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文書提出命令制度小委員会(第1回)議事要旨

平成8年10月24日
担当:法務省民事局

1 日時   平成8年10月24日(木)15:30~16:20
2 場所   法務省第2会議室
3 議題   今後の審議の進め方について
4 会議経過
 (1)  竹下小委員長のあいさつ及び出席者の自己紹介が行われ,小委員会の名称を「文書提出命令制度小委員会」とすることが了承された。
 (2)  事務当局から,民事訴訟法案の国会提出,国会における審議及び民事訴訟法の成立の各経緯,国会における政府提出法案の修正及び衆・参両院の法務委員会の附帯決議の各内容並びに衆・参両院の法務委員会における文書提出命令に関する小委員会の設置の経緯について報告がされた。
 (3)  今後の審議の進め方について意見交換がされたが,その内容は,おおむね次のとおりであった。
   ・  部会で了承されたとおり,当面は,小委員会とは別に研究会を組織し,民事訴訟法を専門とする学者及び実務家以外の学識経験者の参加も得た上で,各国の法制度における行政文書の取扱いについての比較法的な調査,関係各方面からのヒアリング,問題点の分析・整理等の基礎資料の収集を行い,順次,その成果を小委員会に報告するという形で,小委員会における調査審議と研究会における研究とを並行させる形で検討を進めていきたいと考えている。
   ・  具体的には,来月中にも研究会を立ち上げ,その後1か月に1回程度のペースで研究会を開催するとともに,研究会の成果が最終的にまとまった段階だけでなく,その成果がある程度のまとまりを持った中間段階でも,適宜,小委員会を開催し,研究会の報告をすることとしたい。
   ・  最終的な成案を得るための実質的な審議は,小委員会で行うべきものであると考えられる。研究会の中心的な役割は,そのための基礎資料の収集であり,研究会が一定の案を作成して小委員会に提案するということは予定していない。もっとも,実質審議の前段階の作業として問題点の整理・分析を行うことは予定している。
   ・  国会審議における民事訴訟法案の修正により,行政文書についての文書提出命令制度の検討はいわば振出しに戻ることになったが,全くのゼロからのスタートというわけではなく,新しい民事訴訟法で民間の文書について一般義務化の考え方が採用されたことや,今後の検討の対象とする事項及び方向性について衆・参両院の法務委員会で附帯決議がされていること等を踏まえて検討を進めることになると思われる。
   ・  新法の附則27条の要請もあるので,行政情報公開法の制定に向けた検討状況を十分に視野に入れながら検討を進める必要があろう。
   ・  附則27条は新法の公布後2年を目途として必要な措置を講ずるものとしているから,早急に検討を進め,同条の趣旨に添った措置を講ずることができるよう最大限の努力をしなければならない。しかし,行政文書についての文書提出命令制度の内容は,情報公開法においてどのような行政情報が不開示とされるかという問題と密接に関連していると考えられるので,今後の審議スケジュールを考えるに当たっては,情報公開法の制定に向けた検討の内容及び進捗状況を注視していく必要がある。したがって,最終的な成案を得る時期を現段階で明確に定めることは難しいと思われる。
   ・  参議院法務委員会の附帯決議では公務員の証人尋問についても併せて検討を加えるべきものとされているが,文書提出命令制度に関する検討に必要な範囲で,その周辺の制度についても検討することになると考えられる。文書提出命令の規定と証人尋問の規定との関係については,国会審議においても様々な観点から議論がされたところであり,そこでの議論も踏まえて検討する必要があると思われる。
   ・  行政文書についての文書提出命令制度の在り方は,国会審議においても様々な議論があった問題であるし,情報公開制度と関連することも手伝って社会的にも注目を集めた問題である。このため,この小委員会においても,場合によっては各委員の見解が大きく対立することも考えられるが,十分に審議を尽くして,成案を得たい。