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2022年の国際テロ情勢

1 概況

2022年は、アフガニスタンが国際テロの起点となることへの懸念が続く年となった。同国においては、「タリバン」(注1)が2021年8月に実権を掌握して以降も、様々な国際テロ組織が活動を続けていると指摘された(注2)。中でも、同国を拠点とする「アルカイダ」(注3)については、協調する「タリバン」が、「アルカイダ」に自由に活動できる環境をもたらしているとされる(注4)。このほか、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)(注5)関連組織「ホラサン州」(注6)が、同国を拠点に活動しており、国際テロ実行のための能力を向上させる可能性が指摘された(注7)。このように、同国は、国際テロ組織が活発に活動し得る状況にあり、依然として、同国から派生して国際テロが起きる危険性が存在している。

世界各地のテロ情勢を見ると、ISIL、同関連組織、「アルカイダ」関連組織等によるテロが続発した。中でも、アフリカのサヘル諸国(注8)、ソマリア等では、ISIL及び「アルカイダ」の両関連組織がテロを頻発させ、治安の更なる悪化が懸念された。イラク及びシリアでは、ISILが治安部隊や市民を狙ったテロを継続的に実行した。アフガニスタンやパキスタンでは、「ホラサン州」が耳目を引くテロを実行した。東南アジア地域では、ISIL関連組織が、取締りを受けながらも、従来から拠点とするフィリピン南部を中心に活動を続けた。このほか、欧州では、6月、ノルウェー首都オスロでイスラム過激主義者とされる男によるテロが発生した。このように、世界各地で国際テロの脅威が続いている。

2022年の主なテロ発生状況 (注9) (注10)

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