3年間)を更新する決定をいたしました。

 

今回の更新請求については,主に,前回の期間更新決定後の被処分団体の活動状況などを取り上げて審査を行いましたが,被処分団体にあっては,松本への絶対的帰依を強く指導したり,松本の説くオウム真理教の教義を保持して構成員らに徹底して学ばせるなど,依然として,松本及び松本の説くオウム真理教の教義の強い影響下にある状況が明らかになり,地域社会との融和も進んでいないことなどが認められました。そして,その他諸般の事情を総合しますと,被処分団体には,将来再び無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があり,引き続きその活動状況を継続して明らかにする必要があると認められたことから,観察処分の期間を更に更新することと決定したものであります。

 

これまでの3回にわたる決定の際の当委員会談話で申し上げたところでありますが,当委員会としては,立入検査など観察処分の実施に際しては,今後とも関係人の基本的人権についての慎重な配慮が必要と考えております。

今回の更新請求の審査に当たり,被処分団体のうち「ひかりの輪」の名称を用いる集団に関して,松本及び松本の説くオウム真理教の教義からの脱却を目指すための活動を行っているとの主張と,それに基づいて,被処分団体とは別個の団体である旨の主張がなされました。当委員会としては,脱却が行われたものと認めることはできず,「ひかりの輪」は,依然として,被処分団体の重要な一部を構成しているものと判断いたしましたが,今後,被処分団体において,問題点の発見と解消のためにどのような努力がなされるのか,その取り組みを注視してまいりたいと考えます。

 また,当委員会としては,被処分団体は,今までの閉鎖的・欺まん的な態度を改めて,観察処分を通じて積極的に団体の実態を明らかにするよう真剣に努力するべきであると考えますし,悲惨な被害を受けた方々への補償などについても誠実な対応がなされることを望みます。