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アラビア半島のアルカイダ(AQAP)
Al-Qaida in the Arabian Peninsula

イエメンを拠点とするスンニ派過激組織。サウジアラビア政府及びイエメン政府並びに欧米権益に対するテロを実行。

別称:
@AQAP,AAl-Qaida of Jihad Organization in the Arabian Peninsula,BTanzim Qa'idat al-Jihad fi Jazirat al-Arab,CAl-Qaida Organization in the Arabian Peninsula,DAl-Qaida in the South Arabian Peninsula, EAnsar al-Shari'a(注1)

1 設立時期

2009年1月

2組織・機構

(1) 指導者,幹部等

ア ナーセル・アブドゥルカリーム・アブドッラー・アル・ウハイシ(Nasir Abd al-Karim Abdullah al Wahishi)

別名:
アブ・バシール・ナーセル・アル・ウハイシ(Abu Basir Nasir al-Wuhayshi),アブ・バシール(Abu Basir),アル・ワヒーシ・ナーセル・アブデルカリーム・サーレハ(Al-wahishi Nasser Abdelkarim Saleh)

最高指導者。イエメンのアル・バイダ州出身。1976年10月1日生まれ。1990年代にアフガニスタンへ入国し,一時,「アルカイダ」最高指導者オサマ・ビン・ラディンの側近の1人として活動したとされる。アフガニスタン出国後,2001年にイランで拘束された。2003年にイエメン政府に身柄を引き渡された後,政治犯収容所に収監された。2006年,22人の囚人とともに同収容所から脱走し,2007年,「イエメンのアルカイダ」(AQY)を設立して最高指導者に就任した。

サウジアラビアの「アラビア半島のアルカイダ」(現在のAQAPとは別組織)メンバーがAQYに合流した結果,2009年1月,現在の「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)が設立された。以後,同人はAQAP最高指導者を務めている。

国連安保理「アルカイダ」及び「タリバン」制裁委員会は,2010年1月,AQAPの指導者であるほか,「アルカイダ」及びその指導層と直接的なつながりを持つなどとして,同人を制裁対象に指定した。

2013年8月,「アルカイダ」最高指導者アイマン・アル・ザワヒリが,ウハイシを「総括責任者」(General manager)に任命したとの報道もなされた(注2)

イ サイード・ビン・アリー・ジャービル・アル・シフリ(Said bin Ali Jaber al-Shihri)(死亡)

別名:
アブ・スフィヤン・アル・アジド・アル・シフリ(Abu Sufyan al-Azid al-Shihri),アブ・オサマ(Abu Osama),アブ・スフィアン・カダダーブ・マトルーク(Abu Sufian Kadhdhaab Matrook),アブ・サヤーフ(Abu-Sayaaf)

ナンバー2。1973年9月17日生まれ。サウジアラビア・リヤド州出身。2000年にアフガニスタンで訓練を受けた後,同国で「アルカイダ」戦闘員の支援及びイラン・アフガニスタン国境周辺での地理案内などを行っていたとされる。2001年,アフガニスタンで拘束され,グアンタナモ米軍基地収容所に収容された。2007年11月,同収容所から釈放された後,サウジアラビアへ帰国し,同国政府による「更生プログラム」を受けた。その後,2008年にイエメンへ入国し,AQYに参加した。同年,イエメン首都サヌア市の米国大使館付近で自動車を使用した自爆テロを指揮し,その後も外国人の誘拐及び殺害事件に関与したとされる。

AQAPが,2009年1月に設立された際に,ナンバー2となった。

国連安保理「アルカイダ」及び「タリバン」制裁委員会は,2010年1月,AQAPのナンバー2であるほか,米国との戦いを呼び掛けるなどしたとして,同人を制裁対象に指定した。

AQAPは,2013年7月17日,同人が米国の攻撃を受けて死亡した旨の声明を発出した。

ウ カシム・ヤヒヤ・マフディ・アル・リミ(Qasim Yahya Mahdi al-Rimi)

別名:
アブ・フレイラ・アル・サヌアニ(Abu Hureira al-Sana'ani),アブ・アマル(Abu Ammar)

軍事司令官。1978年6月5日生まれ。イエメン・サヌア州出身。駐イエメン米国大使暗殺未遂事件(2001年6月)を含む大使館関係者や外国人要人などに対する攻撃に関与したとして,2002年にイエメンで逮捕された。2005年に禁錮5年の実刑判決を受け服役したが,2006年,ウハイシら22人とともに脱走した。2007年のAQY設立時に軍事司令官に就任した。イエメンでAQAP戦闘員のリクルート活動などに従事しているとされる。

国連安保理「アルカイダ」及び「タリバン」制裁委員会は,2010年5月,AQAPの幹部(senior leader)であるほか,テロ行為を指揮するなどしているとして,同人を制裁対象に指定した。

2013年5月に配信されたAQAP英語機関誌「インスパイア」(Inspire)第11号の記事「米国国民へのメッセージ」の中で,米国でのテロを呼び掛けた。

エ ナーイフ・アル・カハタニ(Nayif al-Qahtani)(死亡)

