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オウム真理教

(1) 結成時期

1984年(昭和59年)2月

(2) 組織・機構

ア 最高指導者,幹部等

(ア) 麻原彰晃こと松本智津夫(以下「麻原」)

オウム真理教(以下「教団」)の教祖・創始者。1955年(昭和30年)3月2日,熊本県八代郡(やつしろぐん)金剛(こんごう)村(そん)(現八代市)で出生,熊本県立盲学校を卒業後,鍼灸師として生計を立てたり,千葉県船橋市内で医薬品の販売業を営んでいたところ,仙道,仏教,ヨーガなどに傾倒し,1984年(昭和59年)2月,「オウム神仙の会」を設立した。1987年(昭和62年)7月頃,名称を「オウム真理教」に改め,「最終解脱」を果たしたと吹聴して,信徒に「尊師」,「グル」と呼称させ,上命下服の位階制度を確立した。その後,1990年(平成2年)2月施行の衆議院議員総選挙に落選したことなどを契機に教団の武装化を進め,松本サリン事件,地下鉄サリン事件などを引き起こし,1995年(平成7年)5月に殺人及び殺人未遂容疑で逮捕,その後13事件で起訴され,2006年(平成18年)9月に死刑判決が確定した。現在,東京拘置所に収容されており,2013年(平成25年)5月には,二女が3回目の再審請求を申し立てたものの,2014年(平成26年)6月,東京地方裁判所は同請求を棄却した。同月,麻原の弁護人が東京高等裁判所に即時抗告したが,2015年(平成27年)3月に棄却され,同年5月には最高裁判所への特別抗告も棄却された。なお,同年4月に,二女は4回目の再審請求を行っている。

(イ) 上祐史浩(以下「上祐」)

教団の主幹者。1962年(昭和37年),福岡県三潴郡城島町(みずまぐんじょうじままち)(現久留米市)で出生,大学院在学中の1986年(昭和61年)8月,「オウム神仙の会」に入会し,1987年(昭和62年)5月に出家した。1992年(平成4年)12月,「尊師」に次ぐ位階の「正大師」に認定(男性の弟子の中では1番目)され,1993年(平成5年)9月,「ロシア支部長」に就任した。地下鉄サリン事件後に帰国し,教団の「緊急対策本部長」に就任したものの,1995年(平成7年)10月,国土利用計画法違反事件に係る有印私文書偽造などの容疑で逮捕され,懲役3年の実刑判決を受けた。1999年(平成11年)12月に出所した後,教団に復帰し,観察処分を免れるため,「宗教団体・アレフ」(2003年〈平成15年〉2月に「宗教団体アーレフ」に,2008年〈平成20年〉5月に「Aleph」に改称)の設立を表明した。その後,2007年(平成19年)5月,麻原の意思を実現するためには,“別団体”を作って観察処分を免れる必要があると考え,一部の信徒を引き連れて「ひかりの輪」の設立を表明した。

(ウ) 二ノ宮耕一

教団の幹部構成員。1986年(昭和61年)5月に「オウム神仙の会」に入会,同年10月に出家。1994年(平成6年)6月,教団が導入した組織機構(「省庁制」,後述)の中で,東日本の信徒の管理等を行う「東信徒庁」に所属し,1995年(平成7年)4月,「正大師」に次ぐ位階の「正悟師」に認定された。

現在,同人は教団運営に関与する唯一の正悟師として,全国各地の教団施設を不定期に訪れて説法会を開催したり,新規信徒の獲得に向けた勧誘活動への取組強化を指導するなどしている。

イ 組織形態,意思決定機構

現在,教団の中心的内部組織として,「Aleph」の名称を用いて活動する集団及び「ひかりの輪」の名称を用いて活動する集団が存在し(後記(6)参照),いずれの集団も,「オウム真理教の教義を広め,これを実現する」との共同目的を有しており,麻原の意思に従い,また,麻原の意思を推し量りながら,組織運営に係る決定を行って活動している。

