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登記識別情報制度についての研究会(第5回)議事概要

【日   時】: 平成18年11月2日(木)17:00〜19:00
【場   所】: 東京高等検察庁第2会議室
【出 席 者】: 各委員
【議事の概要】
 1  分科会からの説明
 分科会メンバーの委員から,前回報告された分科会での点検結果につき詳しい説明がされ,その説明に対する質疑応答が行われた。
 主な内容は以下のとおり。
  ・  法務省で検討している改善プログラムについては,多角的な観点から検討を加え,登記識別情報の機能及び要件を備えているとの結論に達した。
  ・  検証対象とした改善プログラムは,法務省において,これからオンライン庁に適用しようとしているものであるが,検証の前提として,現在用いられているプログラムについても説明を受けており,それについても問題はないと判断している。
      分科会の検討結果を踏まえ,法務省においてオンライン庁の指定の再開について検討することとされた。

 2  論点整理及び改善策についての説明
 民事局委員から,配付された資料につき,以下のような説明及び質問に対する回答がされた。
  ・  今回配付した論点整理図は,前回配付したものに修正を加えたものであり,前回の議論を踏まえ,「登記完了証の問題」に係る部分を新たに追加した。
  ・  前回研究会において,「対応策の例」について全て実施するのかという意見があったので,「短期的」,「中期的」,「長期的」及び「他の意見」に分類して整理した。「短期的」に分類したものは,通達又は省令の改正は必要であるが,システム改修は不要であり,6カ月程度で実施が可能なものである。「中期的」に分類したものは,政令(登記令)の改正が必要であるか,又は中規模なシステム改修が必要なものであり,実施に1年程度かかるものである。「長期的」に分類したものは,法律の改正が必要であるか,又は大規模な改修が必要なものであり,実施に2年程度かかるものである。「他の意見」は,登記識別情報のみに係る問題点ではないなど,この研究会で対応策として取り上げるのが相当ではないと考えられるものなどである。
  ・  前回出された金融機関における包括委任あるいは業務権限証書についての論点は,論点整理図に整理された論点以外の事項に係るものであるので,論点整理図には盛り込まれていないが,別途,「短期的」なものとして位置づけて整理している。

