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貴船原少女苑

寮別活動

 貴船原少女苑では,特別活動指導の一環として,寮別活動を月に1回程度,実施しています。その中でも,創作活動では自分たちで何を作るのか,アイデアを出し合い,寮全体で一つの作品を作り上げることで,協調性を身に付けたり,達成感を味わったりしています。

作品名 「きふねの“四季”」

 一人一人がフェルトで人形や小物を作り,それを組み合わせて,苑生活の四季を表現しました。

「一針一針,心を込めて縫っていきます。」

  • 「貴船原少女苑の“秋”」
【在院者の感想)
 「縫い物をあまりやったことがなかったけど,みんなで一つずつ作って,一つの作品にするのが楽しそうだなと思いました。縫うのが下手だけど,楽しくできたから良かったです。

 「なかなか針が通らなかったり,糸がからまったり,私自身あまり裁縫が得意ではないから,いやだと思うときもあったけど,出来上がった作品を見て,やってよかったなと思いました。

【指導職員より】
 今回,フェルトで作った人形たちで苑生活の四季を表現するという創作活動を行いました。縫い物が得意な子もいれば苦手な子もおり,それぞれの作品にはその個性が見え隠れしています。“四季”とあるとおり,季節ごとに展示される作品が変わってくるので,その変化にも気付いてもらえたらと思います。

作品名 「モザイクアート ~モン・サン・ミッシェル~」

 7色のペンを使って,A4の紙に書かれた小さなマス目を決められた色に塗っていきます。それを53枚つなぎ合わせ,1枚の大きな作品に仕上げました。

「どんな作品に仕上がるのか,ドキドキ,ワクワク!」

  • 「優雅なモン・サン・ミッシェルの姿が浮かび上がりました。」
【在院者の感想】
 「7色のペンで,本当に作れるのかなと最初は正直,疑心暗鬼でした。作業がすごく細かくて集中力と根気が要りましたが,没頭すればするほどだんだんと楽しく作れるようになっていました。
モザイクアートをするのが初めてだったので,全く想像がつかず,完成が早く見たくてすごく楽しみにしていたので,完成した時はすごく嬉しかったです。」

 「塗り始めてから,どんな風に仕上がるのだろうという楽しみと,本当にモン・サン・ミッシェルに見えるのだろうかと半信半疑な気持ちが常にありました。53枚もの色塗りがすべて終わり,組み合わせていく段階になっても不安でしたが,完成した作品を見た時,とても綺麗で感動しました。何か月もかけてコツコツとみんなで頑張ってきたものが1つの作品となり,みんなが一生懸命取り組んできたということが伝わってきたことにも感動しました。」

【指導職員より】
 みんなでひとつの作品を作りたいという想いからモザイクアートを,そして,少年院生活のささやかな心の癒しとなればと考えて,美しいモン・サン・ミッシェルの風景画をモチーフにすることを選びました。小さなマス目に赤,青,水,紫,緑,黒のペンで色を塗っていったのですが,A4用紙53枚分,1枚完成させるのに4時間はかかる,という思いのほか大変な作業でした。在院者たちは疲れたり飽きたりしたことでしょうが,文句を言わず,早く完成したものが見たい,との一心で塗り続けました。最終段階に入っても,モン・サン・ミッシェルにちゃんと見えるのかな?何がなんだかわからなかったらどうしよう…と不安でいっぱいでしたが,不安・大変だった分,完成したときの喜びはひとしおでした。
 近くから見たらただの色の集まりでも,それぞれがひとつの像を形成する要素なのだということも,このモザイクアート製作で学べたのではないかと思います。私たちにとって特別な「モン・サン・ミッシェル」になりました。

施設の紹介


「ハルとカノン(生命尊重教育)」
 当苑は,学園都市・東広島という自然に恵まれた静かな環境の中にある女子少年院です。
広島管内の家庭裁判所において,第1種及び第2種少年院送致決定を受けた女子の在院者,また大阪・高松・福岡管内において少年院送致が決定した女子の在院者の一部を収容しています。
 在院者たちは,静かな環境の中,落ち着いてじっくりと自分の問題点と向き合いながら,様々な指導に取り組んでいます。また,外部協力者の方々をはじめ,たくさんの人たちとの交流を通して,少しずつ自分に自信をつけながら,改善更生に向け,日々励んでいます。