(3) 勢力

ア 信徒

(ア) 国内

出家信徒約300人

在家信徒約1,350人

(イ) 国外

ロシア人信徒ら約160人

イ 拠点施設

(ア) 国内

15都道府県下32か所

(イ) 国外

ロシア連邦内に数か所

信徒数の推移のグラフ

〈信徒数の推移〉

(4) 活動地域

日本,ロシア連邦等

(5) 活動目的・攻撃対象

ア 活動目的

教祖である麻原及び麻原の説く教義への絶対的帰依を培い,現行憲法に基づく民主主義体制を廃し,麻原を独裁的主権者とする祭政一致の専制政治体制を我が国に樹立すること。

イ 攻撃対象

上記の活動目的の実現にとって障害となるあらゆる勢力。

教団の資産額及び賠償支払額の推移のグラフ

〈教団の資産額及び賠償支払額の推移〉

(6) 沿革

ア  教団は,1987年(昭和62年)頃から本格的な布教・宣伝活動を開始し,独自の出家制度を確立した上,在家信徒が出家する際には,不動産や預貯金などの全財産を寄進させたほか,1992年(平成4年)1月,コンピュータ販売,飲食業などを営業目的とする会社を設立し,活発な営業活動を展開した。

こうして獲得した潤沢な資金を基に教団は,山梨,静岡の両県に「サティアン」と称する大規模施設群のほか,活動拠点を全国各地に建設した。また,米国・ニューヨーク,ロシア・モスクワ,ドイツ・ボンなど海外にも進出して勢力拡大を図るとともに,教団内部に我が国の行政機構を模倣した省庁制度を導入して組織体制の整備を図った。

その間の1990年(平成2年)2月施行の衆議院議員総選挙では,政治団体「真理党」を設立して麻原以下幹部信徒25人が立候補したものの全員落選した。また,同年10月には,熊本県阿蘇郡波野村(なみのそん)の大規模施設建設をめぐり,国土利用計画法違反などで複数の幹部信徒らが逮捕・起訴された。

これらを「警察権力,行政,議会,住民等が一体となった弾圧」と捉えた麻原は,目的のためには殺人をも肯定する独自の教えを説き,サリンなどの化学兵器や自動小銃の研究・開発及び製造などの武装化を進め,麻原を独裁者とする祭政一致の専制国家体制を樹立するという政治上の主義を推進する上で障害となるあらゆる勢力を排除・抹殺するとの方針を採るに至った。

教団は,かねてから松本支部・道場(当時)存続の障害と捉えていた長野地方裁判所松本支部の裁判官を付近住民と共に殺害する目的で,1994年(平成6年)6月27日,松本市内の同裁判官宿舎付近でサリンを噴霧し,8人を死亡,143人を負傷させた。さらに,1995年(平成7年)3月20日,首都中心部を混乱に陥れ,教団に対する強制捜査の矛先をそらす目的で,東京・霞ケ関駅を通過する地下鉄3路線の車両内において実行犯5人が所持していた袋からサリンを同時に発散・気化させ,12人(麻原に対する判決による)を死亡,3,000人以上を負傷させた。

その後,警察当局は,全国の教団施設に対する一斉捜索を実施し,麻原を始め教団幹部の多くが逮捕・起訴された。また,教団に対する宗教法人の解散命令や破産宣告が下され,「サティアン」などの施設は破産管財人の管理下に置かれた。

公安調査庁長官は,1996年(平成8年)7月11日,破壊活動防止法に基づき教団の解散指定処分請求を公安審査委員会に行ったが,同委員会は,1997年(平成9年)1月31日,「団体の危険性が消失したとはいえないが,今後ある程度近接した時期に,暴力主義的破壊活動に及ぶ明らかなおそれがあるとまでは認められない」としてこれを棄却した。

イ  教団は,同決定を契機に拠点施設の再建・拡充や信徒獲得に向けた活動を活発化させ,パソコン販売や出版などの事業で得た潤沢な資金を背景に拠点施設を次々に確保した。これにより,地域住民との対立が激化し,関係自治体などから教団に対する新たな規制措置を求める声が相次いだことなどから,1999年(平成11年)12月3日,「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」が成立(同月27日施行)し,公安調査庁長官は,同月27日,公安審査委員会に対して教団を3年間の観察処分に付する旨の請求を行った。

これに対し,教団は,1999年(平成11年)12月29日に広島刑務所を出所した上祐史浩を中心とする運営体制を確立し,観察処分を免れるため,外形上,麻原の影響力を払拭したかのように装う,いわゆる“麻原隠し”を計画し,その手始めとして,2000年(平成12年)1月18日,一連の事件における複数の教団幹部の関与を認める見解を表明するとともに,事件補償等連絡会の設置,教団名の「宗教団体・アレフ」への改称などを公表したが,2000年(平成12年)1月28日,公安審査委員会は,教団が将来再び無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があり,その活動を継続して明らかにする必要があるとして,3年間の観察処分を決定した。