1988年3月25日生まれ。サウジアラビア出身。イエメン及びサウジアラビアでAQAP地方組織間の連絡及び調整を担当したほか,イエメンでの作戦実行及び諸外国からの支援金調達などに従事した。また,AQAPの報道担当としての役割も担った。

国連安保理「アルカイダ」及び「タリバン」制裁委員会は,2010年5月,イエメンでの多数のテロ行為を実行したほか,在イエメン米国大使館爆破計画(2008年9月)にも関与したなどとして,同人を制裁対象に指定したが,2013年7月11日,同指定を解除した。

なお,2010年12月,「イエメン南部で政府軍との戦闘により死亡した」と報じられた。

オ イブラヒーム・ハッサン・ターレア・アル・アシーリー(Ibrahim Hassan Talea al-Asiri)

別名:
イブラヒーム・ハッサン・ターレア・アシーリー(Ibrahim Hassan Tarea Aseeri),アブ・サーレハ(Abu Saleh),アボッサラ(Abosslah),アブ・サラーハ(Abu-Salaah)

爆弾の専門家(注3)。1982年4月18日又は19日生まれ。サウジアラビア・リヤド州出身。2003年にサウジアラビア・キング・サウード大学化学学部を中退。2009年8月のムハンマド・ビン・ナーイフ・サウジアラビア内務次官(現内相)爆殺未遂事件では,弟のアブドッラー・アル・アシーリーが自爆攻撃を実行した。

国連安保理「アルカイダ」及び「タリバン」制裁委員会は,2011年3月,AQAPの戦闘員で,AQAP内での爆弾製造の第一人者であるなどとして,同人を制裁対象に指定した。

カ アンワル・ナーセル・アブドッラー・アル・アウラキ(Anwar Nasser Abdulla al-Aulaqi)(死亡)

幹部。1971年4月21日又は22日生まれ。米国ニューメキシコ州出身で,米国とイエメンの二重国籍者。平易な英語を用いたインターネットでの説法を通じ,過激思想を拡散するとともに,2010年7月,AQAPが発行した英語機関誌「インスパイア」において,西側諸国のムスリムなどに対し「ジハード」を呼び掛けた。

また,アウラキは,米国テキサス州陸軍基地銃乱射事件(2009年11月)の容疑者ニダル・マリク・ハサンから,同事件前に電子メール16件を受信し,電子メール2件を返信したが,同返信では,テロを奨励するような内容は確認されていないとされる。

国連安保理「アルカイダ」及び「タリバン」制裁委員会は,2010年7月,AQAPのリーダーであるほか,同組織のためにリクルートを行うなどしてきたとして,同人を制裁対象に指定した。

2011年9月,イエメン国内において空爆を受けて死亡した。

キ イブラヒーム・サルマン・ムハンマド・アル・ルバイシ(Ibrahim Salman Mohammed al-Rubaish)

1979年7月19日生まれ。サウジアラビア・ブライダ市出身。2006年12月,グアンタナモ米軍基地収容所からサウジアラビア政府に引き渡されたが,後にイエメンに逃亡し,AQAPに参加した。2011年12月,シーア派系部族勢力「フーシー派」に対する「ジハード」を宣言したほか,アウラキの追悼ビデオにおいて,アウラキの「教え子」たちに対し報復を呼び掛けた。

米国国務省は,2014年12月,同人がAQAPの作戦計画に助言を与える立場であるほか,2013年以降,シャリーアに則り同組織の攻撃を正当化する権限を有する幹部である旨指摘した。

ク イブラヒーム・アル・バンナー(Ibrahim al-Bannah)

エジプト出身。AQAPの広報部門「アル・マラヒム」責任者及び文書偽造専門家とされる。

ケ ハリス・ビン・ガジ・アル・ナダリ(Harith bin Ghazi al-Nadhari)

幹部。2013年8月に自身の写真を付けた録音声明の配信を開始した。2014年11月には,「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)の最高指導者アブ・バクル・アル・バグダディによるものとされる録音声明(注4)が配信された直後,同最高指導者が同年6月に施行を宣言したカリフ制国家の正当性を認めず,同人を名指しで批判する声明を発出した。

コ オスマン・アハメド・オスマン・アル・ガムディ(Othman Ahmed Othman Al-Ghamdi)

サウジアラビア出身。2000年,アフガニスタンの「アルカイダ」キャンプに赴き,「タリバン」とともに戦闘に加わったとされる。その後,サウジアラビアを経て,イエメンに渡りAQAPに参加したとされる。

国連安保理「アルカイダ」制裁委員会は,2011年6月,AQAPの資金調達,武器管理及びテロ計画に関与したなどとして,同人を制裁対象に指定した。

サ アンデルス・カメルーン・オステンスビク・ダレ(Anders Cameroon Ostensvig Dale)

ノルウェー出身。2008年にイエメンへ渡航して以降,数回にわたりノルウェーとの間を往来したとされる。イエメンでは,自爆ベルトや自動車爆弾などの製造に携わったとされる。

