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職業指導製品

友禅染め(湖南学院)


友禅ハンカチ
 湖南学院では、石川県の伝統工芸である友禅染を職業指導に取り入れています。友禅染には多くの工程があり、一つの工程で失敗すればきれいな作品を完成させることはできず、常に集中力と根気が必要とされます。作品の桜の図案にある「ぼかし」は、繊細な筆使いが求められ、多くの在院者が失敗を重ねながら上達していきます。そのため、完成した時の喜びは大きく、在院者の表情に笑顔があふれます。

在院者の感想


作業工程(糸目のり置き)
 友禅作業と向き合って気付いた事、それは自分を表現することです。
 僕が友禅作業を楽しいと思えるようになったのは、一枚のハンカチと本気で向き合える自分に気付いたからです。きれいな作品を作りたいと思って真剣に取り組めば、最初は地味でつまらなく感じた作業も、どんな具合に仕上がるのかが楽しみで仕方がなくなってきました。自分の気持ちや思い一つで花びら一枚一枚の表情が変わっていく世界に心を引き付けられました。今度、自分が就く仕事に対しても、友禅のように真摯に向き合っていきたいと思います。

作業工程


作業工程(彩色)
(1)糸目のり置き
  糸目のり(もち米を加工して作成した物)を、青花を用いて描いた下絵上に丁寧に置いていきます。
(2)彩色
  染料を用いて、ハンカチに色を付けていきます。にじまないようにするのがポイントです。
(3)中埋め
  背景の色を塗る際、図柄にその染料が付かないようにするため、「もちのり」と「ひき粉」でコーティングします。
(4)地染め
  ハンカチの背景を塗ります。その際、濃度が均一になるよう、まんべんなく刷毛を動かすことがポイントです。
(5)完成
  本蒸ししたハンカチを水につけ、のりを洗い流したら完成です。

  • 作業工程(中埋め)

  • 作業工程(地染め)

陶芸(瀬戸少年院)


 瀬戸は、古くからの陶芸の街です。瀬戸少年院では、地元の伝統産業を職業指導に取り入れています。その中で動物の置物を作成しているのは、全国の少年院の中でも数少なく、個性豊かな味わいのある作品を作成しています。完成までに1週間から1か月くらいかかります。

在院者の感想


実習場面
 基本実習で行う「菊練り」と呼ばれる、土の中の空気を取り除く作業では練習を重ねました。ひらがなの「の」の字を書くように行うのですが、初めのうちは全く形にすることができず、気持ちが離れていくことが何度もありました。次第に手が土の感触を覚えるようになると、あまり意識しなくても形が整うようになるのは不思議でした。
 置物作成では、先生の手つきを真似し、部品の一つ一つを作成していきます。一番の難しさは、部品の位置が数センチ前に出ても、思っている表現と違ったりします。私の場合、上手くできるまでには2か月くらいかかりました。
 出来上がった作品を親の面会のときに見せる機会がありました。今まで目に見えるものとして作り上げたことは一つもなく、完成した作品を手に取り、褒めてくれました。さらにレベルを上げた見栄えする作品を手がけたいと思います。

指導職員から


狛犬(一対)
 瀬戸少年院では、地元で盛んな陶器作成を職業指導に取り入れています。その中で動物の置物を作成しているのは、全国の少年院の中でも数少なく、個性あふれる作品を作成しています。完成までに1週間から1か月くらいかかります。
在院者たちの作品は躍動に満ちており、作品の完成が近くなるにつれ、動かない置物が独特の表情と毛並みをつけることで今にも飛び掛かってきそうな動きのある生き物に変化していきます。一つ一つの作品に作者の思いが込められ、窯から出てくる瞬間に息を吹く醍醐味は、計り知れない喜びです。

  • 玉獅子

有松・鳴海絞り、陶芸(豊ケ岡学園)

有松・鳴海絞り


さんぽ

在院者の感想

 しぼり染めは、糸で縫って絞っていきますが、その加減が難しく、最初は染まり過ぎたりムラが出たりして、嫌になりそうでした。でも、練習をしていくうちに、少しずつ予想した模様が出せるようになってきました。実習では、人から認めてもらえる物を作るということを特に意識して作業しました。

 基本実習の中で、「軍隊縫い」を練習したとき、これを使って葉っぱのデザインのハンカチを作ろうと考えていました。葉の配置などが少し予想とは違いましたが、糸を抜いて広げたときは達成感がありました。 

指導職員から

 豊ケ岡学園では、職業指導として、地域の伝統工芸である絞り染めを取り入れています。基本の絞り方を練習したあと、自分でデザインや染料の色を考え、糸で縫う、染める、抜糸など作業工程のすべてを一人でこなし、製品を完成させます。月に1回、外部講師に御指導いただき、技術の向上を図っています。  

陶芸


湯のみ

在院者の感想

 湯のみは、普段使う物なので、手の収まりやすさとか軽さが大事だと思って作りました。2種類の釉薬を使って、カッコいい湯のみができたと思っています。自己満足ではなく、使ってくれる人が満足してもらえるかを考えながら、頑張って作りました。

指導職員から

 豊ケ岡学園では、職業指導として、陶芸を取り入れています。抹茶碗や湯のみなど、手びねりで作成しています。月に1回、外部講師に御指導いただいています。

  • 若葉

木工作業(宮川医療少年院)


銘々皿
 宮川医療少年院では、木工作業を職業指導に取り入れています。その中の一つ、「銘々皿」については、完成させるまでに手間を掛けた製品となってます。

在院者の感想

 材質は紅松を使用しており、彫刻刀で彫っていきます。4色(黄、赤、緑、黒)を用いて、1色ごとに乾かした後色塗りを重ね、紙やすりで下地の色を出していき、仕上げは漆で加工しています。

職業生活技能向上指導科 手工芸コース(貴船原少女苑)


レース作品
 手工芸コースでは、コースターやドイリー、テーブルセンターなどのレース作品を製作しています。初めは、全く編めない在院者も、日々努力を重ねることで美しい作品を製作することができるようになります。
 令和4年6月17日には、体育館にて、更生保護女性会及び保護司会の方に対して、手芸作品の販売会を実施しました。販売会では、実際にクラフトコースに在籍している在院者3名も販売を行い、大盛況でした

在院者の感想


販売会での品
 「ありがとう。」という言葉は何回言われても嬉しいですね。販売会を終えてとても嬉しかったです。丁寧に心を込めて作ろうと思いました。日頃から自分たちが頑張って編んでいることに対しても、ものすごくやりがいを感じることができました。

職員の感想


大盛況の販売会
 今回の販売会については、商品のポップなども在院者が作成し、実際に自分が作った作品を自分で販売するという経験をさせることができました。普段はお客さんの顔がなかなか想像しにくいですが、このような機会を設けたことで、作品作りにもよりやる気を持って取り組むことができるようになったようです。

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