ウ  教団は,同決定以降,外形上,麻原の影響力を払拭したかのように装いながらも,麻原を絶対的帰依の対象とし,殺人をも肯定する危険な教義を維持しつつ,同人の説法や過去の言動に基づき,その意思を推し量りながら修行や勧誘活動に取り組んだ。この間,2000年(平成12年)7月には,ロシア人信徒のグループが麻原奪還を目的に日本国内での連続爆破テロを計画し,自動小銃や手製爆弾などを用意していたところをロシア連邦保安庁(FSB)に逮捕される事件(シガチョフ事件)が発生した。

こうした事実から,2003年(平成15年)1月23日,公安審査委員会は,公安調査庁長官の請求に基づき,松本・地下鉄両サリン事件の首謀者である麻原が現在も教団に対し絶対的ともいえる影響力を有し,かつ,教団が無差別大量殺人行為につながる危険な教義や政治目的を放棄したと認めることはできないとして,観察処分の期間の更新(1回目)を決定した。

エ  教団は,同決定以降,上祐主導の下,更なる“麻原隠し”として,麻原のビデオや麻原の脳波を注入するとされるヘッドギアの使用禁止などを打ち出した。これら一連の“麻原隠し”の動きは,麻原を強く信奉する古参信徒らの反発を受け,収入の減少や信徒の脱退を招いたことなどから,上祐は,“麻原隠し”の撤回を余儀なくされ,2003年(平成15年)10月中旬,“長期修行入り”を名目に一旦は指導部から退いたものの,2004年(平成16年)11月頃から,自らの考えに賛同する者と共に一派(以下「上祐派」)を形成し,再度,“麻原隠し”を重視した活動を始めた。これに対し,麻原を前面に出して活動することが麻原に対する真の帰依であるとする多数派(以下「主流派」)が反発し,上祐も,麻原がかねて教団の維持・発展のために,オウムの実態や麻原の影響力を隠した「別団体」を組織し,教団本体との間で役割分担をしながら活動することを求めていた旨主張するなど,次第に麻原の取扱いをめぐる路線対立が尖鋭化していった。

こうした事実から,2006年(平成18年)1月23日,公安審査委員会は,教団が麻原及び麻原の説く教義に対する傾倒を深めており,絶対者である麻原の存在が団体の存立の基盤をなしていると認定して,観察処分の期間の更新(2回目)を決定した。

オ  同決定以降,上祐は,次回の期間更新を免れるため,前記主張に沿った“別団体”を組織することとし,2007年(平成19年)3月に「宗教団体アーレフ」から脱退し,同年5月に「ひかりの輪」の設立を表明した。

その後,主流派は,2008年(平成20年)5月20日,その中心的集団である「宗教団体アーレフ」の名称を「Aleph(アレフ)」に変更するとともに,その綱領・規約などを改定し,麻原への絶対的帰依を明示的に強調する“麻原回帰”路線を推し進めた。

こうした事実から,2009年(平成21年)1月23日,公安審査委員会は,“麻原回帰”を進める「Aleph」についてはもちろん,“麻原隠し”を進める「ひかりの輪」についても,「松本に対して帰依し,松本の説くオウム真理教の教義に従う者によって,観察処分を免れ,松本の意思を実現することを目的として組織されたものであると認められ,その後の活動状況などを考慮しても,『ひかりの輪』は,依然として,松本及び同人の説くオウム真理教の教義を共通の基盤としつつ,被請求団体(教団)の重要な一部を構成しているものと認められる」と認定して,観察処分の期間の更新(3回目)を決定した。

カ  教団は,同決定以降,主流派においては,麻原の写真等を施設内の修行道場の祭壇等に再び掲げ始めたり,危険な教義を含むとして自主回収していた教材を再び使い始めたりするなど,“麻原回帰”を徹底したほか,組織拡大に向けた勧誘活動を活発に展開し,上祐派においては,真実は麻原に帰依しながらも,観察処分を免れるため,更なる“麻原隠し”を推進しつつ,「ひかりの輪」が「脱麻原」であることを社会にアピールするための宣伝活動を積極的に展開した。