 3  各論点についての検討
 課題と対応策について,論点整理図に基づいて検討することとされた。
 主な意見内容は次のとおり。
  〔 全体について〕
  ・  登記識別情報制度は廃止すべきであり,改善策(対応策)を検討し,それを講じることは一切不要と考える。改善策を一つ一つ検討することは,登記識別情報制度を改善させて,存続させるという結論に誘導することに繋がるのではないのか。
  ・  オンライン登記申請の普及推進という観点からは,登記識別情報は,廃止するのが最善であり,登記識別情報制度を部分改善したとしても,根本的な解決策にはならない。しかし,登記識別情報制度を廃止するにしても,不動産登記法の改正までに時間がかかるので,現実に毎日発行され続けている登記識別情報の取引上の支障についての対応策は急務である。取扱い等についての最小限改善すべきものは手当てすべきであり,短期的な対応策の検討は行う必要があると考える。
  ・  登記識別情報制度の存廃については,このような改善策の論点から整理して検討しないと判断しかねるのではないのか。この場で存廃を決めろというのは乱暴な議論である。また,仮に廃止するにしても,廃止するまでに時間がある訳であり,適正な制度運営という観点から対応策について検討する必要があるのではないか。
  〔 円滑な不動産取引決済の確保について〕
  ・  論点整理図の「登記完了証の問題」の関連で,登記完了証の記載事項の見直しについて意見する。現行の建物表題部登記の登記完了証では,所有者や不動産の種類などの情報が記載されていない。現状の記載では,所有権保存登記の申請に必要な登録免許税の軽減措置を受ける証明書として利用することができず,別途登記事項証明書を有料で取得する必要があり,申請者の負担となっている。表題部登記の登記完了証には,所有者や不動産の表示はすべて記載する必要があると考える。次に,所有権移転登記の登記完了証についてであるが,これには登記原因や権利者が記載されず,権利の移転原因や所有権者が判明しない。登記原因や権利者についても記載する必要があると考える。抵当権設定登記の登記完了証についても権利者や債権額や債務者等が記載されない。これらについても,抵当権の内容が分かるように,登記完了証に記載するようにする必要がある。これら現状の登記完了証の記載事項を充実させる改善により,取引の場面で本人確認の重要な資料として利用できるようになり,登記完了証が登記済証の有していた取引決済機能と同等の機能を有することになる。
  ・  旧法から新法への法律改正の検討では,法律上は,登記完了証は予定されていなかった。実務上の便宜を踏まえて不動産登記規則で設けられた制度である。
  ・  登記完了証の記載事項は,どのような考えに基づいて決められたのか。
  ・  登記完了証自体が法的に何らかの登記事項を証するという機能は予定しておらず,申請人本人に対して登記が完了した事実を通知するものとして,現在の記載事項になっているのであろう。記載事項を充実させるべきとの要望があることは承知している。ただ,システム改修を伴うので,コスト・パフォーマンスも考えなければならないであろう。
  ・  この問題は,コスト・パフォーマンスだけの問題ではない。登記完了証の記載事項を見直して登記済証と同等の機能を持たせるようにすることは,登記完了証の機能を変更しようという提案になるのであろうが,少なくとも,法律改正の際には,そのような機能は認めていなかったはずである。
  ・  現行の登記完了証は,一件しか申請しない本人申請を前提としているので,申請が完了したという事実が分かればよいとの考えで作られている。しかし,一日に何十件も登記申請を取扱う資格者代理人にとっては,現行の記載事項では当事者の何の登記が完了しているのか,いちいち受付年月日・受付番号を照合しなければ分からない。また,大量の担保設定を行う金融機関や不動産業界等にとっても同様である。このため,実務では,受領証を交付してもらい,登記完了証と受領証を合わせてどの登記が完了したのかを確認している。新法下では旧法下に比べて受領証の交付数が数倍に増加している。登記所サイドでも受領証の交付事務が負担になっていると思われる。
  ・  登記完了証の記載事項を改善して,「権利証明書」の機能を持たせようというものであると思われるが,登記完了証は申請ごとに交付されるものである。権利者ごと又は不動産ごとでなければ,このような機能が果たせないというのであれば,登記識別情報と同質のものを重ねて設けることになるのではないか。
  ・  登記完了証を権利者ごとに作成する必要はないと思われる。例えば,夫婦で不動産を共有している場合,片方についてのみ抵当権を設定するということはなく,通常であれば,両名の共有持分に対して抵当権を設定するはずであり,資格者代理人としては,両名の登記識別情報と登記完了証を一セットにしてお渡しして保管してもらっているのが現状である。
  ・  資格者団体では,登記識別情報の有効証明請求について資格者代理人による職務上請求制度を創設し,オンライン申請における添付書類の別送方式を導入した上での資格者代理人の売買決済立会における改善案のモデルを検討している。
  ・  登記完了証を改善すべきという提案がされているが,商取引に利用できるようなものであれば,ペーパーベースでのこのような改善は必要だと思う。また,そもそも,新法においてペーパーレスを前提として考える必要はないので,登記識別情報と登記済証の両方を出せるようにすべきと考える。
  〔 登記識別情報の保管・管理について〕
 特段の意見は出されなかった。
  〔 申請手続の簡素化について〕
  ・  論点整理図では「申請手続の簡素化」が掲げられているが,オンライン登記申請が利用されない問題はまさにここにある。やはり,現行の申請手続は,本人申請を前提とした制度設計になっている。資格者代理人の申請を前提としたモデルにすべきである。

 4  次回の予定
 第6回の研究会は,平成18年11月28日(木)午後5時から開催することとし,これまでの議論を踏まえた報告書案を事務局が作成し,報告書案について検討を行うこととされた。

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