国連安保理「アルカイダ」制裁委員会は,2014年9月,各国でのテロ実行に関与する可能性があるとして,同人を制裁対象に指定した。

(2) 組織形態,意思決定機構

ウハイシ,シフリ,リミ及びムハンマド・アル・オウフィ(注5)の4人は,2009年1月23日,「アル・ファジル・メディアセンター」(注6)が配信したビデオ声明において,@同月12日にAQAP設立を宣言したこと,AAQAPメンバーがウハイシへの忠誠を誓ったこと―を明らかにした。ウハイシは,「アルカイダ」最高指導者オサマ・ビン・ラディン(2011年5月2日死亡)の指導方法や組織運営などを参考にしており,AQAPの作戦実行に際し,幹部などと協議を行った上で,方針などを決定しているとされる。

3 勢力

約1,000人(注7)

4 活動地域

現在の活動範囲は,イエメンのほぼ全域に及ぶ。同国南部及び東部では,その関連組織「アンサール・アル・シャリーア」(AAS)とともに,アビヤン州,シャブワ州,アル・バイダ州,アデン州及びハドラマウト州に拠点を築き,テロを実行している。特に,アビヤン州及びシャブワ州については,2011年5月にアビヤン州都ジンジバル市を占拠した後,支配地域を拡大し,2012年3月には両州の大半を支配したが,政府のテロ対策強化などにより,同年6月にはこれらの支配地域を失った。また,中部のサヌア州及びマアリブ州では,軍及び治安機関並びに外交団に対するテロを実行したほか,北部のサアダ州から中部のダマール州にかけて「フーシー派」に対する攻撃も行った。

5 活動目的・攻撃対象

(1) 活動目的

AQAPの活動目的は,@イエメン及びサウジアラビア両政府の打倒,A両国内に存在する欧米諸国権益の排除,Bイスラム国家の樹立―とされる。

AQAPは,2009年1月23日付けの声明の中で,アラビア半島,パレスチナ,ソマリア,イラク及びアフガニスタンを始めとする全ての「イスラムの地」での「ジハード」に対する支援を宣言した。

(2) 攻撃対象

ア イエメン及びサウジアラビア両国政府,特に要人,軍・情報・治安機関

シフリは,2009年4月に発出した声明において,「聖なる土地からユダヤ人や十字軍とその支援者(であるイエメン及びサウジアラビア政府)などの不純な存在を一掃することは,我々の義務である」などと主張した。また,AQAPは,サウジアラビア・ジッダでの同国内務次官ムハンマド・ビン・ナーイフ王子(現内相)爆殺未遂事件(2009年8月)やイエメン・アデンの治安当局に対する襲撃事件(2010年6月)などを実行した。その後も,イエメンのムハンマド・アハマド国防相暗殺未遂事件(2011年8月及び9月,2012年5月及び9月)や,イエメン南方軍司令官カタン少将暗殺事件(2012年6月),イエメン首都サヌアの国防省施設に対する襲撃事件(2013年12月)を始め,軍・情報・治安当局関係者に対する暗殺事件を多数実行した。

イ 欧米諸国権益

ウハイシは,2009年1月23日発出のビデオ声明において,「欧米諸国がイスラエルに対する支援を停止し,パレスチナにおけるイスラム教徒への迫害が終了するまで,我々の地では欧米人を見つけ次第殺害し,欧米権益を破壊する」などと宣言した。

AQAPは,2009年12月,米国航空機爆破テロ未遂事件の犯行を自認したほか,2010年4月には駐イエメン英国大使に対する自爆テロ事件を引き起こした。また,AQAPは,2010年10月,イエメン発米国行き航空貨物からの爆発物発見事案について犯行を自認した。このほか,AQAPは,2012年3月以降,イエメン在住の欧米人に対する殺害及び誘拐事件を相次いで引き起こした。

米国情報コミュニティは,2013年3月に発表した「世界の脅威評価」において,AQAPについて「AQAPは,依然として,国境を越える戦略の一部として,米国本土に対する攻撃を位置付けていくであろう」などと評価している。

ウ イエメン内シーア派系部族勢力「フーシー派」

ルバイシは,2011年12月,ウェブサイトに掲載された録音声明において,「我々は,シーア派の反乱勢力がサアダ州ダマジ地区で,数か月にわたって我々の人々を支配していることに悲しみを覚えている。我々は同地域の表土から,こうした有害な病原菌を排除するためのジハードを宣言する」と述べた。この後,AQAPは,「フーシー派」に対する攻撃を自認する声明(2012年2月)や,「スンニ派を殺害している『フーシー派』を含む全ての勢力と対話している」として中央政府の対話姿勢を非難する声明を発出(同年3月)した。また,AQAPは,「フーシー派」が2013年10月,スンニ派のサラフィー派部族を攻撃したことに関し,同年11月,サラフィー派部族と団結し,「フーシー派」に報復する旨宣言した。

2014年9月,同派が首都サヌアを占拠し,イエメン南部への侵攻を開始したことを契機に,AQAPは,同派に対する攻撃を繰り返したほか,同国内のスンニ派イスラム教徒に対し,「フーシー派」への攻撃を呼び掛けた。特に,ウハイシによるとされる声明及びAQAP軍事司令官カシム・アル・リミによるとされる声明(同年11月)では,「フーシー派」がイラン及び米国と連携していると主張し,同派に対する更なる攻撃の強化を宣言した。