こうした事実から,2012年(平成24年)1月23日,公安審査委員会は,両サリン事件の首謀者である麻原が,教団の活動に絶対的ともいえる影響力を有していると認定した上で,教団の危険性については,@麻原を「尊師」,「グル」と尊称し,麻原を帰依の対象としていること,A殺人を暗示する危険な教義を説いた教材を保管していること,B幹部信徒の中に両サリン事件を正当化する者が存在すること,Cマインド・コントロールの手法を用いた修行を行わせ,自己の意思を捨てて教団の教義に絶対的に従う意識を扶植していること-などを認定し,観察処分の期間の更新(4回目)を決定した。

キ 主流派は,同決定以降も,信徒に対して麻原への絶対的帰依を求める文言の記載された詞章を繰り返し唱和させる修行に取り組ませるなど,麻原への絶対的帰依を更に徹底させる指導を行い,教団名を秘匿したヨーガ教室へ参加した者に対して教団の教義等を扶植するとともに,地下鉄サリン事件は国家によるでっち上げなどとの陰謀論を信じ込ませるなどして,組織的かつ積極的に組織拡大に向けた勧誘活動を行った。さらに,児童向け教材を使用するなどして未成年者に対しても麻原への帰依を扶植したほか,同派は,年3回,在家信徒を対象とした集中セミナーを実施して参加費やイニシエーション(秘儀伝授)料などを徴収したり,出家信徒を一般の企業などに就労させて給与を全額布施させるなどして,多額の資金を獲得した。上祐派においては,各種メディアを積極的に活用し,従前同様,「脱麻原」の宣伝活動を展開した一方で,従来の出家制度や修行体系を維持し,上祐が麻原のイニシエーションを継承する旨述べて導入,実施してきた宗教儀式については,様々な外形的変更を加えつつも,エネルギー移入を目的とする本質部分を維持しながら実施した。

こうした事実から,2015年(平成27年)1月23日,公安審査委員会は,教団について,@麻原が現在も教団の活動に影響力を有していること,A地下鉄・松本両サリン事件に関与した者が現在も構成員であること,B同事件当時に教団の役員であった者が現在も役員であること,C麻原の説く殺人を勧める「綱領」を保持していること,D組織として危険な体質を保持していること,E閉鎖的かつ欺まん的な組織体質を維持していること-などを認定し,観察処分の期間の更新(5回目)を決定した。

(7) 最近の動向

ア  主流派は,麻原の生誕を祝う「生誕祭」を開催したり,年3回開催している集中セミナーでは,麻原が「グルと共に転生するためには,タントラ・ヴァジラヤーナ(殺人を暗示的に勧める危険な教義)の実践が必要である」旨説法する映像を視聴しながら同様の内容を唱和する修行などを,休憩・睡眠時間を与えない状態で数日間取り組ませるなど,麻原への絶対的帰依を徹底する指導を依然として行っている。また,小学生や未就学児童に対しては,麻原の説く教義に結びつけた「真理かるた」や「真理すごろく」などの教材を使用して教義の定着を図っている。

さらに,同派はこれまで同様,勧誘活動について,麻原の説く「衆生救済」を実現するための重要な活動と位置付け,各教団施設(支部)で組織的に取り組んでいる。具体的には,青年層や学生を主な対象に,繁華街の路上や書店で声を掛けたり,タロット占いや花見など宗教色を感じさせない各種イベントを開催したりするなどして,一般人と接点を持ち,ヨーガや精神世界などに興味や関心を示した者などを,教団名を秘匿したヨーガ教室などに誘導している。その後,指導する役割の信徒が,勧誘対象者との人間関係を構築しながら,麻原の名前を出さずに麻原の教えの内容を解説したり,地下鉄サリン事件などは教団以外の者による陰謀であると説明したりして,教団に対する抵抗が見られなくなった段階に至ってから教団名を明かす,という巧妙な手法で勧誘活動を行っている。

同派においては,2013年(平成25年)秋以降,麻原二男の“教団復帰”に向けた動きが認められるところ,2015年(平成27年)5月中旬から6月末にかけて,幹部信徒・二ノ宮耕一が全国の支部道場を巡回し,在家信徒に対して,「血筋から法則を残すことが重要」などと,二男が麻原の後継者であることの正統性を強調する指導を行うなど,同人復帰に向けた機運の醸成に努めている。

