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人権擁護委員活動の活性化の方策

 人権擁護委員活動の活性化の方策
 (1 ) 適性・専門性を活用する方策
  ○  子どもの人権専門委員(注2参照)に代表される専門委員制度は,広範な人権問題の中から当該委員が重点的に活動する分野を特定することにより専門性の涵養に役立つとともに,積極的な活動の動機付けにもなるなど,委員活動を活性化するための有効な方策であり,今後とも積極的な展開を図る必要がある。人権調整専門委員(注5)は,先の答申で提言した新たな人権救済制度の中で,救済手続に積極的に寄与するものとして発展的に位置付けられるべきである。
 常駐委員制度(注3参照)は,人権相談を中心に委員活動の活性化に寄与しており,今後もその充実を図る必要がある。
  ○  地域社会に根ざした活動が期待される人権擁護委員の基本的性格からすると,その職務執行区域は委員が置かれている市町村の区域を中心とすることとなるが,他方で,例えば子どもの人権専門委員のように,複数の市町村を包含する人権擁護委員協議会(注6参照)単位で活動を行うことを原則としているものもあり,また,専門性を有する委員の職務執行区域を市町村の区域に限定する理由もないことから,当該市町村の区域外においても,必要に応じ柔軟に職務を行うことができるものとすべきである。
 (2 ) 人権擁護委員の待遇
  ○  社会貢献の精神に基づき人権擁護活動に従事するという人権擁護委員の基本的性格や,民生委員,保護司等の待遇との均衡からは,職務の対価としての報酬は支給しない取扱いを維持することが適当であるが,その職務遂行に要する費用については十分補われる必要がある。
  ○  災害補償については,人権擁護委員には国家公務員災害補償法の適用がなく,専ら委任者の受任者に対する損害賠償義務を定めた民法650条3項の適用により賄われているが,人権擁護委員の職務は公務に位置付けられるものであり,人権委員会の職員等と一体となって遂行されるものであることに照らし,国家公務員と同等の補償を行うものとすべきである。
  ○  人権擁護委員に対する表彰等の制度については,その適正な運用に留意する必要がある。
  ○  人権委員会の行う調停,仲裁についても,専門性を有する人権擁護委員の参加が予定されている(人権救済制度の在り方に関する先の答申第7,3)が,これらの手続を担う者の待遇は別途整備される必要がある。
 (3 ) 人権擁護委員の組織体(注6)の役割
 人権擁護委員活動の一層の活性化を図るためには,個々の人権擁護委員の活動だけでなく,その組織体の積極的な活動の推進を図る必要がある。今日のように人権問題が複雑・多様化している状況の中では,個々の人権擁護委員による対応には限界があり,組織体が中心となって,自主的に各種の人権擁護活動や研修を企画・立案し,実施することにより,初めて個々の人権擁護委員の適性・専門性を有効に活用し,その積極的な活動を促すことが可能となる。組織体が人権委員会に対し適切に意見を述べることにより,人権擁護委員活動を通じて得た経験や成果を人権擁護のための施策に反映させていくことも重要である。また,地方公共団体や人権擁護にかかわる団体等との有効な連携協力を図る上でも,組織体の役割は不可欠である。
 人権擁護委員の組織体がこのような役割を果たすためには,人権擁護委員による積極的な自主運営を含め,組織体事務局や人権課題に応じた専門部会等の体制整備が図られる必要があり,人権委員会は,組織体の活動環境の整備に努めるべきである。
 (4 ) 地方公共団体等との連携協力
 関係機関・団体等との連携協力の重要性については,先の二つの答申においても指摘したところであり,人権擁護委員及びその組織体も関係機関・団体等との間で積極的に連携協力を図っていくべきである。
 特に人権擁護委員及びその組織体は,地域社会に根ざした人権擁護活動を通じて地域住民の福祉に寄与すべき立場にあり,これまでも市町村と共同で人権相談を実施し,あるいは,人権啓発活動ネットワーク事業やその他の場面で市町村や都道府県と連携を図ってきたところであるが,引き続き,その職務全般にわたり,地方公共団体の担当部署との日常的な接触等を通じ,緊密な連携協力体制を構築すべきである。地方公共団体の側においても,人権擁護委員の活動に必要な協力を行うことが期待される。
 (5 ) 人権擁護委員制度の周知
 人権擁護委員制度の周知を図るためには,人権擁護委員自身が人権委員会を中心とする新たな人権擁護体制の重要な一翼を担っていくことを十分に認識し,地域社会におけるより積極的な活動を通じて人権擁護委員の存在・活動を地道にアピールしていくことが肝要である。それとともに,人権委員会としても様々な媒体を利用して,この制度の広報に努めることも重要である。


(注 2)子どもの人権専門委員
 人権擁護委員の中から,子どもの人権問題を主体的,重点的に取り扱うものとして指名された委員。児童の権利に関する条約の批准を踏まえ,子どもの人権問題に対する取組を強化する目的で,平成6年度に子どもの人権専門委員制度が導入された。
(注 3)常駐委員
 人権擁護委員の中から,法務局・地方法務局や一定の支局に常駐し,人権相談等に従事するものとして指定された委員。人権相談に対する取組を強化し,併せて委員活動の充実を図る目的で,平成3年度に常駐委員制度が導入された。
(注 5)人権調整専門委員
 人権擁護委員の中から,人権侵犯事件のうち当事者間の利害を調整する必要がある事件について,中立公正な立場から当事者の言い分を聴き,調整を行うものとして指名された委員。人権救済に関する取組を強化する目的で,平成8年度に人権調整専門委員制度が導入された。
(注 6)人権擁護委員の組織体
 人権擁護委員の組織体として,原則法務局・地方法務局の本・支局単位で設置されている人権擁護委員協議会,都道府県単位で設置されている都道府県人権擁護委員連合会及び全国人権擁護委員連合会がある(人権擁護委員法16条)。このほか,法律上の組織ではないが,全国8ブロックにブロック人権擁護委員連合会が設けられている。
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