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トップページ > 省議・審議会等 > その他会議 > 行刑改革会議 第2分科会 第6回会議

行刑改革会議 第2分科会 第6回会議

日時: 平成15年11月4日(火)
13時55分~15時23分
場所: 最高検小会議室(20階)


午後1時55分 開会

○南会長 それでは,皆様お集まりでございますので,ただいまから第2分科会第6回会議を開催いたします。
 本日は,不服申立制度について私案をお出しする予定でございましたが,前回からそれほど時間もたっておりませんし,更に三連休を挟みましてなお調整の要があると思われることから,次回ということでお願いをしたいと存じます。若干時間があくことになりましたので,私が不服申立制度について御説明しました際にも触れました人権擁護法案について,これは不服申立制度との関連もございますので,法務省人権擁護局から説明してもらうことにしたいと思いますが,それでよろしゅうございますか。

〈異議なし〉
 特に御異議がないようですので,人権擁護法案について説明していただくこととします。
 その後は,前回お話が出ました内部査察について,現行制度にある巡閲制度を矯正局から説明してもらった上,御議論いただく予定です。

1.人権擁護法案について(人権擁護局からの説明)

○南会長 それでは,人権擁護法案について,突然のお願いで誠に恐縮ですが,法務省人権擁護局の大谷調査救済課長に御説明をお願いいたします。
○大谷調査救済課長 人権擁護局の調査救済課長をしております大谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 お手元に資料が3点ほど行っていると思いますが,これに基づきまして御説明をいたします。
 御案内のとおり,人権擁護法案は昨年の3月の通常国会に提出させていただきましたが,この前の国会で衆議院の解散に伴い廃案ということになりました。後でも御説明いたしますが,この法案を提出することになった経緯等からしまして,再提出を目指して今最大限の努力をしているところです。
 最初にどうしてこういう人権擁護法案というものを法務省から出すことになったのか,その経緯を簡単に御説明させていただきます。まず,地域改善対策協議会,これは我が国のいわゆる同和問題をどういうふうに扱っていくのかということを国レベルでずっと審議してきた機関でして,もう一昔前で言えば,同対審と言われていたものが,その後引き続きこの地域改善対策協議会になりました。御承知のとおり,昭和40年代ぐらいから,同和地区を対象に特別の財政措置を講じてきました。それが平成8年5月に出された地域改善対策協議会の意見具申で,そういう財政的な特別措置,これは十分行ってきた,ここで止めようということになりまして,ここで政府の同和対策に対する方針が大転換されたわけです。その上で,そういう財政的な措置に代えて,これから我が国の同和問題を含めた人権問題について何が必要なのかということで,二つの柱が提案されました。
 その一つは,同和問題を含めた人権問題全般について,これは心の問題であるということから,教育啓発,ここに力を入れましょうというのが一つの柱です。もう一つは,これも同和問題に限った話ではないのですけれども,人権問題一般について,具体の被害者が出た場合にそれを救済する実効的な行政における救済制度,これを構築すべきだと,こういうことをもう一方の柱として言われました。これが平成8年5月の話でございまして,その後,財政特別措置につきましては継続中のものについて,一部延長ということで5年間だけ延長されまして,最終的には,平成13年にすべての財政特別措置は終わったという経緯になります。
 一方,どういう教育啓発,あるいはどういう救済制度がいいのかということにつきましては,内容が非常に難しいということで,審議会をつくってそこで議論を重ねてそこで結論を出してもらおうということになりました。そこで,その年の12月の臨時国会で人権擁護推進法という法律が成立しました。この法律が,いわゆる人権擁護推進審議会,この問題を議論する審議会の設置法になりますが,この法案が通りましたときの衆議院と参議院の両法務委員会で,附帯決議がつけられました。その附帯決議の中で,この人権擁護推進審議会の答申が出た暁には,これを最大限尊重した措置,それは法的な措置を含めて必要な措置を講じなさいという指示がなされました。これが,いわば国会から政府に与えられた宿題というようなことになります。
 そして,平成9年5月から,人権擁護推進審議会において,実質的な審議が始まりました。まず教育啓発の問題に先に手をつけまして,それについての一応の答申が出されました。その後,引き続き救済制度の在り方についての審議が続けられまして,最終的には平成13年5月に「人権救済制度の在り方について」という答申が出されました。それから,若干積み残ししていた問題として,人権擁護委員制度の改革という問題がありまして,それにつきましてはその年の12月に「人権擁護委員制度の改革について」という追加答申が出されました。そこで,国会の附帯決議にもありますように,最大限尊重した措置を講じなさいという,御指示がありましたので,我々行政当局といたしましてこの答申に基づき作成しましたのが,この人権擁護法案ということになります。
 その内容については,ポンチ絵と言っているのですけれども,この色のついた資料をもとに御説明をさせていただきます。我々法務省の人権擁護局というのは,人権救済を含め人権擁護の仕事をやっています。具体的には,法務局,地方法務局で人権相談を受けたり,あるいは人権を侵害されて困っているというような申出があればそれについて調査をし,その事案に応じた措置を採る,そういうことをやっています。ところが,我々この業務をやっているのですけれども,その根拠というのは実は法務省設置法にそういう人権救済に関する部分があるだけで,いわゆる作用法というのですが,具体に救済手続を採るための法律というものがございません。今回の人権擁護法というのは,一つは今申し上げたそういう救済手続に関するいわゆる作用法と言われている部分と,もう一つは,いわゆる組織法と言われている,要するにこの新しい人権救済制度をどういう機関が担うのかというその機関の部分の二つに大きく分かれます。
 そこで,このポンチ絵に基づいて説明いたしますと,今申し上げました組織法の部分,これがこの図の上の方になります。新しい人権救済制度がどうあるべきかということについて審議会の答申でどういうことが言われたかといいますと,新しい人権救済制度を担う組織は,政府からの独立性を有し,中立公正さが制度的に担保された合議制の機関,すなわち委員会組織とすべきであると,こういう指摘を受けました。今我々が人権擁護事務をやっていますが,あくまでも法務省の中の一内部部局がこれをやっているという関係になります。どうしてこういう独立性が必要なのかという一番大きな理由としては,人権侵害の中で特に公権力の行使による人権侵害,これについて実効的な救済を図る必要がある,それに対応するのには,一省庁に従属したそういう内部部局型,そういう組織ではいわゆる実効性の面,あるいは制度に対する信頼性の面,いずれの点からも限界があるだろう,そういうことでこういう独立行政委員会型のものを設置しなさいという答申を受けたわけです。