イ  上祐派は,地下鉄サリン事件から20年の節目に際し,上祐が,テレビなどの取材の機会を積極的に利用して,「麻原なしで自分の心身を支えることができると感じるようになった」と強調するなど,改めて麻原からの脱却を対外的にアピールした。その一方で,在家信徒に対して上祐が「麻原に犯罪の責任が全てあるとは,どう考えても思えない。」など説法したり,全国いずれの施設においても麻原の化身であると説かれた仏画を掲示し続けたりするなど,同派が今なお麻原の影響下にある実態が確認されている。

また,同派は,観察処分の5回目の期間更新請求において,「『ひかりの輪』基本理念」が信徒に周知されておらず綱領とは認められないと指摘されたことを受け,同基本理念に関する「お知らせ」の受領書を提出させることで基本理念を信徒に周知させた外形を整えようとしているほか,公安調査官との関係があった場合には除名などの処分の可能性があることを明示して公安調査官との接触を強くけん制するなど,組織防衛の強化に取り組んでいる。

ウ  ロシア人信徒に対しては,主流派,上祐派のいずれも,ロシア連邦内に数か所の拠点施設を保有し,随時,インターネットを利用し,日本国内から,ロシア人信徒らを指導しているほか,年数回,幹部信徒をロシア及びその周辺国に派遣して,直接指導している。なお,主流派については,ソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用し,日本国内と同様,教団名を秘匿した勧誘活動を展開している。

エ  公安調査庁においては,観察処分に基づき,2000年(平成12年)2月から2015年(平成27年)12月末までの間,19都道府県下延べ635か所(実数131か所)の教団施設に立入検査を実施したほか,教団から計64回(3か月ごと)にわたり,組織の現状に関する報告書の提出を受けた。

