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オンライン申請の問題点として,(1)電子署名の普及率が低い,(2)相続証明書等電子情報として送信できない添付書類があること,(3)この研究会で議論している登記識別情報の取扱いの問題がある。登記識別情報の取扱いの問題は,さらに,(1)提供及び通知に当事者の認証が必要であること,(2)提供時の秘密性の保持に難点があること,(3)決済同時申請における有効性の確認手続に難しさがあることに分けられる。電子署名の普及率と電子化されていない書面をどうするかについては,今の段階でどうにかできるものではないと考えているが,さりとて,オンライン申請の普及率を上げるためには,相続関係の各種証明書等電子情報として送信できない添付書面については,神奈川方式(横須賀支局及び平塚出張所で試行されている添付書類別送方式)が,現時点においてはもっとも確実な解決方策ではないかと考える。なお,この添付書面別送方式についても,別送する書類については簡略化をすることができるのではないかと思われる。 |
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オンライン申請における登記識別情報の提供及び通知について,当事者の電子証明書が必要となっているが,これがネックになっている。公的個人認証が普及していない現状においては,オンライン申請の普及は望めない。したがって,登記識別情報の提供については,当事者の電子証明書を求めずに資格者代理人の電子証明書のみで送信することを認めることとする。通知については,登記識別情報通知書を発行することとしてはいかがか。また,資格者代理人の電子証明書のみのダウンロードを認めることとしてはいかがか。資格者代理人には守秘義務が課せられているので,問題はない。 |
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分筆した土地の一筆のみの担保権の抹消や複数の担保権を設定する場合等,登記識別情報が漏れるおそれがあることから,登記識別情報を提供したくないという要請に対応するため,準則42条を改正し,登記識別情報を提供することができない正当な理由を緩やかにする必要があるのではないか。 |
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登記識別情報の提供時に秘密性が破られるという問題点を解消するには,登記申請のたびに新たな登記識別情報を再通知することも考えられるが,一つの物件に何個もの登記識別情報があるという問題が生じることにもなる。この問題は,再通知した年月日を登記事項とすることによりクリアすることも考えられる。 |
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有効性確認の手続を資格者代理人が行うためには,登記名義人の委任状のほか印鑑証明書も必要となっており,重たい手続となっている。決済前には,登記名義人の理解を得ることが難しい。したがって,登記の委任を受けた資格者代理人による職務上の有効証明請求を認めるべきではないか。また,より利便性を高めるために,登記情報交換システムを利用して,どこの登記所の管轄に属する登記識別情報であっても証明することができないか。 |
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登記識別情報を提供することによって情報漏れが懸念されることから,登記識別情報を提供しないで,「登記識別情報の失効していないこと」の証明が得られる制度を導入することにより,登記識別情報を事前に提供しないことはできないか。 |
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有効証明書を発行した物件については,一時的に失効申出を制限するか,失効申出の手続をもっと厳格にして,簡単には失効させないこととすべきである。 |
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新法は,本人申請を前提としてできているが,実際には,95%が代理人が申請していることから代理人申請型のシステムも別途開発すべきではないか。 |
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登記識別情報の有効性確認について,(1)資格者代理人に職務上請求を認めることと,(2)登記識別情報を提供しないで「失効申出がされていないこと」の証明制度を導入することにより,かなり安心した決済が可能になると考える。 |
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新法は,登記済証の役割を2つに分けた。つまり,本人確認に代わる登記識別情報と登記の完了通知に代わる登記完了証である。現実の取引社会においては,通知書という物理的な物の方が機能している。したがって,現行の登記完了証の制度を見直し,内容を充実することにより,登記済証の役割を持たせることはできないか。一般国民の権利証がほしいという要請にも応えることができる。オンライン庁指定後においては,登記完了証の内容が充実していないので,受領証の発行が増加している。これにより窓口における登記官の事務が増大している。どのような内容の登記が完了したのか分からない仕組みとなっているので,申請書とほぼ同じ内容のものを登記完了証として発行すべきではないか。 |
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論点整理図案に,登記済証の役割の一つであった登記完了証の問題も掲げるべきではないかと考える。 |
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オンライン申請率50%を達成するためには,添付書面を整理・見直しをして減らすこととし,添付書面別送方式は当面必要である。その際,例えば,相続関係説明図だけでもよいのではないか。また,添付書面別送方式についても,すべての添付書面をあらかじめPDFファイルで送付することは作業量が大きいので,資格者代理人も登記所職員も大変である。必要最小限の添付書面,つまり,登記原因証明情報だけをPDF化して送付することとし,委任状は別送だけでもよいと考えている。これによって,順位確保だけのための空申請には対応できるのではないか。 |
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バーチャル登記所の設置やプログラムの仕様を公開(どの程度公開するかは別途検討が必要ではあると思うが)して,民間ベンダーに競争させることとしてはどうか。 |
