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モロ・イスラム解放戦線(MILF)
Moro Islamic Liberation Front

主な活動地域

フィリピン(南部・ミンダナオ島中部の各州,南西部・スールー州,バシラン州など)

組織の概要

「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)は,フィリピン南部を拠点に,モロ族の自治確立とイスラム国家の建設を目的として設立された武装組織である。現在の指導者は,ムラド・イブラヒム議長である。2014年にフィリピン政府と包括和平合意に調印した。

1976年,「モロ民族解放戦線」(MNLF)が政府との停戦に合意した後,これに反対するサラマト・ハシム副議長派が離反し,1981年にミンダナオ島中部のマギンダナオ州に本拠地・軍事キャンプ「アブバカル」を設立,1984年には,組織名をMILFとし,武装闘争の継続を宣言した。フィリピン当局によると,勢力は約1万2,000人とされる。

なお,MILF指導部は,1986年以来,MILFメンバーがアフガニスタンやパキスタンで軍事訓練を受けたこと及びオサマ・ビン・ラディンからモスク建設や学校建設のための資金援助を受けたことを認めているが,武器調達やテロ計画・実行における「アルカイダ」との協力は否定している。

設立者ハシムは,宣教,教育,ジハードを通じたイスラム国家の建設を主張していた。ハシムが2003年に死亡した後,最高指導者となったムラド・イブラヒムは,政府との和平路線を採り,「(政府からの)完全な独立は要求しない」と公言し,イスラム教徒を中心とするフィリピン南部の先住民族(モロ民族)全体の利益のためとして,経済状況の改善,資源採掘・治安維持権限の移譲などを要求してきた。一方,組織内ではムラドの交渉方針を「イスラム国家建設という目的の放棄」として批判する声もあり,政府との和平交渉が一旦決裂した2008年8月には,MILF強硬派がフィリピン国軍と交戦状態となり,住民を含む約400人が死亡した。 

フィリピン政府との和平については,ラモス政権が1997年1月,予備交渉を開始した。2001年1月に発足したアロヨ政権下では,和平の全体的枠組みを定めた協定(同年6月)及び停戦協定(同年7月)がそれぞれ締結された。2010年に就任したアキノ大統領は,2011年8月,MILF側最高指導者との非公式会合を日本で行った後,MILFとの協議を進展させ,2012年10月に和平枠組み合意に達し,2014年3月,包括和平合意に調印した。

2015年1月には,マギンダナオ州のMILF支配領域で治安部隊が「ジェマー・イスラミア」(JI)のマレーシア人古参幹部ズルキフリ・ビン・ヒルの捜索を行った際,「バンサモロ・イスラム自由戦士」(BIFF)及び同組織に加勢するMILFとの間で戦闘が発生し,警察官44人,MILF構成員18人及びズルキフリ容疑者が死亡する事案が発生した(注)

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