 ところで,この政府からの独立性という意味については非常に誤解されやすいところで,我が国の行政組織において,政府すなわち内閣から完全に独立した行政機関を作ろうとするなら,憲法改正をして,例えば会計検査院のように憲法上の機関として位置付けるほかありません。そうではなくて政府から完全に独立した行政組織というのは,実は憲法上つくれないわけです。したがって答申で言われている政府から独立したという意味は,実質的な業務をやっていく上で,その業務に対して政府から指揮監督を受けないという,そういう意味での独立性を担保しなさいという,こういう内容だと理解しております。私が申し上げましたことにつきましては,この法案の審議の中で参考人ということで国会で意見陳述していただきましたが,この人権擁護推進審議会の会長を務めていただきました塩野宏先生も同様の意見陳述をされています。
 では,我が国で一番政府から独立性の高いそういう行政組織としてどういうものがあるかと見渡しましたところ,一番独立性が高いのは国家行政組織法3条に基づく委員会,俗に言う独立行政委員会ということになります。これ以外に人事院というちょっと特殊な組織がありまして,これは内閣に置かれている機関なのですけれども,ここは国家公務員の身分に関することを扱うということで,各省庁の職員の身分に関する処分についていろいろ意見を言うというようなことから,内閣直属になったという経緯があります。そういう極めて特殊な例外を除きまして,一番独立性の高い行政機関ということになると,今申し上げました国家行政組織法3条に基づく委員会,俗に3条委員会というものになります。この組織をつくることが一番この答申にマッチしているだろうということで,作業を進めたわけでございます。
 ところでこの3条委員会というのは,戦後アメリカの行政制度の影響を受けましてたくさんできたわけですけれども,その後整理されていきまして,今現存している3条委員会というのはたしか六つだったかと思います。法務省の外局として,司法試験管理委員会,公安審査委員会と二つあります。ただ司法試験管理委員会は,先般の司法制度改革に伴いまして,来年の1月以降3条委員会から8条委員会に代わります。そのほかには,公害等調整委員会,公正取引委員会,中央労働委員会,船員労働委員会の4つの委員会があります。
 直近で,一時的な3条委員会というのが実は金融関係でちょっとあったのですけれども,恒常的な3条委員会としては,実は公害等調整委員会が昭和47年にできまして,それから数えると約30年ぶりにこの人権委員会というのが3条委員会として立ち上がることになったわけです。要するに,新たに3条委員会を立ち上げることについては,現実的な問題として大変ハードルが高いということになるかと思います。
 そういう国家行政組織法3条に基づく委員会をつくる。これは意思決定機関,合議機関ですから,そこで意思決定をする。当然のことながら法務大臣から指揮監督を受けないということになります。実はこの国家行政組織法3条に基づく委員会というのは,必ずどこかの省の外局でなければいけないという法律上の制約がございます。この3条委員会のほかに平成13年の法改正で変わったのですが,実は内閣府の下にある委員会として,国家公安委員会というのがあります。これはもともとは3条委員会と根は一緒なのですけれども,これも含めますと独立行政委員会というのは,我が国の行政組織制度をもとにした場合には,必ずいずれかの府省の外局にしなければいけないという制度的な制約があるわけです。
 そこで,それを法律上どういう言葉であらわすかというと,法務省の外局という場合は,これは法務大臣の所轄ということになります。実はこれが大変誤解を招きましたが,法務大臣の所轄ということで,では法務大臣の指揮監督を受けるのかというと,そういうことは一切ありません。それはほかの3条委員会すべてについてそうです。
 では,ある省の外局にある,あるいはある大臣の所轄にあるということが,行政的にどういう意味があるのかというと,実は2点ございます。
 一つは,法案提出ということにつきまして,そこの所轄の大臣から出すということになります。これは,閣法というのは内閣で意思決定して出すということになりますので,必ずどこかの大臣を通さなければいけない。だから,そこに所属しているというか,そこに位置する大臣の名前で出す,これが一つあります。もう一つは,予算要求の問題です。これも,法務省に所属しているいろんなものを取りまとめて,法務省から出すという形になります。ですから,所轄ということで意味をなすというのは正にこの法案提出の関係と予算要求の関係の二つだけです。それ以外のいわゆる職務についての指揮命令系統関係は一切ありませんし,また報告といったことも一切ございません。それから職員の任免権,これは国家公務員法55条に定められておりますが,要するに外局の長が職員の任免権を持っております。これも,法務省,法務大臣とは一切ノータッチということになります。そういう意味で,これはいろいろ御議論のあるところなのですけれども,法務省の外局にしたからといって,ではそれは法務大臣の言うとおりに仕事をするのかというと,一切そういうことはないということです。ですから,例えば内閣府にこれを持っていったら完全独立かというと,今申し上げたように法律も予算も内閣府の長としての内閣総理大臣から出ていくということになります。
 ところで,委員会組織というのは,意思決定機関です。ですから,当然現場でいろいろ事実関係を調べたり,あるいは相談に乗ったりするいわゆる実行部隊が要ります。それにつきましては,3条委員会というのは法律によって自前の事務局をつくることができるということに国家行政組織法はなっております。それに基づきまして,人権擁護法案でも自前の事務局ということで中央に事務局を一つつくることにしています。ただ人権侵害といった問題は各地方で起きるものですから,本当は各地方に事務所を設けて,そこで相談を受けたりあるいは具体の人権侵害の調査をする必要があります。そこで,事務局の地方事務所という位置付けでこれをつくることができるということをこの法案でも規定しております。
 ただ,具体に何か所どこに地方事務所を設置するかというのは,実はこれは法律の問題ではなくて,実際のその時々の行財政事情をもとにしたいろいろな折衝の問題になっていきます。人権委員会を最初に立ち上げたときの最初の計画では,いわゆる高裁所在地8か所,ここに地方事務所を設置するということで出発することにしていました。
 ただ,これだけでは,その地方事務所の置かれない部分がどうしてもできてしまいます。そこの部分については,現在地方法務局が人権擁護の仕事をやっていますので,その事務を委託するということで出発することにしました。もちろん,この事務に関しては,すべて人権委員会が指揮する,そういうことに法律上手当てがされております。