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プログラムの改善には,資格者代理人の意見を聞くだけではなく,資格者代理人との共同開発が必要ではないかと考える。そうすれば,オンライン申請が使われるようになる。 |
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準則42条の改正に関する提案についてであるが,所有権移転登記の場合や抵当権の抹消の場合にも登記識別情報を提供しないことを含むという趣旨か。また,有効性証明についての職務上請求については,登記申請の委任がされているということが前提となるのか。 |
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現に登記識別情報があっても資格者代理人の本人確認情報により登記の申請をするという趣旨であり,取引の場面においては登記識別情報で本人確認をすることもある。当事者の合意というのは,登記識別情報を登記所に出さないことについては,権利者の意思も必要であるということである。職務上請求については,登記申請の受任が原則であるが,それを証する情報を登記所には示さなくても証明を受けることができるという趣旨である。 |
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失効申出制度が悪用される恐れがあるので,見直す必要があるとの意見があるが,失効申出制度は,登記識別情報が情報であることから盗み見られる可能性があるということで,盗み見られた場合の不正登記の防止という観点から導入された制度である。したがって,失効申出制度の廃止を含めて見直した場合に,登記識別情報が盗み見られたような場合にどのように対応することとなるのか。 |
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そのような場合は,取引とは関連していないケースだと思う。したがって,比較的余裕があるのではないかと思われる。したがって,失効申出については,厳格な手続を行って,失効することを可能とすることとしてはどうか。 |
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そのような場合は,不正登記防止申出(準則35条)で対応することとしてはどうか。 |
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現在,金融機関の管理上の都合で登記識別情報の失効申出手続を大量に行っているが,金融機関は,登記識別情報通知書を持参される場合が多い。失効の申出には,登記識別情報通知書の原本の提出を義務づけることとしてはいかがか。 |
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その場合に,登記識別情報通知書の原本が紛失や盗難の場合は,有体物がなくデータしかないが,どうすれば失効申出ができることとなるのか。通知書がある場合は,通知書の提出が必要で,紛失した場合は通知書を提供できないとすれば,大部分について,抜け穴ができてしまうのではないか。 |
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その場合は,本人の誓約書や資格者代理人の事情聴取書などを提出させればよいのではないか。 |
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金融機関からすると,資格者代理人の本人確認や事前通知では,実務上大変であるという思いがある。特に,金融機関は,代表者から現場の支店長等に対し業務権限の委任がされており,資格者代理人は支店長の本人確認をすることとなるが,支店長が不在の場合などタイムリーな本人確認ができない。また,事前通知については,どこの支店に関するで登記なのかもわからない。現在,日本司法書士会連合会との間で,売買による所有権の移転登記の場合には,金融機関は資格者代理人の有効性確認にできるだけ協力していきましょうという動きがある。 |
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事前通知については,連件申請でなければよいが,決済がからむ連件申請であると迅速に登記することができない。公証人の認証は,公証役場に出向く必要があり,困難な場合も多いと思われる。残された選択肢は,資格者代理人の本人確認情報の提供である。問題は,金融機関の代表者の本人確認である。通常,金融機関の代表者に代わる者は,支店長クラスであるが,現場では,代理人となる司法書士が支店長に面談することが日常的に可能かというと無理がある。もっと,簡便な仕組みが必要である。例えば,住宅金融公庫が抵当権者である抵当権設定登記は,通常は,市中銀行が手続を行っているが登記名義人は住宅金融公庫である。住宅金融公庫の抵当権を抹消する場合は,実際に事務を扱っている(受託した)金融機関の本人確認でよしとすべきではないか。 |
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信用金庫の場合も代表者から支店長に業務権限証書を発行しているが,司法書士の本人確認手続の時に急に行けないような場合もある。 |
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資格者代理人が関与する場合は,各種の要件を緩くする方向がよいということで,資格者代理人が関与することが望ましいということか。 |
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オンライン申請の促進を図るためには,登記識別情報の簡便な有効性確認方法を導入する必要がある。登記識別情報があるためにそのシステム維持管理に相当な経費が必要であるばかりでなく登記所職員の事務負担も相当あるのではないかと思われる。登記識別情報の制度を廃止しなければオンライン申請率50%は望めない。資格者代理人にまかせてもらえばオンラインの利用率も80%は達成できるはずである。 |
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有効性確認とか失効証明が重たいというのは分かるが,これらは登記申請の前の段階の確認作業であり,それと登記の申請段階であるオンライン申請との関連性はあるのか。 |
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取引の現場においては,有効性確認についてもオンライン申請でやろうと思っている。全体としては,オンライン申請につながるものと思っている。 |
