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アブドラ・アッザム旅団(AAB)
Abdallah Azzam Brigades Ziyad al-Jarrah Battalions of the Abdallah Azzam Brigades Yusuf al-'UYayri Battalions of the Abdallah Azzam Brigades

国連制裁対象 (2014年9月23日)

米国FTO (2012年5月30日)

主な活動地域

レバノン,アラビア半島

組織の概要

創設者は,サウジアラビア人サーレハ・アル・カラアウィであるとされる。指導者でもあった同人が「イラクのアルカイダ」(AQI,現「イラク・レバントのイスラム国」〈ISIL〉)に所属していた際,当時のAQI指導者アブ・ムサブ・アル・ザルカウィ(2006年6月死亡)の指示を受け,AQIの活動をイラク国外にも拡大すべく,「アブドラ・アッザム旅団」(AAB)を立ち上げたとされる。

レバノンを拠点とする「ジヤード・アル・ジャッラーハ大隊」とアラビア半島を拠点とする「ユースフ・アル・ウヤイェリ大隊」が存在するとされる。しかしながら,AAB幹部とされる者は,2015年4月,AABが「アルカイダ」を含むいかなる組織にも属さない独立した組織であるとした上で,「ジヤード・アル・ジャッラーハ大隊」はレバノンからイスラエルに対して継続的にロケット弾攻撃を行っており,「マルワン・ハディド大隊」はシリアで活動しており,「フセイン・ビン・アリ大隊」はレバノンで活動中であり,在レバノン・イラン大使館に対するテロ(2013年11月)やイラン運営の文化施設に対するテロ(2014年2月)を実行している旨明らかにした。さらに,同人は,「ヤヒヤ・アッヤーシュ大隊」もパレスチナで活動中であるなどと述べ,これら全ての大隊がAABの司令部に従っている旨明らかにした。 

カラアウィは,2009年2月,「アルカイダ」との関係からサウジアラビア政府によって同国の「最重要指名手配犯85人リスト」に掲載され,2012年6月,潜伏中のパキスタンで重傷を負い,サウジアラビアに身柄を移送されたところを同国治安当局に拘束された。

同人の後の指導者には,サウジアラビア人マージド・アル・マージド(「最重要指名手配犯85人リスト」に掲載)が就任したとされるが,同人は,2013年12月,潜伏中のレバノンで拘束され,2014年1月,死亡した。レバノン当局は,同人の死について病気によるものと発表したが,AABは同月,「マージドは(レバノン当局と共謀した)『ヒズボラ』によって殺害された」などと主張した上で,今後,「ヒズボラ」や同組織を支援するイランに対する報復を行う旨警告した。同人の死亡後は,幹部のシラジュッディン・ズレイカットが声明を発出するなどしている。

AABは,「アルカイダ」関連組織が使用するプロパガンダ機関「アル・ファジル・メディア・センター」を通じて声明などを発出しているほか,2010年5月に死亡した「アルカイダ」の「アフガニスタンにおける総司令官」ムスタファ・アブ・アル・ヤジドへの弔意を示す声明を発出した。

AABは,2011年3月から始まったシリアでの反政府運動の活発化を受け,2012年6月,シリアの反体制は勢力に対する支援を呼び掛ける声明を発表したほか,2013年11月の在レバノン・イラン大使館を標的とした自爆テロや,2014年2月のイラン文化施設を標的とした自爆テロなどに関して,「イランがシリア政府に対する支援を止めなければ,更なる攻撃を行う」などと犯行声明の中で警告した。

AABは,2010年7月に中東のホルムズ海峡で起きた我が国企業運航の原油タンカーに対する爆弾攻撃に関連して,犯行を認めているが,発出した声明に添付されていた画像中のタンカーが異なるなど,疑問点も指摘されている。

米国国務長官は,2012年5月,AABが我が国企業運航の原油タンカーに対し攻撃を行ったなどとして,AABを「外国テロ組織」(FTO)に指定した。また,国連も,2014年9月,AABが資金調達やテロ計画などの面でシリアの「アルカイダ」関連組織「ヌスラ戦線」(現「ファテフ・アル・シャーム戦線」〈JFS〉)と関係があるとして,AABを「アルカイダ」制裁委員会の制裁対象に指定した。

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