逮捕直後の麻原彰晃の様子

©毎日新聞社

〈逮捕直後の麻原彰晃〉

教団施設への立入検査で確認された祭壇の様子

〈教団施設への立入検査で確認された祭壇〉

オウム真理教の拠点施設イメージ
年月日 主要テロ事件,主要動向等
84. 2. 14  「オウム神仙の会」設立
87. 4上旬  東京本部設置(東京都世田谷区赤堤)
87. 7中旬  「オウム神仙の会」を「オウム真理教」に改称
87. 11  米国・ニューヨーク支部開設
89. 2 田口修二殺人事件
 麻原の指示を受けた岡崎一明,村井秀夫,早川紀代秀,新實智光及び大内利裕が,教団脱退の意思を有していた田口修二(当時21歳)を殺害しようと企て,静岡県富士宮市所在の教団施設「富士山総本部」の独房修行用のコンテナ内において,田口の頸部にロープを巻いて絞め付けるなどして窒息させて殺害
89. 4  西ドイツ・ボン支部開設
89. 7  山梨県西八代郡上九一色村(にしやつしろぐんかみくいしきむら)(現南(みなみ)都(つ)留(る)郡(ぐん)富(ふ)士(じ)河(かわ)口(ぐち)湖(こ)町(まち))に「サティアン」と称する施設群(以下「上九施設」)の建設を開始(平成6年5月頃まで)
89. 8. 25  東京都は,オウム真理教を宗教法人として認可
89. 8. 29  「宗教法人オウム真理教」の設立登記
89. 11. 4 坂本堤弁護士一家殺人事件
 麻原の指示を受けた村井秀夫,岡崎一明,早川紀代秀,新實智光,中川智正及び端本悟が,教団に対して批判的な活動を行っていた坂本堤弁護士(当時33歳),妻・都子さん(当時29歳),子・龍彦さん(当時1歳2か月)を殺害しようと企て,横浜市磯子区の坂本方に侵入し,同人らの頸部を絞め付けるなどして窒息させて殺害
90. 2  衆議院議員総選挙に「真理党」として教団幹部ら25人が立候補したが全員落選
90. 4頃  麻原が教団幹部らを集め,「今回の選挙の結果,今の世の中は,マハーヤーナで救済できないことが分かったので,これからはヴァジラヤーナでいく。現代人は生きながらにして悪業を積むからポアする」などと発言(以降,教団の武装化が始まる)
92. 9  ロシア・モスクワ支部開設
93. 3  スリランカ支部開設
93. 4  山梨県南巨摩郡富沢町(みなみこまぐんとみざわちょう)(現南部町(なんぶちよう))に自動小銃製造工場となった「清流精舎」を建設
93. 6. 28  東京・亀戸道場異臭事件(炭疸菌(たんそきん)の散布事件)
93. 8  上九施設にサリン製造実験を行う「クシティガルバ棟」を建設
93. 9  上祐史浩がロシア支部長に就任
93. 11中旬  宗教団体関係者の関連施設周辺にサリンを噴霧(東京都八王子市内)
93. 12中旬  宗教団体関係者の関連施設周辺にサリンを噴霧(東京都八王子市内)
94. 1. 30 落田耕太郎リンチ殺人事件
 教団施設から脱走し,信徒を連れ出すために上九施設に侵入した出家信徒・落田耕太郎(当時29歳)を殺害しようと企て,落田と共に侵入した元信徒に落田を殺害するよう,麻原が指示。その周囲にいた井上嘉浩,越川真一,後藤誠,丸山美智麿らが落田の身体を押さえ付け,元信徒が落田の頸部をロープで絞めて,落田を窒息させて殺害
94. 5. 9 滝本太郎弁護士殺人未遂事件
 麻原の指示を受けた青山吉伸,遠藤誠一,中川智正らが,滝本弁護士所有の自動車のフロントウインドーアンダーパネルの溝及びその付近にサリン溶液を滴下し,その後,同自動車を運転した滝本弁護士がサリン中毒症で負傷
94. 6. 27 松本サリン事件
 麻原の指示を受けた村井秀夫,新實智光,遠藤誠一,中川智正,富田隆らが,長野県松本市北深志所在の駐車場において,サリン噴霧車に設置した加熱式噴霧装置を作動させてサリンを加熱し気化させた上,大型送風扇を用いてこれを周辺に発散させ,8人がサリン中毒で死亡,143人がサリン中毒症で負傷
94. 7. 10頃 冨田俊男殺人及び死体損壊事件
 麻原が在家信徒・冨田俊男(当時27歳)にスパイ容疑をかけ,新實智光,杉本繁郎らに指示して冨田に拷問を加えたが,拷問を加えてしまった以上このまま冨田を生かしておくと後々教団の発展にとって障害になるおそれがあると考え,同人を殺害することを企て,上九施設において,冨田の頸部をロープで巻いて絞め付けて殺害。その後,冨田の死体をマイクロ波加熱装置とドラム缶などを組み合わせた焼却装置(マイクロ波焼却装置)の中に入れ,これにマイクロ波を照射して加熱焼却し,同人の死体を損壊
94. 12. 2 水野昇に対するVXガス使用殺人未遂事件
 麻原の指示を受けた新實智光,遠藤誠一,井上嘉浩,中川智正,山形明,高橋克也らが,上九施設を抜け出した出家信徒を匿い,同人に弁護士を紹介するなどした水野昇さん(当時82歳)を殺害することを企て,東京都中野区の路上において,山形明が,注射器に入れたVXを水野さんの後頭部付近に掛け,水野さんがVX中毒症で負傷
94. 12. 12 濱口忠仁に対するVXガス殺人事件
 麻原が,分派を作ろうとしているとの情報があった在家信徒の身辺調査をさせたところ,同人と関係のある不審人物として会社員・濱口忠仁さん(当時28歳)の名前が挙がったため,濱口さんをスパイと決めつけ,麻原の指示を受けた新實智光,井上嘉浩,中川智正,山形明,高橋克也らが濱口さんを殺害することを企て,大阪市淀川区の路上において,山形が,注射器に入れたVXを濱口さんの後頭部付近に掛け,VX中毒により殺害
