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更生保護のあり方を考える有識者会議(第6回)議事概要

1 日時

平成17年11月22日(火)午後2時から午後5時35分まで

2 場所

最高検察庁大会議室

3  出席者

(委員等,敬称略)
(座長)野沢太三(社団法人日中科学技術文化センター会長・元法務大臣),(座長代理)金平輝子(日本更生保護女性連盟会長・元東京都副知事),(委員)清原慶子(三鷹市長),佐伯仁志(東京大学法学部教授),佐藤英彦(前警察庁長官),瀬川晃(同志社大学法学部教授),田中直毅(21世紀政策研究所理事長),堀野紀(弁護士),本江威憙(公証人・元最高検察庁公判部長),桝井成夫(読売新聞東京本社論説委員)(委員・50音順)
(法務省)
 杉浦正健法務大臣,河野太郎法務副大臣,三ツ林隆志法務大臣政務官ほか
(事務局)
 麻生光洋事務局長ほか

4  議題

(1) 「保護観察中の再犯等により入所した受刑者に対する意識調査」について(事務局説明)
(2) 保護観察中の者による重大再犯事件について(事務局説明)
(3) 仮釈放のあり方等について(意見交換)
(4) 保護観察の充実強化等について(事務局説明及び意見交換)

5  会議経過

(1) 杉浦法務大臣からあいさつがあった。
(2) 事務局から,「保護観察中の再犯等により入所した受刑者に対する意識調査」について,別紙1【PDF】により説明した。
(3) 事務局から,本会議立ち上げ後に起きた重大再犯事件の概要について説明したが,説明及び質疑応答等のうち,個別の事件に関する部分については,非公開とする旨の決定がなされた。
(4) 前回に引き続き,仮釈放のあり方について意見交換を行ったところ,各委員から,以下のような意見が述べられた。
・  犯罪被害者等の意見をどのように反映させるかという明確なルールが必要である。また,聴取した際には,地方更生保護委員会がどういう対応をとったのか,理由を付して犯罪被害者等に示すべきである。
・  犯罪被害者等の意見を反映させることは大切であるが,これによって仮釈放が消極的になることは刑事政策的には望ましくない。仮釈放後の保護観察の段階においては,被害者感情を処遇の一環として十分反映させられるのであり,役立てていくことも考えられるのではないか。
・  犯罪被害者等の意見を考える際には,受刑中に加害者がどのように変化したのか,あるいは変化していないのかという情報を犯罪被害者等に伝える仕組みが必要である。
・  性犯罪者を仮釈放させるのであれば,処遇プログラムの有効性が担保されなくてはならない。また,犯罪者の社会復帰の原点は就労と自立的生活である。仮釈放を許すのであれば,就労に対する意欲や責任感が必要であり,これらを引き出すため就労復帰に向けたプログラムの導入も検討されるべきである。
・  受刑者の約3分の1から4分の1は覚せい剤事犯者であり,これらの者については性犯罪者に対するプログラム処遇と同様に1つの塊として考えていくべきである。現在,覚せい剤事犯者に対しては任意で簡易尿検査を行っているが,今後は尿検査の義務付けを検討していくことが必要ではないか。
・  性犯罪者や薬物事犯者に対する治療プログラムを特別遵守事項で義務付けることを考えているのであれば,例示のような形式でも構わないので,法律にきちんと明記すべきである。
・  仮釈放の問題は,大きく二つに分けられる。すなわち,改善更生の意欲のある者と,重大再犯のおそれがある者との二つであり,前者についてはより早期に仮釈放し,就労支援等の支援を充実させる一方,後者については,仮釈放許否の判断は厳しくし,保護観察も濃厚にすべきであって,この濃厚な保護観察が実施できる体制づくりが必要である。
・  二極分化には基本的に賛成である。通常の審理は,現在の三人体制でよいと思うが,重大再犯のおそれがある者に対しては濃密な仮釈放審理が必要であり,その際には,三人の委員にプラスする形で外部委員を加え,慎重に審理することが大切だと思う。
・  濃厚な保護観察を行うべき者とそうでない者を分けられる程度に許可基準を明確にする場合,遵守事項も明確にし,遵守事項違反が疑われれば積極的に取り消すべきである。
・  仮釈放とその後の保護観察の有機的な連携が必要である。仮釈放者はいわば条件付きで社会に戻されているのだから,遵守事項に再犯防止に結びつくような内容を定めていく必要がある。
・  基準が二重になっているのではないか。塀の中である矯正施設では,限られた人員の刑務官で処遇を行っているから,受刑者にいわば人参をぶら下げ,基準に合えば外に出すということでうまくコントロールできるのだと思う。一方,社会に出ると,国民一般の求める安全・安心と出所者の人権が対立する。施設の基準と社会内の基準はギャップがあるが,両者がつながれていない。法務省の基準は社会に対応していないが,これまでは,塀の中のことだから批判されることはなかったのではないか。
・  矯正施設との連携という観点からは,現行の施設駐在官制度をもっと拡充してもよいと思う。
(5) 事務局から,保護観察に関する統計について,別紙2【PDF】により説明を行った後,保護観察の充実強化について意見交換を行ったところ,各委員から,以下のような意見が述べられた。
・  本会議においては,再犯をどう防止するかが最大の課題である。法改正して,正面から明確に再犯防止を規定し,再犯防止を正面から保護観察官の責務として明記すべきである。そして,保護観察官の意識の上に,支援と同時に再犯防止の責務を喚起し,再犯防止に向けた適切な対応を求めることが大事だろう。そのための手段として,尿検査や生活状況の報告を義務付けることは賛成である。居住区域への立入調査権を新設することもあってよいだろう。
・  強制力のある権限を付与しようとするなら,法律を改正し,保護観察官の責務として再犯防止を明確にすべきだと思う。
