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アハラール・アル・シャーム・イスラム運動
Harakat Ahrar al Sham al Islamiya, Ahrar al Sham, Movement of the Free People of Islamic Syria, Battalions of the Free People of Syria, Kataib Ahrar al-Sham

主な活動地域

シリア(北部や中部など)

組織の概要

「アハラール・アル・シャーム・イスラム運動」は,2012年1月に結成を宣言したスンニ派武装組織であり,政府の打倒やイスラム国家の樹立などを活動目標にしているとされる。設立者及び当初の指導者はハサン・アブード(別名アブ・アブドラ・アル・ハマウィ,2014年9月死亡)であるが,現在の指導者は,ジャベル・アル・バシャ(2018年8月就任)とされる。

同「運動」は,主にシリア北部から中部を拠点とし,他の反体制派勢力と連携しつつ活動しており,勢力は,総じて2万人規模(2017年6月時点)とされる。戦闘員の大多数はシリア人とされるが,ロシア・北コーカサス地方やリビア,チュニジアなどの出身者も参加しているとされる。中東・湾岸諸国などの個人や非政府組織(NGO)などからの寄附を通じて活動資金を得ているとされる。

結成当初は,アサド政権軍の車列などに対する小規模な襲撃を実行していたが,次第に他勢力と連携して軍や政府の施設を攻撃・占拠するようになったとされる。アブ・ハレド・アル・スーリらアフガニスタンなどからシリアに派遣された「アルカイダ」メンバーが結成に関与しており,スーリは,その後も同「運動」幹部の地位にあったとされる。

同「運動」は,2013年11月に他の反体制派勢力と共に「イスラム戦線」(IF)なる連合体を結成した。2015年には,「ヌスラ戦線」などと共に,3月に「ジャイシュ・アル・ファテフ」を,4月頃に「勝利の戦場」を,さらに,7月には「アンサール・アル・シャリーア」なる連合体をそれぞれ結成し,北西部・イドリブ県や北部・アレッポ県,中部・ハマ県などで,アサド政権軍などに対する攻撃を実行した。

他方,スーリが死亡(2014年2月)して以降,「アルカイダ」の影響力が徐々に低下し,2016年1月に「ヌスラ戦線」を中心に「ジャイシュ・アル・ファテフ」加盟勢力の「完全な統合」に向けた協議が行われた際,同「運動」は,「ヌスラ戦線」と「アルカイダ」との関係性を理由に統合に反対したとされる。また,同年7月の「ヌスラ戦線」による「アルカイダ」からの離脱宣言及び「ファテフ・アル・シャーム戦線」(JFS)の設立表明の際には,これを祝福する一方で,「アルカイダ」からの離脱を証明するよう求めたとされる。また,同「運動」は,同年10月,既に「ジャイシュ・アル・ファテフ」から離脱(2015年10月)していた「ジュンド・アル・アクサ」に対しても,ISILと関係を有していると非難し,双方の対立が再燃した。こうした中,同「運動」の指導者オマル(当時)は,同年12月,声明を発出し,反体制派間の争いや支援の減少などによってシリア革命が弱まっているとし,全ての反体制派勢力や市民の団結を訴えた。

同「運動」は,2016年8月にトルコがシリアへの軍事作戦を開始したことを歓迎したが,同軍事作戦に反対するJFSとの関係が悪化したことから,2017年1月に対JFS共同作戦室を立ち上げ,同年7月には,JFSが結成した「タハリール・アル・シャーム機構」(HTS)と本格的に衝突したが,敗北したために指導部を一新することになった。

同「運動」は,2018年2月,トルコの支援を受けて,HTSから離脱した「ヌール・アル・ディン・アル・ゼンキ運動」と共に「シリア解放戦線」(JTS)を結成し,同年7月には,トルコが支援する反体制派勢力の連合体「国民解放戦線」(NLf, 同年5月結成)に合流した。2019年1月,HTSがNLFに対する攻勢を強めて,イドリブ県の大部分を支配下に置いたことを受け,これ以降,NLFはアサド政権軍に対する攻撃でHTSと共闘するようになったとされる。NLFは,同年10月,反体制派勢力「シリア国民軍」に合流したが,これ以降も,HTSとの共闘を継続しているとされる。

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