6 沿革

2001年の米国同時多発テロ事件後,アフガニスタンで「アルカイダ」の軍事訓練を受けていた多くのサウジアラビア人は,米軍主導の連合軍によるアフガニスタン派兵に伴い帰国した。その中でも,1990年代後半に「アルカイダ」最高指導者オサマ・ビン・ラディンによりリクルートされて訓練を受けた者らが中心となり,2004年3月,サウジアラビアで「アラビア半島のアルカイダ」(現在のAQAPとは別組織)を設立した。しかし,同組織は,サウジアラビア治安部隊の取締りの強化(注8)により幹部が死亡したことなどから,同国での拠点を失っていった。

一方,イエメンでは,首都サヌアの政治犯収容所から2006年2月に脱走したウハイシを始めとする「アルカイダ」関係者らの一部が,2007年,AQYを結成した。AQYは,在イエメン米国大使館に対する自爆テロ(2008年9月)を始め,米国権益の排除を目的としたテロを行った。

前述の「アラビア半島のアルカイダ」メンバーがAQYに合流した結果,2009年1月,現在の「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)が設立された。

国連安保理「アルカイダ」制裁委員会は,2010年1月,AQAPを制裁対象に指定した。また,米国国務長官は,同月,AQAPが多数のテロ事件を自認しているとして,「外国テロ組織」(FTO)に指定した。

AQAPは,2011年7月,オサマ・ビン・ラディン死亡後に「アルカイダ」最高指導者に就任したアイマン・アル・ザワヒリに対し忠誠を誓う声明を発出した。また,ザワヒリは,2012年9月12日発出の声明において,AQAPを「アルカイダ」の「支部」組織として名指しした(注9)

7 最近の主な活動状況

(1) 概況

ア 米国航空機爆破テロ未遂事件

2009年12月,米国デトロイト・メトロポリタン空港に着陸直前の米国ノースウエスト航空253便(アムステルダム発)の機内で,ナイジェリア人のウマル・ファルーク・アブドゥルムタラブ(当時23歳)が爆発物を起爆させ,同人の衣服及び航空機の壁に着火,同人及び乗客2人が負傷した。同人は,下着の股間部分に縫いつけた袋の中に粉末(四硝酸ペンタエリスリット〈PETN〉)を封入し,注射器に入った化学物質を同粉末に注入した。

AQAPは,同年12月,ウェブサイト上で,同事件の犯行を自認した上で,犯人のウマル・ファルーク・アブドゥルムタラブを「立派で裕福なナイジェリア人の若者がアラビア半島への不正な侵略に対し応えてくれた」などと称賛した。

同人は,2012年2月,米国ミシガン州デトロイトの連邦地裁で,国際テロを実行した罪などにより終身刑の判決を言い渡された。同裁判の起訴状などによると,同人は,2009年8月,暴力的な「ジハード」に参加するためにイエメンに渡航し,そこでアンワル・アル・アウラキと共謀して,米国内で米国機を爆破させるとの計画を立て,爆発物を受け取った上で犯行に及んだとされる。

イ 駐イエメン英国大使に対する自爆テロ事件

AQAPは,2010年4月,サヌア市で,出勤途上の駐イエメン英国大使の車両に対する自爆テロを実行し,同大使の警護担当者など3人を負傷させた。

ウ イエメン発米国行き航空貨物からの爆発物発見事案

2010年10月,英国イーストミッドランズ空港に駐機中の米国国際物流会社UPSの航空貨物機内及びアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ空港の荷物集配所において,米国向けの航空便荷物から爆発物,四硝酸ペンタエリスリット(PETN)が発見された(注10)。AQAPは,同年11月,ウェブサイトに掲載された英語機関誌「インスパイア」特別号で,同爆発物発見事案について,「爆発物に要した費用は4,200米国ドル,6人以下の少人数で準備期間は僅か3か月である」,「我々が今回成功と言えるのは,我々が製造した爆発物が空港の厳しいセキュリティーチェックを通過したこと,及び欧米諸国が防犯対策として数十億ドルを負担しなければならなくなったことである」などと主張し,その成果を誇示した(注11)

エ 「アラブの春」をめぐる動向

AQAPは,2011年1月から「アラブの春」に影響を受けたとみられる反政府運動に乗じる形で,その関連組織「アンサール・アル・シャリーア」(AAS)とともに,2011年5月にイエメン南部のアビヤン州都ジンジバル市を占拠し「イスラム首長国」設立を宣言したことを皮切りに,支配地域を獲得・拡大した。これにより,AQAPは,2012年6月にアビヤン州及びシャブワ州の支配地域を奪還されるまで,軍・情報・治安当局関係者に対するテロ攻撃によって社会不安を醸成するとともに,通常戦闘やゲリラ戦闘による支配地域拡大に力を注いでいた。

AQAPは,支配地域を失った後,「サヌアや他の都市で,軍・治安当局関係者に対する攻撃を行う」と宣言し,首都サヌア市のほか,アビヤン州及びアデン州を始め,イエメン南部全域で爆弾,銃撃などによる攻撃を活発化させた。

(2) 他勢力との連携

ア 「アンサール・アル・シャリーア」(AAS)