 それから人権擁護委員という,これはいわゆる民間ボランティアの方で,全国に約1万4,000人おられますが,こういう方が人権相談に乗ったり,あるいはそういう人権侵害の調査に参加したり,あるいはいろいろなお手伝いをしていただくという位置付けなのですけれども,これは今法務大臣が委嘱して,法務大臣のもとにあるのを,今度新しい制度ができたときには人権委員会で任命し,人権委員会に置くという,こういう位置付けにしております。
 ごくごく大ざっぱに言いますと,こういう組織で新しい救済制度をやるということで,この法案をつくりました。
 では次に,救済手続はどうなるのかということについて,若干御説明いたします。恐らくこの行刑改革会議で議論されておられる一番の御関心事というのは,恐らく刑務所内でのいろいろな人権侵害ということだと思われますので,ではそういうものについてどうなっていくのかということを中心に御説明したいと思います。
 基本的には,被害者からの救済の申出があったら,原則的に応ずるという形で入っていきます。このポンチ絵で見ていただきますと,事件の受理の下に一般人権侵害と特別人権侵害等というふうに分かれております。実は特別人権侵害というのは,より強い効果を持った措置をする対象として一定の人権侵害を法律で定めております。それは,いわゆる差別,虐待というものを中心に,具体的に規定しております。
 では刑務所で受刑者が人権侵害に遭ったらどれに該当するのかというと,お手元に条文が行っておるかと思います。ちょっと小さい字で大変申し訳ないのですけれども,特別人権侵害ということにつきましては,42条に定めております。その42条の1項3号で,「次に掲げる虐待」というものの一番最初に,イとして「国又は地方公共団体の公権力の行使に当たる職員が」云々と,要するに虐待として,次の4類型がある,こういう定め方をしています。
 今回,例えば刑務所の中で刑務官等の公務員が受刑者に対してそこに掲げてあるような行為をすれば,正に特別救済の対象になることになります。今申し上げましたように,ここに一定類型の差別,虐待事案,これを特別救済の対象とすると定めております。ここから外れるもの,これについてはいわゆる一般救済の対象にするという位置付けです。
 この一般救済と言っているのは,今我々人権擁護局の職務としてやっていることとほぼ同じです。要するに調査も任意,それから措置も任意という,そういうレベルの話です。調査をしようとして,相手が拒否する。その場合は任意でしかできませんので,そこで調査はストップしてしまう。措置についても,いろいろ指導だとか,今は勧告という言葉を使っていますけれども,いろいろするけれども,それについて特に強制力があるわけではありません。そういうことで,ある意味ではすべて任意の世界の中で動いているのが,今の我々のやっている人権擁護行政です。
 ただ,実は人権侵害,特に差別事案はそうなのですけれども,強制的にやればいいというものではなくて,任意の世界ということで粘り強く説得していく,粘り強くお願いしていく,そういう中で解決していった事案というのが,実は本当に問題を解決するというのが圧倒的に多うございます。今実務をやっている感覚から言いますと,強制的に何かやったからといって,その場はおさまっても,それは決して再発の防止にはつながらないという実感を持っております。そういう意味で,任意の世界というのは大変大事なのですけれども,それではどうしても言うことを聞いてもらえない,どうしても被害者を助けなければいけないという場合,特に被害者が弱い立場にある場合,そういったものをこの特別侵害の対象として挙げました。
 ではどういうことができるのかといいますと,もちろんこの特別事件の対象となる事案に対しても,一般調査,一般救済はできます。それに加えて,特別調査,特別救済措置というのを用意しています。特別調査というのは,過料の制裁を背景にした調査方法です。要するに,話を聞きたいから出頭してほしいといったときに,出頭を拒否する場合に過料がかかる。あるいは人権侵害に関係している物を持っているので,それを出してほしいと言っても,それを拒む場合に過料をかけるとか,あるいは人権侵害の行われた場所に立ち入りたいがこれを拒否する場合について過料をかけるという形で,いわゆる行政罰である過料の制裁を背景として,そういう調査を可能にするということにしております。
 そして,このような調査を経て,人権侵害の有無についての事実認定をしていくわけですけれども,では措置としてどういうメニューを用意しているかといいますと,まず一つは調停・仲裁というメニューを用意しています。これは,そういうきっちりとした仕組みの中で両者の話し合いによって紛争を解決していくというもので,ある意味では任意の延長です。そして,調停・仲裁もうまくいかない,当然一般救済のレベルではだめだということになると,次のステップとしては勧告・公表ということを行います。要するに,そういうことをしてはいけないとか止めなさいとか,何らかの措置を講じなさいとか,こういう勧告をしていきます。その勧告に従わないと,その場合はそれを公表していく。そういうステップを踏んでいきます。それでも言うことを聞いてもらえないときには,実はこの勧告をするについては,人権委員会としては人権侵害があったという事実認定を証拠に基づいてしているというのが大前提になっております。そうすると,裁判で訴えていけるということがベースになります。その被害者が,自分の訴権を行使して裁判所へ訴えていく。その裁判を人権委員会が支援するという形で,この人権委員会の行った勧告を実効化しようというのがこのスキームです。
 どういう形で支援していくかというと,一つは資料提供。調査で集めたいろいろな資料をその裁判に提出していくというのが一つです。それでもまだ十分でない,そういうときに,訴訟参加という形で,訴えを行った被害者の側に立って訴訟に参加していく,そういうスキームを用意しています。最終的には,人権委員会は,裁判,すなわち司法手続を通じて,その救済の実効性を図るということを背景にしているということによって,前段階での勧告であるとか,あるいは一般救済であるとか,こういった措置の実効性が高まるものというふうに期待しておるわけでございます。ごく大まかに言うと,そういうスキームで救済していくということになります。
 なお,「差別助長行為等」と横に書いてありますけれども,これはちょっと今回の刑務所内での事案とは関係ありませんので,説明を割愛させていただきます。時間になりましたので,これぐらいで御説明を終わらせていただきます。
○南会長 どうもありがとうございました。お忙しいところを。
 それでは,今御説明がございました人権擁護法案について,御質問のある方は,この機会にどうぞよろしくお願いいたします。
○久保井委員 この法案,廃案になった理由ですね。どういう理由から廃案になったのでしょうか。
○大谷調査救済課長 一番直裁な理由は,衆議院が解散したことということで廃案になったということなのですけれども。先生の御指摘は,要するに,去年の通常国会に出して,要するにそこまで審議が延びたのはなぜかという,その理由でしょうか。
○久保井委員 そうですね。3月に提出されながら,1年以上たっているのに結局成立しなかったのはなぜなのか。