94. 12末  サリンプラントがほぼ完成
95. 1. 1  自動小銃1丁が完成
95. 1. 4 永岡弘行に対するVXガス使用殺人未遂事件
 麻原の指示を受けた新實智光,井上嘉浩,中川智正,山形明,高橋克也らが,オウム信者に対し脱会を促す活動を行っていた,オウム真理教被害者の会会長・永岡弘行さん(当時56歳)を殺害することを企て,東京都港区の路上において,山形明が,注射器に入れたVXを永岡さんの後頭部付近に掛け,永岡さんがVX中毒症で負傷
95. 2. 28
〜3. 1
假谷清志逮捕監禁致死事件
 麻原が,教団への出家を案じ身を隠した信徒の所在を聞き出すため,同信徒の実兄・假谷清志さん(当時68歳)を拉致することを企て,麻原の指示を受けた井上嘉浩,中川智正,中村昇らが,東京都品川区の路上において,假谷さんをワゴン車内に押し込んで,上九施設に連れ込み,意識喪失状態を継続させるため大量に投与した全身麻酔薬の副作用である呼吸抑制,循環抑制などによる心不全により殺害
95. 3. 19  オウム真理教東京総本部に対する火炎びん投てき事件(自作自演)
95. 3. 20 地下鉄サリン事件
 麻原の指示を受けた教団幹部15人が,いずれも東京都千代田区の営団地下鉄霞ケ関駅に停車する日比谷線,千代田線及び丸ノ内線の各電車内などにサリンを発散させて不特定多数の乗客などを殺害しようと企て,実行犯5人が各電車内において,サリン入りビニール袋を先端を尖らせた傘で突き刺し,サリンを流出気化させて発散させ,乗客ら12人がサリン中毒により死亡,3,000人以上がサリン中毒症で負傷
95. 3. 22  警察は,上九施設を強制捜査
95. 4. 23 村井秀夫殺人事件
 教団幹部村井秀夫が,東京・南青山の教団総本部に入ろうとした際,報道陣に紛れ込んでいた徐裕行(じょひろゆき)に牛刀で右脇腹を刺され,翌日,出血多量のため死亡。徐はその場で逮捕,1995年(平成7年)11月,東京地方裁判所で懲役12年の判決を言い渡され,2007年(平成19年)1月,刑期満了により出所。また,共犯の容疑で逮捕・起訴された暴力団員については,決定的な証拠や供述が得られず無罪が確定
95. 5. 5 新宿駅青酸ガス事件
 井上嘉浩,中川智正らが,教団に対する捜査を撹乱するため,繁華街の公衆便所内にシアン化水素ガス発生装置を仕掛け,同ガスによりその公衆便所内の利用者などを殺害しようと企て,東京都新宿区の営団地下鉄新宿駅の公衆便所に備え付けられたゴミ容器内に,シアン化水素ガス発生装置を設置したが,同装置からの発火を目撃した者の通報で現場に臨場した同駅職員によって消火
95. 5. 16 都庁爆発物郵送事件
 井上嘉浩,中川智正らが,東京都知事らを殺害することを企て,新刊書の内部をくり抜き,その中に,爆薬トリメチレントリニトロアミン(別名ヘキソーゲン)を充填して起爆装置を施したプラスチックケースを挿入した上,同書の表紙を開披することにより爆発するように仕掛けた手製爆発物を製造,これを封筒に入れて,知事公館宛て速達郵便物として投函し,都庁7階の知事秘書室において同郵便物を開封した都庁職員が左手全指挫滅切断などの負傷
95. 5. 16  麻原が殺人及び殺人未遂で逮捕
95. 7. 4 新宿駅青酸ガス事件
 平田悟らが,JR新宿駅及び地下鉄茅場町駅構内の便所にシアン化水素ガス発生装置を設置したが,新宿駅に設置した装置のみが若干作動して青酸ガスを発生させたものの実害は発生しなかった
95. 10. 7  上祐史浩が国土利用計画法違反事件に係る有印私文書偽造などの容疑で逮捕
95. 12. 21  「宗教法人オウム真理教」が解散登記
96. 3. 28  東京地方裁判所は,オウム真理教の破産を宣告
96. 7. 11  公安調査庁長官は,破壊活動防止法に基づき,教団に対する解散指定処分を公安審査委員会に請求
97. 1. 31  公安審査委員会は,上記解散指定処分請求を棄却
97. 10. 8  米国政府は,1996年反テロリズム法及び効果的死刑法に基づき,オウム真理教を「外国テロ組織」(FTO)に指定
99. 12. 3  「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」が成立(同月27日施行)
99. 12. 27  公安調査庁長官は,同法に基づき,教団に対する観察処分を公安審査委員会に請求
99. 12. 29  上祐史浩が広島刑務所を出所
00. 1. 28  公安審査委員会は,観察処分(3年間)を決定
00. 2. 4  「オウム真理教」が「宗教団体・アレフ」に名称変更
00. 7. 1 ロシア人信徒武器不法所持事件(シガチョフ事件)
 「麻原奪還」を目指し日本での連続爆破テロを企図したロシア人信徒のシガチョフ,ヴォロノフ,トゥペイコが,ロシア連邦保安庁(FSB)により武器の不法所持で逮捕
02. 1. 30  「宗教団体・アレフ」の代表に上祐史浩が就任
02. 1. 23  ロシア連邦沿岸地方裁判所(ウラジオストク)は,シガチョフらに実刑判決(最高がシガチョフの禁錮8年)
02. 5. 2  欧州連合(EU)は,テロと闘うための有効な手段の適用を定めた「2001/931/CFSP」(2001年12月27日採択)に基づくリストを更新し,「資金・資産の凍結」の対象とされるテロ関係者,団体のリストにオウム真理教を追加