AQAPとその関連組織「アンサール・アル・シャリーア」(AAS)は,協力関係にあるものの,AQAP系とみられるインターネット上の通信社「マダド」(バックアップの意味)が,AASによる支配地域の統治状況を紹介するとともに,別途AQAPのテロ犯行声明を掲載するなどしていることや,2011年5月にイエメン南部・アビヤン州都ジンジバル市でシャリーアに基づく統治を目的とした「イスラム首長国」の設立を宣言した際にはAAS名で行っていることから,両者間には一定のすみ分けがあることがうかがえる。

一方,両者の関係が非常に近しいことから,AQAPが状況に応じて名前を使い分けているのではないかとの見方もある。米国国務長官は,2012年10月,AASについて,「AQAP支配下地域でのシャリーアによる統治に,人々を引きつけるために設立された。AASは,人々をAQAPのテロ思想に取り込むことを目的に,イメージを改善しようとしたもの」として,AQAPに関する「外国テロ組織」(FTO)指定を修正し,AASをAQAPの別称と認定した。

他方,AQAPの勢力が約1,000人とみられるのに対し,AASの構成員は最大で約1万2,000人とみられること(注12),AQAP最高指導者ウハイシなどがAASの活動に参加している様子がないことなどから,異なる組織との見方もある。

AASは,2014年8月にイエメン東部・ハドラマウト州で実施されたイエメン軍の掃討作戦に対する報復として,同月,同国軍車両を襲撃し,兵士を拉致した上で殺害するなどのテロを実行した。また,同年9月,「フーシー派」が首都サヌアを占拠し,イエメン南部への侵攻を開始したことを契機に,南部・ダーリア州で,同派関係者を殺害するなど,「フーシー派」に対しても反発を強めている。

イ 「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)

AQAPは,2014年9月,「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)との共同声明を発出し,イラク及びシリアで対立するイスラム武装勢力に和解と共闘を呼び掛けた。同組織はその後,単独でも声明を発出し同様の主張を繰り返した。しかし,同年11月,AQAPは,イスラム武装勢力間の和解と共闘を訴えつつも,ISIL最高指導者アブ・バクル・アル・バグダディが宣言したカリフ制国家の正当性を否認し,同人を批判する内容の声明を発出した。

ウ 「アル・シャバーブ」

AQAPナンバー2のシフリは,2010年2月8日発出の声明において,ソマリアを拠点に活動する「アル・シャバーブ」について,「あなたたち(『アル・シャバーブ』)からの自軍の兵をイエメンに派遣するという申出を断ったが,その気持ちに感謝する。世界規模の不信仰者の長である米国との来る戦闘に際し,協力しようではないか」と発言した。同声明以降,両組織の連携がうかがえるようになった。

AQAPからの「アル・シャバーブ」に対する支援としては,2011年7月,「アル・シャバーブ」幹部がイエメンでAQAPの軍事訓練を受けたとされるほか,2012年7月,ソマリアの準自治区プントランドで「アル・シャバーブ」向けとされる武器を積載した船が摘発されたことが挙げられる。

他方,イエメン内務省は,2012年3月,「アル・シャバーブ」からのAQAPに対する支援として,「『アル・シャバーブ』戦闘員約300人がイエメンに上陸した。このうち数人をアデン州などで逮捕した。逮捕された者は,AQAPに合流してイエメン南部でテロを実行予定であった旨供述した」と発表した。このほかAQAPは,「アル・シャバーブ」に,アフリカ域外で攻撃を実行するよう要請したとも報じられているとされる。

エ 「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)

ウハイシが,2012年5月及び6月付けでAQIM最高指導者のドルークデルに宛てて作成した書簡とみられる文書が,マリ北部・トンブクトゥ市で発見された。その中で,ウハイシは,むち打ち刑などの厳格なイスラム的刑罰の執行の回避や,シャリーアの段階的な施行を勧めているほか,資金集めの方法として誘拐の奨励,スパイ活動防止のための組織防衛の徹底,メディアの活用などを助言している。

AQAPとAQIMは,2014年9月,イラク及びシリアで対立するイスラム武装勢力に和解と共闘を呼び掛けるとともに,対米攻撃を訴える声明を共同で発出した。

(3) 資金獲得活動

AQAPは,イスラム教徒や諸外国の支援者などからの寄附金(注13)及び企業活動で得た収益を活動資金にしているとされる。

また,AASを含めたネットワーク全体としては,銀行強盗,営利誘拐,麻薬密売なども資金源としているとされる。

(4) リクルート活動 

活動地域の部族民に対し働き掛けを行っているほか,イエメン国内のモスクや神学校などでもメンバーの獲得を行っているとされる。

(5) プロパガンダ活動

AQAPは,インターネットを通じたプロパガンダ活動にも力を入れており,イスラム過激派を称揚し,その過激思想の伝ぱを図るとともに,欧米諸国内やイラク,アフガニスタン等における「ジハード」への参加を働き掛けている。

英語機関誌「インスパイア」(Inspire)

AQAPは,広報部門「アル・マラヒム」を通じて英語表記の機関誌「インスパイア」(注14)を配信し,この中で欧米諸国における自発的なテロ実行を呼び掛けるなどして,英語圏に居住するイスラム教徒の過激化を狙った活動を活発化させている。特に,同機関誌中の「オープン・ソース・ジハード」部分については,自動小銃などを用いたテロを紹介するのみならず,台所にある身近な材料などを用いた爆弾の作り方(注15)などを紹介するものとして注目されている。