○大谷調査救済課長 成立しなかったのは,十分な審議をしていただけなかったということですが,その主たる背景事情となりましたのが,最初に出したときに,我々の法案が個人情報保護法とセットにされまして,いわゆるマスコミ規制三法案ですか。実はもう一つの法案は何か青少年何とかという,実はこれは法案でも何でもないのですけれども,ただこの3つがひとまとめにされまして,マスコミ規制だとか,表現の自由を侵害するというようなことでさんざんマスコミから批判されまして,そういうことで昨年の通常国会は全然動かなかったというのが正直なところです。
○久保井委員 この法案の,どの条文ですか。
○大谷調査救済課長 さっき特別救済というふうに申し上げましたが,その特別救済の対象の中に,差別虐待に続きまして,報道機関による犯罪被害者等に対する一定の人権侵害,実はこれを入れています。これが,先ほどの条文で言いますと42条の1項4号の話になります。ここに書いてありますような報道機関等の行う次の人権侵害。一つは不当なプライバシーの侵害であり,もう一つはいわゆるメディアスクラムと呼ばれているような,過剰な取材,これを対象にしています。報道機関を対象にしたがゆえにメディア側から大変な反発に遭いまして,そのためほとんど最初の通常国会では先へ進まなかったというのが実情です。
 次の臨時国会におきましては,ようやく審議入りをしていただきました。参議院先議のため,参議院の法務委員会でまず審議されたのですけれども,最初に対政府質疑ということで1日やってもらいました。その後さっき若干申し上げましたけれども,参考人の意見陳述,それに対する質疑というステップも踏んでいただきました。恐らくあと一回審議をやれば参議院で採決ということになったと思うのですけれども,実は名古屋刑務所の問題で,ちょうど私が今申し上げた参議院の法務委員会で法案審議をやった翌日に強制捜査が入りまして,それで,これは理屈の上からは本当におかしいと思うのですけれども,だから法務省の外局ではだめなんだというような,こういうイメージが先行しまして審議に入っていただけなかった。それがずっと尾を引きまして,次の通常国会のときも,その後また名古屋刑務所において別の事件が続いたものですから,やはり同じ法務省の傘の下にある組織ではだめなんじゃないかというイメージが先に立ちまして,結局審議に入ってもらえませんでした。そのほか,法務省の提出法案がたくさんあったこともありまして,特に今年の通常国会ではこの法案だけでなくて,あと2本か3本,結局審議できずに廃案になっています。法務委員会には,司法制度改革の関係の法案も山のようにありましたから,そうなってくるとやはりどうしても反対のより少ない法案から審議していこうかということにならざるを得ませんので,そういう形でこの前の通常国会も結局継続になって,この臨時国会で結局解散ということになってしまい,廃案になったという経緯でございます。
○久保井委員 今後の見通しはどうですか。予定なり。
○大谷調査救済課長 私の方としては,この組織なりこの手続は是非とも必要だと考えています。いろいろ御批判はあると思いますけれども,今の我が国の制度の中において,二歩も三歩も前に進む制度であることは間違いないというふうに思っております。ですから,何とか再提出したいと努力しておりますけれども,ただそれをこのままの内容でいいのか,あるいはその時期としてすぐに次期通常国会に出せるのかどうか,そのあたりはいろいろ今検討しているところでございます。
○南会長 ほかにどうぞ。
○瀬川委員 審議の中で,いわゆる受刑者の権利救済というか,それがある程度正面切ってというか,そういう議論をされたことがあるのか,どの程度だったのかということ。
○大谷調査救済課長 審議会の審議をやっているときは,私は直接の担当ではなかったので,今,正確なことは説明できませんが,確か矯正局の方から不服申立制度というか,情願ですか,こういうのがあって,その実情についての説明は受けました。その中で,審議会として若干の議論は行ったように思います。ただ,この点については国内人権機関というのが,一体どういうものをターゲットにするのかという問題がございます。人権擁護法案について,公権力による人権侵害に対する対応が弱いのではないかという指摘を時々受けます。しかしながら,実は国際的に見ますと国内人権機関についてはいろんなタイプがありまして,これはもし必要でしたらまた御紹介しますけれども,韓国の人権委員会の委員をやっておられる方が,この問題について,立命館かどこかで論文を書いておられます。その中で,世界中にそういう国内人権機関についてタイプが三つあると指摘されています。先進国,後進国という表現の仕方は非常に問題があるのですけれども,論文で使っている表現をそのまま引用しますと,一つは先進国型というもので,これはどういうものかというと,いわゆる差別事案のみを扱うものです。その対極にあるのがいわゆる後進国型というものでこれから国際社会に出ていく上で,うちはこれだけしっかりやっているのだということを示すためにつくるものです。だから,そういうところでは正に公権力を含め,幅広い問題を対象にすることになります。その真ん中にあるのが,いわゆる移行期型といいまして,かつて独裁政権だった,あるいは軍事政権だった国が,民主化へ進もうとしている,その過程においてこういうものが必要だということでつくるものです。そこで,韓国のその方は,韓国が今から人権委員会をつくるときに,ではどれをモデルにするのだといったら,もうこれは移行期型しかないということで,この論文を書かれています。ですから先進国型というイメージでいくと,実は公権力による差別問題というのは確かに扱うのですけれども,例えば虐待というものについては扱いません。国によっては,刑務所問題に特化した機関があるかもしれませんけれども,基本的には先進国における国内人権機構で扱うテーマではないわけです。ですから,審議会の議論の中でも,刑務所の受刑者の問題も議論には出ましたけれども,別にそれを中心的に議論したわけではありません。我が国の現在の人権侵害全般の実情という議論を幅広くやる中で,そういう問題も取り上げられたと,こういう位置付けになるかと思います。
○南会長 大平先生,何かございますか。
○大平委員 ちょっと本件に関して,所管に意味があるのは,法案提出権と先ほど予算提出権とおっしゃいましたよね。法務大臣の指揮監督を受けないという,その指揮監督を受けないならばそんなに問題はないかなとは思うのですけれども,ただ予算権があるということで,かなりその予算的なコントロールができるのではないか。事実上余り正面切って物が言えなくなるのではないかなという感覚は実はするのですよ。そのあたりをちょっと御説明願えませんか。
