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少年矯正を考える有識者会議(第11回)議事概要

1 日時:平成22年9月9日(木)午後1時30分から午後5時まで

 

2 場所:法務省20階第1会議室

 

3 出席者

(座  長)岩井宜子(専修大学法科大学院教授)

(座長代理)広田照幸(日本大学文理学部教授)

(委  員)石附 敦(京都光華女子大学大学院人間関係学研究科長・教授)

      市川宏伸(東京都立小児総合医療センター顧問)

影山秀人(弁護士)

川﨑道子(元中央更生保護審査会委員)

津富 宏(静岡県立大学国際関係学部准教授)

徳地昭男(元武蔵野学院長)

廣瀬健二(立教大学大学院法務研究科教授)

本田恵子(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)

毛利甚八(作家)

                      (敬称略,委員は五十音順)

法務省)澤田健一官房審議官(矯正局担当),横尾邦彦官房参事官(矯正担当)ほか

 

4 議題 

(1)配布資料説明

(2)少年院における処遇体制の在り方について(意見交換)

(3)処遇環境・執務環境の在り方について(意見交換)

(4)被害者の視点から見た今後の少年矯正についてのヒアリング

 

5 会議経過

(1)事務局から,配布資料について説明を行った。

(2)少年院における処遇体制の在り方,少年院・少年鑑別所の処遇環境・執務環境の在り方について,議論された。

主な意見は,以下のとおりであった(順不同)。

ア 少年院の処遇体制について

      医療少年院と一般少年院のボーダーに位置する少年の受け皿となる処遇コースを設けるべき。

      施設ごとの特色化を進めるとともに,少年の教育上の必要性の変化に応じて,柔軟に処遇施設を変更できるような仕組みが必要。

      出院準備教育過程では,保護関係調整上の配慮からなるべく保護者の近くで処 遇すべき。その観点から,少年鑑別所を活用するアイデアもあるのではないか。

      少年院の教育は訓練型からケア型にシフトすべき。その観点から,処遇課程は (現行は主に少年の資質で分類しているが),出院後に直面する保護上の問題に応じてコース分けしてはどうか。

      法務教官は,発達障害や被虐待経験を持つ少年のケアについて,しっかり学ぶべき。

イ 処遇環境(少年の生活環境)の在り方について

      老朽施設はなるべく早く建て替えるべき。また,今後のモデルとなる施設も必要。

      建て替えの際は個室中心の寮を多く作り,プライバシーに配慮すべき。

      集団生活による教育効果もあるので,一人になれる空間と集団で活動できる空間をバランスよく作るべき。

      小集団のグループワークや個別の活動を臨機に行える空間や教室を増やすべき。

ウ 執務環境の在り方について

      老朽施設の改築は,職員の執務環境の向上につながる。

      年次休暇もごくわずかしか取れないといった勤務条件と聞くので,職員の増員が必要である。

      施設の集約化,業務の合理化を進めることで,職員をねん出する努力も必要。

      施設の再配置を考える場合,面会に来るのが困難な保護者には,例えば保護者に旅費を手当てするなどを考慮してはどうか。

      上司は,部下職員に対し,休むべきときは休ませる意識,オンとオフの切り替えさせる意識をしっかり持つべき。

      職員の資格取得を奨励する態勢を充実させるなどして,もっとプロ意識を持たせるべき。

      マスメディア等を通じ,法務教官の仕事を積極的にアピールすべき。

      職員の士気を高めるため,制服をもう少し明るいものに改善してはどうか。

      視察カメラ,保護室及び少年鑑別所の面会室等を更に整備すべき。

      出院者が少年院職員に相談したいときは相談できる体制を構築すべき。

      少年院の集団寮における休日・夜間勤務職員をダブル配置すべき。

(3)「生命のメッセージ展」代表理事鈴木共子氏ほか1名の方から,「被害者の視点から見た今後の少年矯正」をテーマにヒアリングを実施し,質疑応答が行われた。

6 その他

(1)9月16日(木)に広島少年院を視察する予定。

(2)第12回会議は,10月6日(木)に「少年院・少年鑑別所の機能を生かした関係機関等との連携の在り方」について議論する予定。