「インスパイア」第1号から第13号の概要は下表のとおり。

発行年月日 概要・注目記事
第1号 10. 7.11
  • ○ 米国航空機爆破テロ未遂事件の犯人ウマル・ファルーク・アブドゥルムタラブ称賛
  • ○ 「オープン・ソース・ジハード」

 〜ママの台所で爆弾を作ろう〜

  • ・ 「容易に入手可能な材料で,爆弾製造が可能」
  • ・ 「これらの材料を購入しても,不審感を持たれることはない」
  • ・ 「敵に家宅捜索されても,容易に隠すことができる。爆弾探知犬は,これらの材料で作った爆弾を認識できない」
  • ・ 「製造には1日から2日しか要しない。この爆弾により,少なくとも10人を殺害可能である」
  • ・ 「1か月を費やせば,より大きく,より殺りく的な爆弾を製造でき,その威力は一度に数十人を殺害することが可能である」
第2号 10.10.11
  • ○ イスラム教過激説教師アンワル・アル・アウラキの論文
  • ○ AQAPのナンバー2に対するインタビュー
  • ○ 「オープン・ソース・ジハード」
  • ・ 「標的とする国は,@イスラエル,米国,英国,カナダ,オーストラリア,フランス,ドイツ,デンマーク,オランダ,Aイスラエルのパレスチナ占領及びアフガニスタン並びにイラクへの米国の侵略を政府又は大衆が支援している国,B預言者ムハンマドの冒涜に際立った役割を果たしている国」と主張。
  • 〜アスラル・アル・ムジャヒディン2.0extras〜
  • ・ 「秘密にしたい電子ファイルを暗号化して通信し,コンピュータから完全削除するためのソフトウェア『ムジャヒディンの秘密』の使用法」を紹介。
第3号
(特別号)
10.11.20
  • ○ 「イエメン発米国行き貨物からの爆発物発見事案(2010年10月)で,要した費用は4,200米国ドルにすぎない」と主張。
第4号 11. 1.16
  • ○ イスラム教過激説教師アンワル・アル・アウラキの論文
  • ○ 2010年12月11日にスウェーデン・ストックホルムで発生した自爆テロの犯人タイヤル・アブドルワハブ・アル・アブダリの声明
  • ○ 「オープン・ソース・ジハード」
  • 〜AK47を用いた訓練〜
  • ・ 「AK47(カラシニコフ自動小銃)の概要」を紹介。
第5号 11. 3.29
  • ○ 編集者「『アルカイダ』は『アラブの春』を肯定」
  • ○ AQAP軍事司令官カシム・アル・リミのインタビュー
  • ○ 「オープン・ソース・ジハード」
  • 〜AK47を用いた訓練〜
  • ・ 「AK47の扱い方」を紹介。
第6号 11. 7.18
  • ○ オサマ・ビン・ラディン追悼
  • ○ 「オープン・ソース・ジハード」
  • 〜AK47を用いた訓練〜
  • ・ 「AK47の射撃法」を紹介。
  • 〜過酸化アセトンを使った爆弾製造法〜
  • ・ 「過酸化アセトンは製造が容易で,材料も入手し易い」と主張。
第7号 11. 9.27
  • ○ 米国同時多発テロ事件10周年特集
  • ・ 「同事件は米国が半世紀にわたってイスラエルを支援してきたことへの報復である。世界各国の数百万人のイスラム教徒は同事件を祝賀した」,「同事件は,ごく僅かな人数で約3,000人の米国人を殺害した,歴史に例のない壮挙である。その標的が,経済力の象徴たるビルとペンタゴンであったことも特筆される」と主張。
第8号 12. 5. 2
  • ○ イエメン・アビヤン州における2012年4月の戦闘で戦死した者たちの追悼
  • ○ 「オープン・ソース・ジハード」
第9号 12. 5. 2
  • ○ アンワル・アル・アウラキ及びサミル・カーンの追悼
  • ○ 編集者「我々の目的は,英語圏でのジハード呼び掛け及びテロのノウハウ提供」
  • ○ 「オープン・ソース・ジハード」
  • 〜殉教への道〜
  • ・ 「標的の選定や準備などオペレーション実施のスケジュール」を紹介。
  • 〜爆弾に点火するのはあなたの自由〜
  • ・ 「標的とする国は,『テロとの闘い』に関与した国々で,米国,英国,イスラエル,NATO加盟国及びこれらの同盟国である。イスラム教徒に被害が及ばない地を選定すべき」と主張。
第10号 13.2.28
  • ○ 「アルカイダ」プロパガンダ担当アダム・ヤヒイェ・ガダーンからの寄稿
  • ・ 米国やその同盟国(特に,フランスと英国)の本土及び他国でのこれら国々の権益に対する戦闘を優先するよう発言。
  • ○ イスラム教を冒涜した者を「お尋ね者」(WANTED)として攻撃対象に列挙
  • ・ 過去,預言者ムハンマドの風刺画を掲載したデンマークのユランズ・ポステン紙やフランスのシャルリー・エブド紙関係者を含む11人の名前と写真(うち女性2人は名前のみ)を掲載。
  • ○ 「オープン・ソース・ジハード」