○大谷調査救済課長 法律的な説明は難しくて,運用上の話になるのかもしれませんが,まずそれは実はどこの外局へ持っていっても同じ話で,独立行政委員会が自ら予算提出権を行使するということは,現行の法制ではできません。必ずその所属する先の府省を通じて出さざるを得ないというのは一緒です。ですから,観念的には,そこでだめだと言われてしまえば,もちろんそうなのですけれども,ここが先進国,後進国というのはちょっと表現が不適切かもしれませんが,我が国で例えば人権委員会の予算について,合理的な理由もなく次の年に例えばそれを半減しようなんていうことは実際上できないと思います。そんなことをしたら大変なことになります。しかしながら,実は国によっては,そういう国もないわけではないと思います。いわゆるパリ原則にある財政の確保というのは正にそういうことを踏まえて,きちっとした財源を確保しなさいというようなことを言っているわけです。ですから法務省の外局として設置された場合,法務大臣が人権委員会はうちにとって何かけしからん勧告ばかりしているから,では予算もカットしましょうなんていうことは,それは観念論としてはあったとしても,現実問題としてはおよそあり得ない話だと思います。したがって,人権委員会の独立性が予算提出権の所在によって損なわれるとはおよそ考えがたいと思います。
○久保井委員 韓国では,法務省の外に内閣に直属しているというのは本当ですか。
○大谷調査救済課長 韓国では,金大中さんが大統領選挙の公約の中に国内人権機関の設置を入れましたが,これは,御案内のとおり,韓国では光州事件を始め公権力による人権侵害が大きな社会問題として取り上げられ,その対策の一つとして挙げられたというふうに聞いております。この選挙公約を受けてつくろうとしたのですけれども,もちろん当初は日本で言う法務省から出そうとしました。公権力からともかく独立したものをつくりなさいという,そういう要請があったものですから,最初どうもつくろうとしたのは,独立行政法人か何かそういう極めて私的な組織として法案を作ったというふうに聞いています。そうすると,それでは弱過ぎる,やはり国の機関でなければ困るみたいな議論があって,それでどうも最終的にはいろいろNGOとかNPOの人が知恵を出して,結局議員立法で出したというふうに聞いています。そういうわけで,普通政府から出す法案ならば,新しい行政機関をつくるときに組織上の位置付けをどうするかとか,既にほかの行政機関がやっている同様の業務とどう調整するかということについてはきちっと定めるのですけれども,実はそのあたりの手当てがなされていないようです。ですから,韓国の人権委員会の位置付けは大変難しくて,韓国の人権委員会の当事者の方は,三権の外にある四権だというふうなことをおっしゃっているようですが,政府の人は,決してそんなことは言われていないと思います。それは我が国と同じように,そんな三権から独立した別の機関をつくろうとするなら,憲法を改正しないとできない話なので,四権というのかは不正確な言い方だと思います。ですから,向こうはそもそも大統領制ですので,日本と全然違うのですが,大統領の下に置くのならそういう条文を入れればよかったのでしょうが,多分そういうものがないのではないかと思います。しかしながら,そういうところから全く外れてしまった行政機関というのは,法律上はなかなか説明しにくいと思います。ですから,そういう意味では説明する人によって,説明の仕方が違うのではないのかなというふうな印象を持っています。
○久保井委員 結論どうなのですか。
○大谷調査救済課長 大統領のもとにあるというような言い方が正確ではないかと思いますけれども,明文の規定はないと思います。
○南会長 明文はなかったと思いますね。
○大平委員 かなりマスコミからも批判されています。
○大谷調査救済課長 例えば議会でイラクの例の特別何とかに参加するというような議決をやったのに対して,人権委員会がそれはおかしいというような意見を表明して,問題となったと聞いています。人権委員会の立場からすれば我々は四権だからいいのだと言うのでしょうが,政府の方からすればそれはおかしいだろうということになるでしょう。そういう高度な政治的な判断にまで口を出していいのかという問題です。
○瀬川委員 法務省の外局として成立することが決まるまでに,議論としては独立性の問題が一つありますね。触れられたかもしれませんが,もう一つは,行政改革というのは経済性というか,その点の議論が勝手に僕は印象があるのですが,その点はどうですか。
○大谷調査救済課長 平成13年のいわゆる省庁再編のときに,こういう事務については何省が担当するのだという一つの仕切りがされました。その中で人権擁護行政については,法務省の仕事とされたわけです。しかも,特に力を入れなさいと言われた事務です。そういう行政の役割分担としては,法務省が人権擁護行政を担っているところで,審議会の答申で独立性のある組織をつくりなさいと言われれば,つくるとしても法務省でしかつくれません。そうすると,法務省の所掌事務の中にそういうのがあり,それをしっかりやりなさいという宿題が出されたときに,我々が取れる選択肢としては,法務省の外局しかないということになります。
 それからもう一つは,正に先生が今おっしゃったような行政効率というか,この行財政事情の折に全く新しい組織をつくるということが果たして可能なのかということはあります。それは,恐らく省庁再編のときに多分議論されたことだと思います。審議会の中では,どこの外局にするかという議論はここで結論を出す問題ではないという位置付けがされました。また,先ほど申し上げた法務委員会で塩野会長が言われたのですけれども,独立性は独立行政委員会,すなわち3条委員会という方式を採ることでそれは担保されている。これをどこの外局に置くかということによって独立性が損なわれるという議論は,これは独立行政委員会というシステム自体,これを否定することになるのだ,そういうことをおっしゃっています。
○久保井委員 食品安全委員会というのができたでしょう。あれは農林省ではなくて内閣府がやっていますね。あれはどういう事情からですか。
○大谷調査救済課長 正直なところよその話であり,余り中身のことをよく知りません。ただ,あれは農林水産省と厚生労働省の両方の所管にかかわることです。それについてどうするかという話を決めるのに,片方にやはり置くわけにいかないと思います。それともう一つは,その委員会のマンデイトというか何をするかというのは詳しく知らないのですけれども,仮に政策調整的な仕事を担うとしたら,それは多分内閣府の方がふさわしいと思います。これに対して人権委員会が何をするかというと,そういう調整的なことをやるのではなくて,個々具体に起きた人権侵害をどう救済するかという,ある意味では非常に裁判所に近い,そういう機能を発揮するものになりますので,むしろ内閣府の調整機能というのとは相矛盾してしまうという,そういう問題もあります。
○南会長 そうしますと,今内部部局となっている人権擁護局というのは廃止されて,全部これは外局に移るわけですね。
○大谷調査救済課長 法律的には人権擁護局はなくなります。それで,その移るというところが,これがまた非常に誤解を招いているところですが,新しい組織を立ち上げれば,同様の仕事をしているものをつぶさなければいけないという議論になるかと思います。
○南会長 スクラップしないとビルドできないわけですか。
○大谷調査救済課長 それは,私の立場からはなかなか説明しづらいところがありますが。
○南会長 大体そういうふうなあれではありますね,全体として。ありがとうございました。時間の関係もございますので,それではこの程度にさせていただきたいと思います。
 それでは,10分ばかり休憩をさせていただきます。45分ぐらいから始めます。どうもありがとうございました。