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提案の代理人申請システムについてであるが,不動産登記の建前は本人が申請することになっている。代理人申請システムについては,委任状に当たるようなものがないのに登記申請ができるということか。 |
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確かに本人申請が建前であるが,資格者代理人が主導権をとって登記申請をしているということである。委任がなければ登記申請できないということは当然である。委任状の形式は考えないといけない。 |
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旧不動産登記法の手続においては,登記権利者には印鑑証明書の提出を求めていなかった。 |
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制度やシステムを限りなく代理申請に近づけていかなければ,オンライン申請はされない。 |
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登記は,本人でできるのが原則である。しかし,現実は,95%が資格者代理人が申請を行っている。資格者代理人は,当事者の間に入って,公平な第三者の立場で関与している。他の行政の手続とは根本的に異なっている。専門家が関与した方が事故がないことは明らかである。 |
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オンライン申請率が50%いくかどうかであるが,論点整理図案にある改善策が実現できれば,相当程度進むものと思われる。法人の場合の業務権限証書は工夫する必要があると思われる。資格者代理人としてもどのように対応していくかの検討が前に進んでいない。 |
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新不動産登記法に基づく資格者代理人が関与する取引のビジネスモデルの作成については,時間がかかると思われる。 |
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多くの登記の種類(抹消して,所有権移転して,抵当権を設定する。)があるが,旧不動産登記法に基づくビジネスモデルは,工夫の結果のものであり,今の形が一番安心感があり安全であり安定感があるということである。オンライン申請の場合は,今,まさにビジネスモデルを模索・検討している段階である |
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準則42条の改正に関しては,ご提案の方向が相当であると考えるが,その上で細部の法律構成を考えると,当事者の合意という構成では,法21条・22条の文言との関係で法制的にうまくいかないと思われるのでなお検討したい。有効性確認の職務上請求については登記申請の受託を要件とするか否かについてもう少し検討したい。 |
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元の登記済証の役割との関係で整理すべきではないか。すなわち,論点整理図案については,(1)登記済証が持っていた本人確認機能に代わる12桁の登記識別情報の制度,(2)登記済証が持っていた登記済証を所持している者が本人であるという機能に代わる有効性確認の制度,(3)登記済証が持っていた登記の完了通知に代わる登記完了証の3つの柱に分けて整理して作るべきではないか。 |
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登記識別情報を人間の目で確認できなかったから,バグが発見できなかったのではないか。論点整理図案は元の登記済証の役割との関係で整理すべきではないか。根本的な制度設計の関係であるが,論点整理図案に列挙された対応策を全部実施するとすれば,何千万円もの経費を必要とするのではないか。それは廃止論との関係ではおかしいのではないか。したがって,まず,登記識別情報の存廃を議論すべきではないか。登記識別情報を廃止しても第一次的な本人確認手段は事前通知とすべきであるから直ちに資格者代理人の本人確認にはいかない。この論点整理図案は公表するつもりか。 |
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この論点整理図案は,議論を整理するためのものであり,他にも意見等あると思われることから,このままでは公表せず,最終的に論点整理がされたのちに修正して公表することとしたい。また,対応策については,これまで各方面からご提案のあったものを挙げているだけであって,すべてを実施すべきとしているものではない。 |
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この研究会は,オンライン申請利用促進に関するためのものか,登記識別情報の在り方に関するものか,あいまいになってきているのではないか。 |
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オンライン申請の利用促進に関するものではないと理解している。現状の登記識別情報を利用するのであれば50%達成は無理である。添付書面の省略をしなければ50%は達成しない。 |
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登記識別情報があるにもかかわらず提供しないということは,登記識別情報の理念には根本的に抵触することにもなる。したがって,理念との整合性についてはもっと整理する必要がある。 |
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論点整理図案の「対応策の例」については,時間的にも短期間に解決できるものと長期間を要するものがある。今後,この研究会の進め方やまとめ方について,どのような形でどのように議論を進めていくかを盛り込んだようなたたき台となる資料を事務局に作ってもらいたいと思う。各委員も議論の進め方について意見がある場合は,事前に提出されたい。 |
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この論点図については,次回までに本日の議論を踏まえて修正をしたい。次回の研究会までに意見等があれば事務局までお寄せいただきたい。 |