  • ・ 停車中の車に火を点ける方法を紹介。
  • ○ 「アルカイダ」の相談員によるQ&A
  • 〜米国及びフランスの大統領,英国首相などの暗殺方法を問う質問〜
  • ・ 式典やパーティー,選挙期間中が狙い目。
第11号 13.5.30
  • ○ 「ボストンマラソン爆弾テロ事件」を特集
  • ・ 実行犯ツァルナエフ兄弟は,「インスパイア」の全ての内容に鼓舞されテロを実行。
  • ・ 同テロを「単独のジハード」の実例として,「誰」,「なぜ」,「どこで」,「いつ」,「どのように」に着目し評価。
  • ・ 米国に居住するムスリムに対し,「ボストンでの爆破はムスリムの青年の可能性を明らかにした」などと指摘した上で,次の攻撃を実行するよう呼び掛け。
第12号 14.3.17
  • ○ 米国が軍事,経済,社会の面で衰退し,世界の指導者ではない旨主張。
  • ○ 「オープン・ソース・ジハード」
  •  ・ テロの標的として,米国,英国,フランスのスポーツイベント会場や観光地などを列挙。
  •  ・ 新たな自動車爆弾の作り方を特集し,同爆弾を使用した「単独ジハード」を呼び掛け。
第13号 14.12.24
  • ○ 米国の力の柱である「経済」に注目し,米国経済に対する「単独ジハード」を呼び掛け。
  • ○ 「オープン・ソース・ジハード」
  • ・ テロの標的として,米国民間航空機及び米国財界人などを列挙。
  • ・ 新たな爆弾として,非金属のプラスチックや臭いの排出を防ぐシリコン等を使用するなど,空港のセキュリティを通過可能な爆弾を紹介。
年 月 日  主要テロ事件,主要動向等
09. 1.23  最高指導者ウハイシを始めとする幹部らが,ウェブサイト上で,「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)設立を宣言
09. 3.15  ソマリアで訓練を受けたとされる武装要員が,イエメン・シバーム市で,韓国人観光客の団体に写真撮影を装って接近した後に自爆し,韓国人4人及びイエメン人ガイド1人が死亡
09. 3.18  イエメン首都サヌア近郊で,同月15日のテロで犠牲になった韓国人4人の遺体を引き取るため同国を訪れていた遺族らを護送する車列を狙って自爆テロを実行するも,死傷者なし
09. 6.14  イエメン北部・サアダ州で,駐在外国人の集団を襲撃し,ドイツ人7人,英国人1人及び韓国人1人を拉致。翌15日,そのうちのドイツ人2人及び韓国人1人の遺体が発見
09. 8.27 サウジアラビア内務次官爆殺未遂事件
 サウジアラビア・ジッダ市で,アブドッラー・アル・アシーリー(AQAPメンバーのイブラヒーム・ハッサン・アル・アシーリーの弟)が同国内務次官ムハンマド・ビン・ナーイフ王子のオフィスで自爆し,同王子が負傷
09.12.25 米国航空機爆破テロ未遂事件
 米国デトロイト・メトロポリタン空港に着陸直前の米国ノースウエスト航空253便の機内で,ナイジェリア人のウマル・ファルーク・アブドゥルムタラブが爆発物を起爆させ,同人の衣服及び航空機の壁に着火,本人及び乗客2人が負傷。同月28日,AQAPがウェブサイトで犯行を自認
10. 4.26  サヌアのノクム地区で,ティモシー・トーロット駐イエメン英国大使の車列を狙って自爆テロを実行し,警備員ら3人が負傷
10. 7. 1  「アルカイダ」関連組織で初となる欧米諸国のイスラム教徒など向けの英語表記の機関誌「インスパイア」(Inspire)をインターネットで配信
10. 9. 3  米国UPS貨物機がアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイ近郊で墜落し,機長及び副操縦士の2人が死亡。11月5日,ウェブサイト上で犯行を自認
10.10.29 イエメン発米国行き航空貨物からの爆発物発見事案
 英国イーストミッドランズ空港に駐機中の航空機内とUAE・ドバイの荷物集配所で,イエメン発米国向け航空貨物から爆発物を含んだ計2個の航空便荷物が発見。11月5日,AQAPが犯行声明を発出
11. 5.28  イエメン南部・アビヤン州都ジンジバル市がAQAP関連組織「アンサール・アル・シャリーア」(AAS)によって陥落。同勢力は,30日までに,「イスラム首長国」設立を宣言
11. 7.26  AQAPは,「アルカイダ」の新指導者アイマン・アル・ザワヒリに忠誠を誓う声明を発出
11.12.12  AQAP幹部のイブラヒーム・アル・ルバイシが,イエメン北部のシーア派系部族勢力「フーシー派」に対する「ジハード」を宣言
11.12.20  AQAPの広報部門「アル・マラヒム」は,アンワル・アル・アウラキの生涯や事績を特集したビデオ「宣教への殉教者」を発表