午後2時35分 休憩

午後2時45分 再開

○南会長 それでは,議事を再開いたします。

2.透明性の確保(巡閲)について(矯正局の説明)

○南会長 次に査察に関する検討に移りたいと思いますが,まず現行法に巡閲という制度がありますので,巡閲の制度内容,運用状況等について,矯正局から御説明してもらいたいと思います。矯正局の渡部矯正監査室長,佐伯専門官,よろしくお願いいたします。
○渡部矯正監査室長 それでは,巡閲について御説明させていただきます。
 巡閲は,監獄法第4条に基づき,法務大臣の指名を受けた巡閲官が行刑施設に赴き,施設運営全般について監査する制度であり,各行刑施設について2年に1回以上実施すべきこととされております。矯正局の課長等が巡閲官に指名され,運用上各施設2年ごとに実施されております。巡閲の目的をよりよく達成するため,巡閲には巡閲官のほかに,その補佐の任に当たる巡閲補佐官が数名同行し,調査を担当しております。
 巡閲は,施設の各課等の事務処理の状況,被収容者処遇の状況等,広範にわたる施設運営全般を対象事項とすることから,巡閲補佐官が日ごろ担当している事務分野等を中心に調査に従事するほか,効率よく監査を実施するため,矯正局において巡閲重点事項を定め,あらかじめ同事項に関する報告書類を施設から提出させ,事前に施設運営状況を把握した上で施設に赴いて,点検項目の実際を確認する方法により,施設運営上の重要事項について統一的な調査を行っているところであります。また,このような調査に際し,各補佐官が調査状況から必要と認めたあらゆる分野について,適宜確認調査を行っております。
 巡閲の実施状況として,府中刑務所に対する直近の巡閲である平成14年度の実例をお示ししますと,二日間の日程で矯正局保安課長,局付,鑑別企画官,少年教育企画官の4名が巡閲官となり,巡閲補佐官として保安課補佐官ほか8名,総勢で13名の体制で巡閲が行われました。巡閲官が4名に及ぶのは,同所の場合巡閲官情願の申立てを希望する者が111名と多数に及び,巡閲期間中にこの聴取を終える必要があることによるものであります。
 平成15年度における巡閲重点事項としましては,14項目が指定されております。まず第1の項目は,職員の服務・規律保持対策の状況。第2項目が,業務処理・職員配置の効率化の状況。第3として,経理事務の適正化対策の状況。第4が,文書の管理状況。第5が,革手錠使用中の者及び保護房収容中の者に対する処遇等の状況。なお,革手錠については本年9月末をもって廃止されております。第6点が,被収容者が不服申立てをした際の手続等。それから第7点として,被収容者の動作要領の見直し状況。第8に,警備計画の策定及び実施状況。これは支所も含んでおります。第9として,刑務作業の実施状況。第10が,医療衛生活動の実施状況。第11が,分類調査及び釈放時保護の運用状況。それから第12として,食料給与状況。第13が教育活動の実施状況。それから最後に第14として,その他施設運営の重要事項,これらが指定されております。
 これらの各重点事項ごとに調査細目が定められております。例えば1の職員の服務・規律保持対策の状況につきましては,まず1点として職員の服務・規律保持のための実効性ある研修・指導の実施状況。第2点として,メンタルヘルス,人権教育研修の実施状況。それから第3点として,事故防止の未然防止のためのチェック体制,及び事故発生時の対応についての事前準備の状況。第4点として,職員の功過の基準と運用の実際というふうなことについて調査すべきこととしており,一定の質を保った監査となるような配慮がなされております。
 これらの調査を通して確認した調査結果につきましては,適宜補佐官等が調査過程で改善指導を行うとともに,施設運営状況全般に関して良好な点,改善事項等を指摘し,施設運営の向上に反映できるよう努めております。巡閲結果については,後に述べる巡閲官情願の裁決等の結果も含めて,後日報告書が作成され,法務事務次官までの決裁を了しております。
 次に,管区監察について御説明いたします。法務省矯正局の所掌事務を分掌する地方支分部局として,矯正管区が全国8ブロックに置かれております。第1部から第3部までの三つの部が置かれており,このうち第1部の事務として矯正施設に対する監察に関すること(矯正管区組織規則・省令)が定められております。矯正管区は行刑施設に対する定期の監察として,部長が監察官となり,監察補佐官とともに各施設ごとに2年に1回の管区監察を実施しております。本省の巡閲と交互に実施する結果,各施設とも毎年いずれかの監査を受けることになります。
 管区監察は,施設の運営状況全般が対象とされますが,矯正管区が施設に距離的にも近く,監察日程等にもより余裕があること等もあり,より詳細にわたる事務監査が行われております。また,定期の管区監察とは別に,例えば保安事故を惹起した施設に対して臨時の監察を行ったり,同種事故防止のため他の施設に対しても特別監察という形で監察を行うなどしております。
 管区監察の実施状況としましては,府中刑務所に対する本年度に予定している実例をお示ししますと,二日間の日程で東京矯正管区第一部長が監察官となり,監察補佐官として同管区保安課長,医療分類課長,管区調査官ほか5名,総勢9名の体制で監察が行われる予定であります。なお管区監察については,もっぱら事務運営についての監察にとどまり,巡閲の場合のような監察官に対する不服申立て等の機会は設けられておりません。
 次に,巡閲官情願について御説明いたします。情願一般についての御説明は,以前分科会において御説明させていただいたとおりでありますが,巡閲官情願は,巡閲官に対し口頭又は書面で申し立てる情願であります。巡閲官情願は,巡閲官の判断によりその名と権限において裁決等の処理がなされております。実際の処理に当たりましては,巡閲官又は巡閲補佐官が直接施設に対し,必要と認める実情調査を行い,確認した事実関係のもとで裁決等の処理を行うこととなりますが,裁決等に当たって裁決書は作成されず,代わって情願簿が作成され,口頭により申立人に告知されることとなります。
 巡閲官情願の具体的な処理の流れとしましては,巡閲官が巡閲のため施設に赴く2週間程度前から,構内放送等により被収容者に対し,巡閲が実施されること,巡閲官に対する情願の申立てを希望する者は職員に申し出ること等を周知し,情願申立ての願い出をした被収容者について巡閲の際に順次施設職員の立会をさせることなく直接被収容者から口頭で不服とする内容を聴取し,また,被収容者が書面による申立てを希望する場合には,大臣情願の場合と同様の秘密保持のための配慮をした上で,あらかじめ書面を作成させ,巡閲の際に提出を受け,不服の内容確認後,巡閲補佐官等が速やかに関係職員からの事情聴取又は報告書の徴取,関係資料の収集等を行い,不服の対象となった事実の有無を確認し,その当否を巡閲官が判断して裁決等の処理を行っております。
 裁決等の処理結果につきましては,情願簿に記載し告知することとなりますが,通常,申立件数が多数にわたること,実情調査に時間を要することから,即日の処理は困難であるため,情願簿を施設に送付し,施設の処遇部長等の上級幹部職員が告知しているのが通例です。
 巡閲官情願の裁決等の内訳についての統計はありませんが,以前にも御説明いたしましたとおり,巡閲官情願が法務本省の幹部職員に直接面接して不服を述べる機会であること,ほとんどは口頭による申立てです。このことが影響しているものと思われますが,申立ての内容としては,不服ではなく施設の処遇等に対するあるいは関する意見,希望,感想等を述べる傾向が顕著に見受けられます。
 平成14年度中に巡閲が実施された35施設において,延べ632人が2,566件の巡閲官情願を申し立てており,そのすべてが既に処理されております。
 現行の巡閲の問題点について,巡閲を担当する立場から現行の巡閲の問題点として感じていることにつきましては,巡閲を担当する職員としては,通常の業務を担当しつつ巡閲に赴くこととなるため,相当な負担となっており,また予算的な制約等もあるため,長期化させたり巡閲の実施回数を増やすことも容易ではありません。したがいまして,職員定員事情が許すのであれば,巡閲や管区監察の事務を専門的に担任する部署を設置し,監察のノウハウを蓄積,集約するとともに,施設運営に関する情報を収集,分析し,的確に臨時の巡閲監査が行えるような体制を採ることが望ましいと考えております。以上でございます。
○南会長 ありがとうございました。

3.透明性の確保(内部査察)について(議論)