03. 1. 23  公安審査委員会は,教団に対する観察処分の期間の更新を決定
03. 2. 6  「宗教団体・アレフ」が名称を「宗教団体アーレフ」に変更
03. 4. 10
  〜17
 上祐史浩らがロシアを訪問
03. 7. 2  オーストラリア政府は,国連安保理決議第1373号に準拠した「国連憲章(テロリズムと資産取引)に基づく規則2002」(以下「2002年規則」)を制定し,オウム真理教に対し,資金・資産の凍結措置を適用
04. 2. 27  麻原に死刑判決(東京地方裁判所)
04. 7. 6 薬事法違反事件
 教団幹部らが,「桃源クリーム」と称する医薬品を無許可で販売したとして,薬事法違反で逮捕。約2,300万円を売り上げていたことが判明
04. 9 分派グループメンバー傷害致死事件
 「ケロヨンクラブ」を名乗って活動を行っていた分派グループが,女性メンバー(当時36歳)に対し,「修行」の名の下,竹刀で殴打して傷害を加え殺害
05. 5 職業安定法違反事件
 教団幹部らが,雇用関係のない複数の信徒を無許可で一般企業に派遣し,ソフト開発業務に従事させていたとして,5月26日及び6月16日,職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)の容疑で逮捕。平成13年11月から同17年1月までの間に約4億5,700万円を売り上げていたことが判明
06. 1. 23  公安審査委員会は,教団に対する観察処分の期間の更新(2回目)を決定
06. 9. 15  麻原の死刑判決が確定
06. 11. 17  カザフスタン・アスタナ市裁判所は,オウム真理教をテロ組織と認定し,オウム真理教の同国内における活動を禁止
07. 3. 8  上祐史浩ら信徒65人が「宗教団体アーレフ」を脱会した旨表明
07. 5. 7  上祐史浩らが「ひかりの輪」の設立を表明
08. 4. 14  オーストラリア政府は,前記「2002年規則」を廃止して「国連憲章(資産取引)に基づく規則2008」を制定し,引き続き,オウム真理教に対し,資産凍結措置を適用
08. 5. 20  「宗教団体アーレフ」が「Aleph」に名称変更
08. 6. 18  「オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律」が成立(同年12月18日施行)
09. 1. 23  公安審査委員会は,教団に対する観察処分の期間の更新(3回目)を決定
09. 9. 3
  〜13
 上祐史浩ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
10. 8. 31
  〜9. 10
 上祐史浩ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
11. 1. 27
  〜2. 2
 上祐史浩ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
11. 5. 9
  〜19
 上祐史浩ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
11. 9. 7
  〜15
 上祐史浩ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
12. 1. 1  警視庁は,假谷清志さん逮捕監禁致死事件等に関与したとして特別手配されていた平田信を逮捕
12. 1. 23  公安審査委員会は,教団に対する観察処分の期間の更新(4回目)を決定
12. 5. 9
  〜19
 上祐史浩ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
12. 6. 3  警視庁は,地下鉄サリン事件等に関与したとして特別手配されていた菊地直子を逮捕
12. 6. 15  警視庁は,地下鉄サリン事件等に関与したとして特別手配されていた高橋克也を逮捕
12. 9. 4
  〜13
 上祐史浩ら3人がウクライナを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
13. 2. 12  上祐史浩ら3人がウクライナ国内の空港において同国への入国拒否
13. 10. 15
  〜24
 上祐史浩ら3人がトルコを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
14. 4. 15
  〜24
 上祐史浩ら3人がトルコを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
14. 9. 30
  〜10. 9
 上祐史浩ら3人がトルコを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
15. 1. 23  公安審査委員会は,教団に対する観察処分の期間の更新(5回目)を決定
15. 5. 12
  〜21
 上祐史浩ら3人がトルコを訪問し,ロシア人信徒らを集め,説法会を開催
15. 10. 14  上祐史浩ら3人がトルコ国内の空港において同国への入国拒否

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