12. 2.25  イエメン東部・ハドラマウト州都ムカラ市の大統領宮殿入口で,自動車爆弾による自爆テロを実行し,治安要員など28人が死亡。AQAPが犯行声明を発出
12. 3. 4  アビヤン州のイエメン軍基地に対し,自爆テロを含む攻撃を実行。兵士ら185人が死亡,73人が人質として連れ去られた(人質は4月29日に解放)。AQAPは6日,同事件を含む複数のテロ事件についての犯行声明を発出
12. 3.18  イエメン南部・タイーズ州で米国人英語教師を射殺。AASが同日,AQAPが22日,犯行声明を発出
12. 3.28  アデン市でサウジアラビア人外交官を誘拐
12. 4. 9  アビヤン州ラウダル町を占拠するために攻撃を開始。15日まで攻撃を続けるが,イエメン軍がAQAPを撃退。AQAP側183人,軍・住人39人が死亡
12. 4.22  イエメン西部・フダイダ州で,国際赤十字社のフランス人職員を誘拐(7月14日解放)
12. 5. 7  AP通信が,「AQAPが新たに開発した金属を使わない爆発物による航空機の爆破テロを計画していた」,「米国情報・治安当局が同計画を阻止していた」などと報道
12. 5.12  サヌアで駐イエメン・ブルガリア大使誘拐未遂
12. 5.21  サヌアのアル・サビーン広場で,軍事パレードのリハーサル中に自爆テロを実行し,約120人が死亡。AQAPは「国防相が第一の標的であった」との犯行声明を発出
12. 6.15  イエメン当局が南東部アビヤン州のAQAP拠点を奪還
12. 6.18  アデン市で,対AQAP軍事作戦を指揮していたイエメン南方軍司令官カタン少将に対し,ソマリア人自爆要員が自爆テロを実行。同少将が死亡したほか,兵士4人が負傷。AQAPが犯行声明を発出
12. 6.23  イエメン当局がシャブワ州のAQAP拠点を奪還
12. 8. 4  アビヤン州ジャアル市で,政府に協力してAQAP排除に加わった部族指導者宅で自爆テロを実行し,55人が死亡
12.10.16  サヌアで,国防省顧問の元イラク軍准将を殺害
13. 5. 8  ラフジ州で,空軍幹部(大佐)3人を殺害
13. 7.11  イエメン南部・アル・ダーリア州で,同国南部の分離独立運動「南部運動」最高評議会のムハンマド・ファドル・ジュバリ副議長を殺害
13. 9.30  ハドラマウト州で,イエメン軍基地を襲撃し,少なくとも軍兵士4人が死亡。AQAPは,10月6日,「米国と共闘する治安本部や協力者は至る所で我々の標的である」などとする犯行声明を発出
13.10. 6  サヌアで,在イエメン・ドイツ大使館に勤務するドイツ人男性1人を殺害
13.10.18  アビヤン州の軍基地に対し,自動車爆弾及び銃撃戦による攻撃を実行し,少なくとも兵士7人が死亡
13.12. 5  サヌアの国防省施設に対する自動車爆弾及び銃撃戦による攻撃を実行し,外国人医療関係者を含む50人以上が死亡。AASは6日,犯行声明を発出。また,AQAPは23日,攻撃目標は国防省であり,病院関係者でなかった旨の声明を発出
14. 4. 2  アデン市の軍施設の門付近で自動車爆弾を爆発させた後,同施設内に侵入し銃を乱射し,軍兵士6人が死亡。AQAPが犯行声明を発出
14. 6.26  ハドラマウト州サユーン市で,空軍施設に併設された空港を襲撃し,兵士を含む11人が死亡
14. 7. 4
   〜5
 ハドラマウト州とサウジアラビア南部ナジュラン州が接する国境地点のワディアで,自動車爆弾を爆発させ,イエメン軍及びサウジアラビア軍の兵士各1人が死亡。また,その後,サウジアラビア治安部隊を銃撃し,同部隊員3人が死亡。5日,ナジュラン州シャルラで,ワディアから逃亡してきた戦闘員2人が,治安関連施設に立て籠もった後に自爆
14. 8. 7  サユーン市で,イエメン軍車両を襲撃し,兵士14人を拉致した後に殺害。AASが犯行声明を発出
14. 9.16  AQAP及びAQIMが,イラク及びシリアで対立するイスラム武装勢力に和解と共闘などを訴えた共同声明を発出
14. 9.20  イエメン南部・ダーリア州で,「フーシー派」の商社員1人が誘拐され殺害。AASが犯行声明を発出
14.10. 9  サヌアで,「フーシー派」の検問所を標的に自爆し,少なくとも同派戦闘員等47人が死亡。AQAPが犯行声明を発出
14.10.21  イエメン南部・アル・バイダ州ラダー市で,「フーシー派」を襲撃し,同派約30人が死亡。AQAPが犯行声明を発出
14.12. 3  サヌアの駐イエメン・イラン大使公邸付近で,自動車爆弾を爆発させ,イエメン軍兵士2人を含む3人が死亡
14.12. 6  イエメン南東部・シャブワ州で,人質となっていた米国人ジャーナリスト1人及び南アフリカ人教師1人が死亡。AQAPが犯行声明を発出

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