○南会長 ただいまの御説明につきまして,御質問がございましたら,よろしくお願いいたします。
○瀬川委員 巡閲なのですけれども,大変御苦労はよく分かった部分もありますし,余り知られないというか,内輪で何か適当にやっているのではないかとみんな思っているところがありましたが,大変参考になりました。
 その点で,少し細かいことなのですけれども,被収容者が,その巡閲があることを知るのはどの場面でしょう。
○渡部矯正監査室長 先ほど申しましたように,約2週間ぐらい前に構内放送といいますか,所内で放送をかけまして,いついつ巡閲がありますと。
○瀬川委員 張り出したりはしない。
○佐伯専門官 受刑者が構内を自分の意思で自由に動き回れるような環境にございませんので,むしろ張り出しても余り周知はできない。ラジオ放送,舎房に放送設備がございまして,そういった周知放送については全館流せるようになっておりますので,それで複数回流しております。
○瀬川委員 情願書を口頭じゃなくて書面で出す場合の情願用紙というのは,どこに置いてあるのですか。
○佐伯専門官 これは大臣情願の場合も同じでございますが,処遇部門の事務室に通常ございますので,申出があれば必要枚数等を聞いた上で。
○瀬川委員 担当の方にまず言って,その書面が欲しいという感じになるのですね。
○佐伯専門官 はい。
○瀬川委員 分かりました。それからもう一つ,口頭での回答がなされるのは,大体どれぐらい後なのかということです。
○佐伯専門官 施設ごとに,先ほどの例では府中刑務所ですと111名ということで非常に多いので,数か月以上かかると思うのですが,少ないところですと数名というところもございますので,そういうことであれば早ければ数週間ぐらいでお答えできる場合もあろうかと思います。
○瀬川委員 そうすると,施設によって非常に違う。規模というか,件数によって違ってくる。数か月から数週間違うということですね。
○佐伯専門官 そうですね。いずれにしろ,やはり年度内には通常終わっております。
○瀬川委員 法的な回答義務はないと思うのですけれども,しかし事実上は口頭でなされているという理解していいですね。
○佐伯専門官 そうですね。
○瀬川委員 分かりました。その場合,理由とかは何か言う,さっき口頭で言うというのをおっしゃったときに,理由とか言うのですか。
○佐伯専門官 判断に至った理由ということですか。
○瀬川委員 特にだめな場合ですね。
○佐伯専門官 申立事項とそれに対する結果,事実がない,事実が認められないので却下するとか,あるいは不当と認められないので却下する,そういった形の回答になろうかと思います。
○瀬川委員 そのとき,担当の方が若干口頭で詳しく説明するということはあり得ますか。
○佐伯専門官 情願の処理としては予定されていないと思うのですが,場合によっては,特に施設に対する改善を要するような事項について指導する場合がございますので,そういった中で一つの処遇テクニックとして言うことはあるかもしれません。ちょっと制度としては,そういうことは予定されていないですね。
○瀬川委員 分かりました。
○大平委員 今一般事務をやりながらこの巡閲もなさっていることを聞きまして,これは本当に大変御苦労さまだと思います。それで,今この巡閲というのは,監査という部分と情願という,大きく二つのことをされているわけですよね。その二つのことをされているということについて,もし監査だけできればとか,情願は別にしてとか,そういうことは何か御意見はございますか。
○渡部矯正監査室長 実際上その方がやりやすいかもしれないのですが,巡閲監査ということで一まとめで,通常は行刑施設だけれども,少年施設の方にも監査ということで回っているものですから,少年施設の方は2年に1回というあれはないのですけれども,それで1年で回っていって,先ほど言いましたようにいろんな角度のところについてそれぞれの自分の担当分野を中心に,保安から教育からとかいうふうな形で監査していくものですから,そういう面ではやはりそういう専門家がいないとなかなか指導も監査もしにくいところはございます。
○大平委員 監査だけでもかなり大変だと思うのですね。その上に情願というのですか,ほとんど受刑者の苦情ですよね。一人が何件もしている,この数字から見たらそうですよね。ですから,その対応はかなり大変だと思うのです。それともう一点なのですけれども,この監査について,これまで公表はされましたか。こういう刑務所で内部監査がこうだったとかいう,そういう公表の機会はありましたか。
○渡部矯正監査室長 公表というのは,その施設に対しては,こういうことでこういうふうに改善しなさいとか,あるいはこういうところは良好だということをしますが,それを他のところにというのは余りないと思います。
○大平委員 これまではなかったのですね。
○佐伯専門官 結局,最後に報告書をつくりますが,情報公開請求に基づいて明らかにしているものはございます。
○大平委員 請求をされてから公開するのではなく,これからなのですけれども,こういう監査をしたらその都度公表されるということがこれからの流れでは必要なのではないかと思うのですけれども,その点についてはいかがですか。
○佐伯専門官 監査でその結論が出ますね。その中に,例えばこの部分について警備上不安があるので改めなさい。こういったことについては,ちょっと公表にはなじまないという点はあろうかと思います。ですから,その結果の中身によるのかとは思いますが,公表すること自体はよりよき運営ということを前提とすれば,これは問題はないのだろうとは思います。
○瀬川委員 今回のいろんな改革を見ると,第三者機関によるチェックばかりが焦点が当たっていますが,実はもう一つ大事なのはやはり内部的なチェックだと考えます。恐らく外からしか矯正って何もできないのかということになるので,私はもっとこの巡閲について充実させるというか,先ほどおっしゃったような監察機関みたいな独立した部署ができて,それがやはりやるのが望ましいと思いますね。やはり第三者的な機関というのは大事ですけれども,第三者に言われないと何もできないのかということになってしまうので,むしろ矯正内部で何かそういう方策というのですか,今回の中に盛り込めたらいいなと思いますね。だから,そういう部署ができて,さっき言ったように機動性というのですか,それが発揮されるようなシステムができるといいなという感想は持ちました。他方,大平さんがおっしゃったように,やはり外から見て,公表する努力というか,単に内部的にやってそれでおさまっているのだというのではなくて,ある程度外部へきちっと情報公開して,みんなの目に触れるという最近の流れもよく組み入れながら,内部改革を進める方向に持っていってもらいたいと思います。
○南会長 今,巡閲官によるところの巡閲にしろ,それから管区監査がありましたね。これはすべて法務大臣といいますか,矯正局まで報告されているわけですね,結果を。
○渡部矯正監査室長 はい。
○南会長 ただ,公表はされてないということですね。
○渡部矯正監査室長 はい。
○南会長 それから,巡閲には一般巡閲と特別巡閲があるということを聞いているのですが,これは特別巡閲というのは,例えば対象を医療なら医療だけに限定して行うということなのですが,それはないですか。
○渡部矯正監査室長 管区で特別監察という形で事故が起きたときに,同種の事案がほかのところにないかとか,あるいはそういう傾向がないのかとか,そういう特別な場合に特別監察ということで。
○南会長 臨時に行うのを特別監察,そうですか。それは結局対象限定してということになりますね。
○渡部矯正監査室長 はい。
○南会長 それから,巡閲というのは,一般から見ますと大変一生懸命やっておられるように思うのだけれども,何か見て回るというような感じが非常に強いので,これはやはり用語を,お変えになるというようなお考えなのでしょうね。法律には根拠があるわけですから。ですけれども,何かぐるっと見て回るというような。
○瀬川委員 内輪で,特に刑務所というのは閉鎖社会ですから,特にその上に内部的にやっているので,やはりイメージとしてはそれほどインパクトがないのですよね。大変御苦労というのは恐らくみんな知らないと思います,現実には。
○南会長 知らないと思いますよ。
○佐伯専門官 うちの方で調査項目,重点事項ということを,毎年出しているのですが,これだけを調べるのにもかなりの時間がかかりますし,実際上細かく,ではここではどういうことを特徴的にやっているのとか,どういうところを重点的にやっていくのかというのはありますので,かなり私どもから見ると密度的には濃い監査がされているとは思っているのですが。
