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野沢法務大臣あいさつ

平成15年10月20日
第6回行刑改革会議における
 この度,法務大臣に就任いたしました野沢太三でございます。
 第6回行刑改革会議の開催にあたり,一言ごあいさつ申し上げます。
 私は,法務大臣に就任するにあたりまして,小泉総理大臣から,「世界一安全・安心な国日本を取り戻してほしい」という指示を受けました。治安の維持を重要な任務とする法務省におきましては,さまざまな点において治安の回復のための施策を推し進めていかなければなりませんが,中でも,治安の最後の砦となるべき刑務所が,健全な姿で,その機能を十分に発揮することが大切であると思うのであります。
 ところが,一連の名古屋刑務所事案を契機として行刑運営上様々な問題が顕わとなり,行刑行政への国民の信頼が大きく損なわれるに至り,法務省にとって,行刑改革が喫緊の課題となりました。
 我が国の行刑は,長い歴史と伝統に基づいて綿々と行われてきたものであり,これを改革するということは容易なことではないかもしれません。
 しかし,受刑者の人権を尊重しつつ,罪を犯した人々を改善・更生させて社会に戻すことは,国民にとって安全・安心な社会を築くために不可欠なことであり,この機会に,行刑行政の問題点を徹底的に見直し,何としてでも行刑改革を成し遂げなければならないのです。
 その意味で,民間の叡知を結集し,国民の視点に立って幅広い観点から行刑改革のあるべき方向を検討していただくことを目的として発足した,この行刑改革会議の重要性は申し上げるまでもないところであり,私としても,この会議での議論に大いに期待しているところであります。
 かつて,私も力を尽くして取り組んだ国鉄改革におきましても,臨調等における専門家や識者の方々からの貴重な御提言をいただき,これを国鉄の職員が真剣に受け止めてやり遂げた結果,改革の実を結んだということがございました。
 この行刑改革にあたりましても,皆様からいただく御提言を,法務省として真剣に受け止め,私自身が先頭に立って改革を推し進めてまいる決意でございます。
 この行刑改革会議からは,年内に御提言をいただく予定であると承知しており,委員の皆様方におかれましてはきわめて精力的にご検討をいただいているということでございますが,今後ともどうかよろしくお願いいたしまして,私のごあいさつとさせていただきます。