・  再犯防止の義務といったときに,再犯防止それ自体が義務なのか,再犯防止を目的とする処遇の義務なのか,どちらなのかがよく分からない。
・  再犯防止については,現行法においても改善更生を徹底することによって内包されているのではないか。改善更生と再犯防止の二つを理念として並列に盛り込むことはいかがか。新しい権限を規定することで足りるのではないか。
・  現在は,再犯防止機能も有するものの,保護観察官の当面の任務は改善更生だという意識になってしまっている。だから,再犯の兆候があってもすぐに立ち上がろうとしないのではないか。再犯が起こったら自分の責任だということが明確になれば,もっと保護司の情報に敏感になると思う。
・  現場のことを考えると,これまで改善更生を主目的にやってきたのに,新たなに再犯防止を目的に加えると混乱するのではと懸念する向きもあるが,遵守事項を外形的に判断できる明確なものにして,それに違反したら取り消し排除して,処遇すべき者を社会内に残せば,真に情熱を傾けてやるべき対象者を情熱をもって処遇できることとなり,むしろ歓迎すべきことではないかと思うし,現場にもこうした説明をすれば,混乱は起こらず,納得を得られると思う。
・  犯罪者予防更生法は,改善更生と再犯防止の両方を含んでおり,制度疲労したのは,社会内処遇の体制が不十分だからである。これまでたったこれだけの人数で何とか失敗なくやってきたが,時代が変わり,環境も国民の意識も変化した。再犯防止のためにいろいろ工夫することは大事だが,保護観察官の増員が不可欠である。
・  更生保護には改善更生と再犯防止の両面があると思うが,ここで更生保護が再犯防止に取り組むことが示されないと国民の期待は半減してしまうと思う。体制が不十分だからここまでしかできませんという説明では,国民は納得しないと思う。体制整備や予算措置も必要だと思うが,保護観察官の意識改革も含めて,まず内部努力すべきだと思う。
・  再犯防止の観点からは,当然24時間体制についても検討することになる。そのためには,保護観察官を3倍に増やすことが必要である。
・  「安全・安心」ということが叫ばれ,必要な分野には増員ということもあろうが,基本的に増員ということは困難なのだから,組織をフレキシブルにし,アウトソーシングできるところはアウトソーシングし,資源を重要な部分に集中すべきではないか。
・  これほどアウトソーシングをしてきた分野はなく,むしろアウトソーシングし過ぎたことにより現在の問題は生じていると考えられる。
・  遵守すべき事項を遵守しなければ取り消すということについても,明確でなければいけない。立入調査等の権限を行使しないと遵守事項違反が明らかにできないようでは,事態の改善はままならないであろう。遵守事項違反が外形上明らかであるというものにし,排除すべき者は排除し,対象をできるだけ絞る制度設計が必要である。
・  法律上,遵守事項違反があった場合に取り消すことになっているので,遵守事項の内容は明確でなければいけない。
・  保護観察官や保護司が,できるだけ保護観察対象者を見捨てずに働きかけたいという気持ちを持っているのであれば,少年法の改正案にあったように,警告を挟み,もう一度チャンスを与えるという制度も考えられるのではないか。
・  保護観察付執行猶予者については,改善すべき点が多いと思う。まず,裁判所が設定する特別説示事項は,非常に抽象的で守りづらいような事項もあり,一体どれだけの意味があるのか。また,保護観察所にすれば,本人に関する事前の情報が全くなく,改善が必要ではないか。さらに,取り消しに当たって,現在は保護観察所長が検察官に申出をし,検察官の請求により,裁判所が執行猶予を取り消すかどうかの判断をすることになっているが,もし裁判官が取り消さないという判断をするのであれば,裁判所になぜ取り消さなかったのかという説明責任があるのではないかと思う。
・  更生保護の問題はいろいろあって,これだという決め手というのはないように感じるので,モデルとなるような先行スタイルで効果のあることを導入していくべきではないか。例えば,更生保護施設と保護観察所を一緒にすることはなぜできないのか。更生保護施設と保護観察所が一体になれば,当然24時間体制ということになるし,更生保護施設に官が入ることで地域住民も安心するだろう。また,重大再犯のおそれがある者への対応については,検察庁の特捜部のように十数人の優秀な保護観察官による特別部隊を作ってはどうか。さらに特別保護司をつくってもいいのではないか。
・  保護観察対象者による重大再犯が続いたから強化ということは理解できるが,厳しい部分だけを打ち出すと保護観察が「観察」ではなく「監視」になってしまい,バランスを欠くことになってしまう。
・  強化するだけではなく,夢のある提言にすべきだと思う。よく犯罪情勢が悪化したと言われるが,10年前までは安全な国と言われていたし,現在も殺人事件等の発生件数を見れば,決して悲観すべき状況にまでは至っていない。保護観察中の重大再犯が続き,国民の保護観察に対する目が厳しいのは確かだと思うが,トレンドに迎合すべきではないと思う。
・  現場の保護観察官に聴けば,もっとこういう方法や手段,権限があれば,もっと保護観察がやりやすくなるのにという意見があるのではないか。現場の保護観察官が元気と勇気が持てる方針を打ち出さなければ,有識者会議を立ち上げた意味がない。もう一度現場の声を聴いてほしい。
・  国民の関心にどう応えるかも重要。これほど国民の目が届いていない領域はない。国民の信頼を得るためにも,外部委員会等,国民参加の場を作ってもよいのではないか。

6  今後の日程等

次回は,12月8日(木)午後2時から開催し,更生保護の担い手のあり方及び中間報告等について議論する予定。


(文責 更生保護のあり方を考える有識者会議事務局)

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