○大橋補佐 刑事施設法案では,実地監査という名前に変えております。先ほど大平先生から申立てを聞くのと監査するのと大変ではないかという話もありましたけれども,法案でも口頭の申立てをそのまま存続していまして,一つには書面以外に口頭で上級の官庁に申し立てる機会がこれしかないということと,それを聞いた結果を実地監査に反映するという2点のことがありまして,法案ではその実地監査に行く監査官が苦情を聞くという制度になっております。
○南会長 総務省の行政監察というのがありますね。あれは大体何年に1回ぐらい行われるのですか。
○大橋補佐 今はちょっと名前が変わっておりますけれども,一番直近が,平成3年に全国調査,10月から12月にかけて全国の施設。そのときの記録がちょっとございませんので詳細は分からないのですが,全国30か所ぐらいを。
○南会長 今度はいつ行われるのですか。
○大橋補佐 今度は,今は総務省の行政評価局で行政評価というのが行なわれるのですが,今のところ行政評価局の予定では平成16年度,来年度に矯正行政に関する行政評価を実施するという予定にされております。
○久保井委員 今回名古屋の刑務所で不祥事が発生したためにこういう会議が持たれているのですけれども,あの事件の後監査は行われましたですか。あの事件の原因とかそういうことについて,管区監査なり臨時の監査は行われたのでしょうか。
○渡部矯正監査室長 名古屋刑務所に対してですか。
○久保井委員 あの事件発生は名古屋ですから,なぜああいう不祥事が発生したのかということについて,その監査は行われたのでしょうか。
○大橋補佐 矯正局で特別調査チームというチームができまして,矯正局の職員が施設へ行って実地に調査,聞取りを行っております。
○久保井委員 そうする,今おっしゃる管区監査ではないのですね。
○大橋補佐 問題が大きくなりましたので,本省から直接調査に行っております。
○南会長 今はもう巡閲官は,矯正局の幹部クラスといいますか,課長以上とかおっしゃいましたね。これは単なる巡閲官とか書いてあるだけですから,それ以外の人も加えるとかいうようなことはいかがでしょうか。今お答えになれなければ結構ですけれども,そうすると多少それがまた第三者性といいますか,少なくとも第三者的な感じがするとは思うのですが。
○佐伯専門官 例えば人権擁護局の課長さんとか,そういうことですか。
○南会長 そうそう。これはかなり,この調査項目を見ても相当やはり専門的な知識が要りますので,それは矯正局の人でないとできないと思いますが,更にまたそういうふうな第三者の人も加えてみるということも,一つ御検討いただければ。これは法務大臣が指名すればいいわけですから。
○佐伯専門官 巡閲となりますと,現行の監獄法上の問題もございますが,巡閲が来ますとその巡閲官に対する巡閲官情願という問題が出てきます。法務本省による監査ということであれば,必ずしもそうではないわけですから,そういう意味では巡閲を矯正局以外の人材から登用して,矯正施設に対する事務監査というのが矯正局で行いますということは,そういう……。
○南会長 巡閲とは別にですか。
○佐伯専門官 それは可能なのだと思いますが。
○南会長 ただ巡閲官,法律的には巡閲官吏になっていますけれども,それはしかし矯正局の職員に限るとは書いていません。
○佐伯専門官 書いてないのですね。
○南会長 私は以上です。それではよろしゅうございますか。どうも本当にお忙しいところ,ありがとうございました。
 ほかに何か御意見ございますか。
○瀬川委員 専門的な査察機関というのですか,そういう独立したというか,内部で非常に大変な状況が分かったわけですから,そういうのをきちっと我々としてももう一遍考え直すというふうにしておかないと,せっかく来てもらったのに何もないということになってしまうと思うのですよね。
○久保井委員 今日の御意見も,ほかの通常の業務をやっている人が臨時にチームを組んでやっているだけでは,これは負担になり過ぎる。十分なことができないという意見が出ていますから,やはりそういう査察制度というものを。
○南会長 専門のそういう監察官というようなものを。
○久保井委員 要ると思います。
○南会長 一応検討してみると。
○久保井委員 知識の面と負担の面,両方あると思います。
○瀬川委員 それと,先生がおっしゃったように何か工夫というか,透明性というか,そういう点も工夫しながら。
○南会長 増員と,それからやはり監察結果の公表というようなことでしょうかね。
○久保井委員 少しは前進させないとね,その辺は。
○南会長 その三つですかね。監察官の専門の,そういうふうなものと。
○大橋補佐 法案では監査官と言っていますけれども。
○南会長 施設の方の。あれも監査官とは言いながら,一般の職員ですよね。本務と兼務してやっているわけで,独立のあれではないです。それだけの職務じゃない。
○瀬川委員 だから,情願を取り扱うのとは別に,独立してそういう行刑矯正全般を監察できる部署というか,何か人員の手だてというのですかね。
○南会長 先ほどおっしゃった一般的な監査は,どこがやっておられるのでしたかね。というのは,行政庁というのは監督権というものにつながれているわけですから,そういう意味では上級庁が下級庁を監督するという制度があるわけですけれども,それはどういう形でおやりになるのですか。
○大橋補佐 矯正施設につきましては,矯正監査室でやっております。
○南会長 何か監察の担当の人いらっしゃいますよね。
○渡部矯正監査室長 矯正監査室で所管しております。
○大橋補佐 ただ,情願も職員の処分なども併せて全部矯正監査室で担当しております。
○南会長 私これを見て,行政の組織がややこしいのですよね。だから,法務大臣と,それから法務大臣の補助機関の矯正局,それからその下の矯正管区長,それから刑務所長,それから刑務所長から看守長,看守という,その縦の系列の権限関係というのは,非常に不明確ですね。
○久保井委員 監察の関係も,既存のものがないようで結構あるのですね。
○南会長 あるのですよ。
○久保井委員 それをよくわきまえた上で,新しい制度を。
○南会長 だからそういう点もきちっとされて,所掌事務の方の規定はあるけれども,権限規定というのはありませんよね。この指揮命令のある程度の混乱というのが,いろんな意味での問題を起こしているような気もするのですよ。だから,一般の行政監督もきちっとしていかなければいけない。更にその上に,ある程度第三者的なそういうふうな監察官といいますか,監査官ですか,それもつくっていく。
 それでは,今日一応まとまったのは,監査官の……監査官でよろしいですか。
○大橋補佐 正式な名称はどうするかというのは,またいろんな御議論があると思います。
○瀬川委員 内部査察について,もう少し充実した方向で考えるというのは,ここで合意したということでいいですか。
○南会長 だから巡閲と監査と分けるということですね,業務を。それからもう一つは公表,報告。
○瀬川委員 予算も絡むのですけれども,警察官の増員というと1万人を増やすという話になりますが,矯正職員とか保護観察官になると増員というと極端に規模が小さくなりますね。だから,やはりセールスポイントを少しつくっていって増やす努力をしないと。
○南会長 結局また職員の増員ですよね。
○瀬川委員 だけど,警察庁というのはすごいのですよ。何年かで1万とか,あんなのを出しますからね。
○南会長 ちょっといろいろ検討してみますので。それでは,よろしゅうございますか。

4.その他

○南会長 それでは,次の方に移ってよろしいですね。次回は本日御議論いただく予定でありました不服申立制度につきまして,たたき台をもとに御議論いただくとともに,内部査察についても本日の御議論を踏まえたたたき台を用意いたしますので,これをもとに御議論いただければと思います。その上で,次回は最後の論点であります,非常に大事な外部交通につきまして検討したいと思います。いつものように,まず矯正局から現状の説明を受けたいと思いますが,よろしゅうございますか。

〈異議なし〉
 特に御異議がないようですので,次回は不服申立制度,内部査察について議論をした上,外部交通について矯正局から御説明を受けた上で議論をしたいと思います。
 次回の分科会は,11月10日(月)午後2時から,最高検小会議室,これは20階で開催の予定ですので,よろしくお願い申し上げます。
 それでは,本日はこれにて閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

午後3時23分 閉会
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